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第十七章 決断

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「出利葉プロは、本気で日本タイトルを狙っています。
それを叶える為には、ここ方法しかありません」
ガーデンズオフィスの田中社長が、一ノ瀬流通グループの一ノ瀬社長に迫っていた。

蒼海の話を聞いた田中社長は、出利葉花蓮のマネージメントを請け負う決心をする。
すぐに企画案を書き上げて一ノ瀬グループ本社に送ると共に、社長への面会を希望した。
スケジュールが調整されて、上層部との会議に呼ばれている。

「出利葉プロが、全英女子オープンに出場するとなったらどうします?
日本からロンドンの航空チケット、イギリス国内線のチケット予約からスコットランドのホテルの確保、通訳やキャディの手配までバックアップが必要です。
本人は試合に専念して、全ての雑用はマネージメント会社が受け持つ。
これが世界標準です」

「今度のウェアの話でも、花蓮プロの希望を聞いて交渉はマネージメント会社がすることです。
彼女が強くなれば、CMやスポンサー契約も増えるでしょう。
その際にマネージメント会社は、力を発揮出来ます。
幸い、ガーデンズオフィスは一ノ瀬グループの会社です、我々にお任せ頂けないでしょうか?」

「言ってることは間違ってない。
一ノ瀬本社の中途半端な応援では、もう時代について行けない。
全て引き受ける、自信はあるのか?」
一ノ瀬社長が尋ねる。

「スタッフの増員は必要ですが、今より確実に改善出来ます。
スポーツマネージメント専門会社との伝手つても有るので、海外の場合は外注するかもしれません。
税務申告から資産運用、トレーニングからマッサージまで、求められた事の全てに答えていきます」

「餅は餅屋が俺の信条だ、君に任せよう」
一ノ瀬社長の決断で、会議は終了した。

会議室を出ると、秘書に社長室へ案内される。

「聖苑が君に社長を譲るって言ってきた時は驚いたが、流石にやり手だな。
シュガーと佐藤プロがもめる事態が無かったら、絶対に手に入らない人材だと言っていた。
出利葉花蓮を頼む」
一ノ瀬社長、直々の言葉に気が引き締まる。

「お任せ下さい。
彼女がゴルフに専念出来る環境を作ることは、約束します」
俺は決意を表明した。

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