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最終章
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2月最終週から始まった日本女子プロゴルフツアーは、暖かい沖縄から九州と連戦が続く。
出利葉花蓮は去年までの堅実なプレーを捨てて、無謀と思えるほど超攻撃的になっていた。
急激なプレースタイルの変更は、実に付くまで混乱を招く。
いいスコアと悪いスコアがランダムに出る。
中々、自分でもコントロール出来ないようで、成績は振るわなかった。
流れが変わったのは、3月後半になって関東の試合になってからだ。
千葉で開かれたトーナメントで、いきなり3位に入った。
予選ラウンドをカットラインぎりぎりで通過すると、3日目、最終日と爆発して50人抜きでの快挙だ。
3位の賞金700万円を獲得して、一息ついた。
「やっと花蓮も結果が出たね」
月曜日にガーデンズオフィスで、田中社長と会って話す。
「本当の実力は、あんなもんじゃない。
角川プロに言わせれば、今は調整中なんだ。
まだまだ上を目指す」
田中社長は強気だった。
「しかし、よく角川プロが指導してくれる事になったよね」
俺は、今まで女子を指導しなかったのに引き受けてくれたことが不思議だった。
「三島悠花のアドバイスが効いたんだ」
「そういえば、お正月の交歓会で仲良く話し込んでいたね」
「花蓮が日本タイトルが取れないんですって相談したら、悠花が何と答えたと思う?」
「・・・・」思い浮かばなかった。
「日本タイトルを狙うから取れないんだよ。世界タイトルを取るつもりで、やらなきゃ。
私も日本記録を目指していた高校生の時は、記録は出なかった。
世界記録を目指して練習したら、日本記録は簡単に突破で来たんだ。
悠花は、そう言ったらしい」
「その話を角川プロに話した?」
「ああ、角川プロは感心していたそうだ。
USLPGAのメジャータイトルを取る練習をしたいって言ってきた女子プロは、初めてだって言ってた」
この話を聞いて、俺は後悔した。
何としても、solemnityのウェアを作るべきだった。
スケジュールが満載の英国出張に、スコットランドを訪問することを追加することにした。
出利葉花蓮は去年までの堅実なプレーを捨てて、無謀と思えるほど超攻撃的になっていた。
急激なプレースタイルの変更は、実に付くまで混乱を招く。
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中々、自分でもコントロール出来ないようで、成績は振るわなかった。
流れが変わったのは、3月後半になって関東の試合になってからだ。
千葉で開かれたトーナメントで、いきなり3位に入った。
予選ラウンドをカットラインぎりぎりで通過すると、3日目、最終日と爆発して50人抜きでの快挙だ。
3位の賞金700万円を獲得して、一息ついた。
「やっと花蓮も結果が出たね」
月曜日にガーデンズオフィスで、田中社長と会って話す。
「本当の実力は、あんなもんじゃない。
角川プロに言わせれば、今は調整中なんだ。
まだまだ上を目指す」
田中社長は強気だった。
「しかし、よく角川プロが指導してくれる事になったよね」
俺は、今まで女子を指導しなかったのに引き受けてくれたことが不思議だった。
「三島悠花のアドバイスが効いたんだ」
「そういえば、お正月の交歓会で仲良く話し込んでいたね」
「花蓮が日本タイトルが取れないんですって相談したら、悠花が何と答えたと思う?」
「・・・・」思い浮かばなかった。
「日本タイトルを狙うから取れないんだよ。世界タイトルを取るつもりで、やらなきゃ。
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悠花は、そう言ったらしい」
「その話を角川プロに話した?」
「ああ、角川プロは感心していたそうだ。
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この話を聞いて、俺は後悔した。
何としても、solemnityのウェアを作るべきだった。
スケジュールが満載の英国出張に、スコットランドを訪問することを追加することにした。
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