蒼い海 ～女装男子の冒険～

第十五章 引退

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「ゲストモデルは、この６人から選びたい」

ten strikeの資料映像を見せながら、フィーデス側のスタッフにプレゼンをする。
センターの飛田菜々、鮎川萌香はすんなり決まったが、後の一人は意見が割れる。
フィーデス側は小柄な子を入れたいと要望していて、長畑咲桜里を推していた。
solemnityの加山社長は、個性的な菅野莉々衣を推している。
私は、清潔感が魅力の佐藤仁美を考えていた。

フィーデスのvivacitas担当、高橋マネージャーが、５人出しましょうと言い出して最終決定した。
直ぐにグループの運営会社と出演契約を結び、オプションで来春に行われるJLWの優先出演権をつけた。

５人をレッスン場に呼んで、三島悠花と一緒に練習させた。
５人とも、ハイヒールに苦戦している。
悠花は自分がした苦労を思い出して、嬉しそうだ。

「cloud nineの加藤みさきちゃんや小山詠美ちゃんも、この先生に鍛えられたの。
言われる通りにやれば、間違いない。
今は、無心でレッスンして下さい」

５人は、ten strikeの１２人を代表して出てきている。
デビュー前にビッグチャンスが来た、必死になって食いついてきた。
素直さが全面に出て、ブランドイメージに合っている。

私も一緒に、ウォーキングレッスンを受けた。
参考になる様に、私とメンバーが一人ずつ並んで歩く。
周りで、みんなが見ていた。

足利プロデューサーがスマホで撮影して、メンバーに見せている。
ウォーキング講師が一緒に見ながら、一人ずつにアドバイスを送っていた。

「真凛さん、この度はチャンスを頂いてありがとうございます」
足利プロデューサーから、挨拶をされた。

「私も、彼女たちに賭けています。成功するように、一緒に頑張りましょう」
言葉を交わして、ガッチリと握手をした。

彼女たちと三島悠花のレッスンは、ＪＬＷ直前まで続けられた。
私も時間がある限り、レッスンに参加した。