蒼い海　～女装男子の冒険～

灰色　猫

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第一四章　挑戦

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「デザインはクラシックに、素材は最先端を使っています」

solemnityのランジェリー発表会で、出雲真凛が発表した。
クラシックなsolemnityに合う、ランジェリーを自社ブランドで発売する。
designはsolemnity、製造はフローラーリアに委託していた。

「パニエには、形状記憶繊維を使っています。
スカートを膨らませる機能を、新素材で今まで以上に可能にしました。
ドロアーズやスリップドレスは、夏用はドライ機能繊維を使い、冬用は発熱繊維を使っています。
夏用のロンTは、UV加工したドライ機能繊維にして、カップをつけました。
ファッションを我慢しないで、楽しんで頂きたい」

記者会見の質疑応答がある。

「真凛さん自身が、全部テストしたって本当ですか？」

「ハイ、全部私が付けてドレスを着て、シルエットや着心地を試しました。
その意見を参考に、改善してもらいました」

「新素材を積極的に使う発想は、どこから来てるのですか？」

「モデルは、夏に秋冬服の撮影があり、冬に春夏服の撮影があります。
寒暖差を下着で調節するんですが、機能面ではスポーツウエアが一番です。
機能はスポーツウエアのように、デザインはクラシックにというリクエストを出しました」

無事に記者発表を終えて、加山社長から呼ばれた。
２件のプロデュースの労を労われた後、話を切り出してくる。

「真凛のプロデュースする熱意や行動は、本物だ。
是非、solemnity自体のプロデューサーを引き受けてくれないか？」

答えに困るが、自分の考えていることもあった。

「一ノ瀬聖苑や数人に相談して、決めます。
もし引き受けたら、専属モデルは辞めますけどいいですか？」

「辞めてもいいが、後任は自分で選んでくれ」

そこまでの権限を与えられるんだって、思った。
相当な重責だ。

「どれ位、時間を与えてくれますか？」

「出来れば、一月以内で頼む」

「分かりました」

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