（完結） 転生して１６歳から人生やり直し

進む道を教わってみた

「最近、光希の口から、男子の話が増えて嬉しいわ」

夕食を食べながら、母が言った。

「学生時代の友人は、一生続く。
大事にして、損は無い」
父親も偉そうな事を言った。

「書道部の加藤は、雄大な書を書くんだ。
書は性格が出る。教わりたいよ」

「男子二人しかいないんじゃ、仲良くするしかないわね」

火曜の書道部練習日、加藤が書いた書に目を奪われた。

【 St. Valentine's Day 】

アルファベットを毛筆で、力強く一気に書き上げている。

「加藤、これは何だ」

「アルファベット書道とか、書道アートとか呼ばれている。
お前が留学するなら、覚えていて損はない。
向こうでは、派手なデモは喜ばれるからな」

「凄いよ、やってみたい」

「もう少し、筆使いが上達してからやればいい。
フリーフォントがネットにたくさんあるから、好きなのを練習するといい」

練習の最後に、真似て書いてみた。
まるで、美しくない。

「あれだけ英語が喋れるのに、書くのは別のようね」
羽田美乃里が笑ってる。

「今日は、書道部に入って最高の気分だ。
俺が進む道が決まった。必ず、ものにする」