322 / 322
最終章
最終話
しおりを挟む
「田中さん、俺たちの仲人をお願いします」
ガーデンズオフィスを、俺と聖苑の二人で訪ねた。
7月に俺たちの結婚式をする為に、仲人を頼むためだ。
「聖苑さんは一ノ瀬のお嬢様だぞ、俺では格が違い過ぎるだろう」
「一ノ瀬グループの結婚披露パーティは、秋にやることになるでしょう。
田中さんには、私たちだけの結婚式で仲人になって欲しいんです」
「社長は了解してるのか?」
「文句は言わせません」相変わらず、お嬢様は強気だった。
****
7月、晴天の日曜日午前10時。
俺はモーニングコートを着て、軽井沢スペキアーリスホテルの男性用衣装ルームにいた。
俺の親父や弟の拓海、一ノ瀬社長と先代の社長などが、ホテルのスタッフに着付けをされている。
壁には、solemnity/ウェディングドレスのポスターが貼ってあった。
本来なら専属モデルの北宮芽亜里が務めるのが当然だが、妹の出雲沙織が着ている。
solemnity meetingでシーホークさんが真凛のドレス姿が見たいと、fanを煽ったせいだ。
俺が断固拒否したので、ホテル側が沙織を指名して来た。
芽亜里で行くべきと俺は主張したが、スペキアーリス側、一ノ瀬グループの要望に加山社長が押し切られた。
北宮芽亜里もシーホークさんのトークを現場で聞いていたので、快く了解している。
「まるで真凛が着ているようだ」
今日の仲人、田中社長が俺に話しかける。
「田中さんに、天下を取らせて挙げられなかったね」
「出利葉花蓮や沙織が取らせてくれるさ。
だがきっかけは、お前だよ」
返事の代わりに俺が拳を出すと、田中氏が拳を合わせた。
当初、ポスターはホテルやブライダルカウンター用に印刷して配布した。
ところが沙織がシーホークの深夜ラジオにレギュラー出演した際に、ポスターをリスナー用にプレゼントにした。
サイン入り1枚だけの募集に、シーホークのラジオ始まって以来の応募が有った。
それがまたNetNewsを騒がせて、話題が拡散していく。
ホテルだけではなくガーデンズオフィスやsolemnityにまでポスターの問い合わせが入るようになり、再印刷することになった。
俺は、forutunaメンバー出雲沙織というブランドの威力を再認識させられた。
時間が着て、出席者がチャペルに移動するようだ。
「新郎は、こちらにお願いします」
ホテルのスタッフに案内されて、控えの間に案内された。
「皆様が入場されました。新郎の入場です」
スタッフに呼ばれて、俺はチャペルのドアの前に立つ。
さあ結婚式の始まりだ。
(完)
長らく、お付き合い頂き、ありがとうございました。
当初書き上げていた最終話がどうしても気に入らず、書き直したいがアイディアが出てこない。
出るまで放置していたら、インフルエンザの高熱の中、出て来たのが今回の話です。
色々な伏線は全部は回収せず、放置しました。
御免なさい。
完結したことで、許してください。
銀色猫
ガーデンズオフィスを、俺と聖苑の二人で訪ねた。
7月に俺たちの結婚式をする為に、仲人を頼むためだ。
「聖苑さんは一ノ瀬のお嬢様だぞ、俺では格が違い過ぎるだろう」
「一ノ瀬グループの結婚披露パーティは、秋にやることになるでしょう。
田中さんには、私たちだけの結婚式で仲人になって欲しいんです」
「社長は了解してるのか?」
「文句は言わせません」相変わらず、お嬢様は強気だった。
****
7月、晴天の日曜日午前10時。
俺はモーニングコートを着て、軽井沢スペキアーリスホテルの男性用衣装ルームにいた。
俺の親父や弟の拓海、一ノ瀬社長と先代の社長などが、ホテルのスタッフに着付けをされている。
壁には、solemnity/ウェディングドレスのポスターが貼ってあった。
本来なら専属モデルの北宮芽亜里が務めるのが当然だが、妹の出雲沙織が着ている。
solemnity meetingでシーホークさんが真凛のドレス姿が見たいと、fanを煽ったせいだ。
俺が断固拒否したので、ホテル側が沙織を指名して来た。
芽亜里で行くべきと俺は主張したが、スペキアーリス側、一ノ瀬グループの要望に加山社長が押し切られた。
北宮芽亜里もシーホークさんのトークを現場で聞いていたので、快く了解している。
「まるで真凛が着ているようだ」
今日の仲人、田中社長が俺に話しかける。
「田中さんに、天下を取らせて挙げられなかったね」
「出利葉花蓮や沙織が取らせてくれるさ。
だがきっかけは、お前だよ」
返事の代わりに俺が拳を出すと、田中氏が拳を合わせた。
当初、ポスターはホテルやブライダルカウンター用に印刷して配布した。
ところが沙織がシーホークの深夜ラジオにレギュラー出演した際に、ポスターをリスナー用にプレゼントにした。
サイン入り1枚だけの募集に、シーホークのラジオ始まって以来の応募が有った。
それがまたNetNewsを騒がせて、話題が拡散していく。
ホテルだけではなくガーデンズオフィスやsolemnityにまでポスターの問い合わせが入るようになり、再印刷することになった。
俺は、forutunaメンバー出雲沙織というブランドの威力を再認識させられた。
時間が着て、出席者がチャペルに移動するようだ。
「新郎は、こちらにお願いします」
ホテルのスタッフに案内されて、控えの間に案内された。
「皆様が入場されました。新郎の入場です」
スタッフに呼ばれて、俺はチャペルのドアの前に立つ。
さあ結婚式の始まりだ。
(完)
長らく、お付き合い頂き、ありがとうございました。
当初書き上げていた最終話がどうしても気に入らず、書き直したいがアイディアが出てこない。
出るまで放置していたら、インフルエンザの高熱の中、出て来たのが今回の話です。
色々な伏線は全部は回収せず、放置しました。
御免なさい。
完結したことで、許してください。
銀色猫
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
40
この作品の感想を投稿する
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる