蒼い海 ～女装男子の冒険～

第十五章 引退

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「番組のレポーターに就任した出雲真凛さんが、solemnityのプロデューサーに就任しました。
レポーターをする前に、この件について語っていただきましょう」

Sunday Morning Bizに出演すると、林キャスターから紹介された。
solemnity本社で行われたプロデューサー就任記者発表のVTRが流される。
私が専属モデルを降りる話が、最後に使われた。

「真凛さん、専属モデルを降りるんですか？」

「プロデューサーを引き受ける条件にしました。私は不器用なので、両方は無理なんです」

「プロデューサーとして、何をするんですか？」

「solemnityのブランドイメージを確立することと、拡大です。
その為の具体策を今は話せないんですが、社長、デザイナーと今まで話してきたことを実現させて行きます」

「何か、番組にニュースをお願いしたいんですが有りませんか？」

「新ブランドを発売します。
今までよりリーズナブルな価格で提供する予定なので、期待してください」

……

フィーデス側は、新ブランドに積極的だった。
ベトナムにある協力工場のスケジュールを抑えて、生産の体制を整えた。
JLWの為に、デザインされた衣装のサンプル生産を開始している。

フィーデスの営業担当者と、宣伝広告などについて話し合った。
solemnityのセカンドラインで、元気な女の子というコンセプトも説明済だ。
新ブランドなのでイメージモデルを使いたいようだが、過去に有名モデルを使ったことが無かった。

「真凛さんにモデルの選定をお願いしたい。
次々とアイドルを見出してきた事は知ってます。是非、引き受けて下さい」

引き受ける前に、条件を洗い出す。
他の企業や商品のイメージがついていない事。
１８歳から２５歳までくらいで、モデル、女優、それ以外でも構わない。
元気な女性を健康的に表現出来ること、などが上がる。

次の会合までに、候補をリストアップすることで決着した。