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第十三章 変革

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初めの1週間3回の会議で、メンバーの半数が入れ替わった。
プロジェクトの本気が伝わって、使える社員が各部門から出てきた。

「3千人から1万人の入れる会場って何処がある?」

「今年使った市の総合体育館は、総務が抑えています」

「あそこって、何人入れる?」

「最大5,000人です」

「他にないの?」

「今からでは無理です」

「我社が建設中の流通センターは、どうでしょう」

「すぐに調べて、使用出来るか確認して」

次の会議で、結果が報告された。

「新流通センターは、工事自体は間に合うようですが、イベント開催には相当額の予算がかかるようです」

「いくら?」

「1億はかかるでしょう」

「予算内だわ。流通センターで行く。
すぐに費用の見積もりに入って」

「うちはイベントの経験が無いから、プロのイベント会社の選定に入って下さい」

「参加資格は、グループ内で特典が受けられる勤続1年でいきたい。
パートタイマーまで全員だ。
家族は配偶者、子供全員までOKでいきたい」

「パートタイマーの子供まで入れると、対象者が多すぎます」

「正社員の子供が出られて、パートタイマーの子供が出られない理由って何?」
「初めて真凛ちゃんが参加した時、役員の娘たちが大勢来たの。
それを知った今年の春は、参加者がグンと増えた。
どうせなら、もっとみんなが参加しやすいようにしたい」

「最高、何人参加するのか、シミュレーションして」

「一番参加し難い、子育てママの要望を聞いてきて」

「次回の会議で、解答を用意してね」
お嬢様の会議には、出来ませんは無かった。

次の議題が、出店テナントの選定だ。
最低5000人入場するとして、2種類食べられと、1万食用意する計算になる。
10テナントだと、1000食だ。

「リストのお店の商品を食べたことがある人は?」

パラパラと手が上がる。

「社員が知らない店があるんだもの。家族はもっとだね」

「どんどん合弁を進めていった結果、一ノ瀬のカラーが弱くなってる。
みんなに知って貰うためには、試食が一番いい」

会議の進行が膠着しそうになったのを救ったのは、新卒1年目の女子社員だった。

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