211 / 323
第十二章 新機軸
16
しおりを挟む
1月3日。
みんなで会場に行くと、家族や友人に送られた社員モデルの皆さんがいた。
緊張感を出すために、友人や家族の皆さんに声をかけた。
「練習の緊張感を出したいので、見たい方は中へどうぞ」
ランウェイ沿いに並んで座ってもらった。
バックヤードでは衣装合わせが行われた。
流石に太って入らない人はいないが、サイズ変更は4人出た。
月奈がメイクを直していく。
その都度、歓声があがる。
みんな手鏡を放さないで、しげしげと見ていた。
俺が指名した彼女は、ノーメイクだった。
一番後回しにされて不安そうだ。
眉をカットされるところから始まって、ちょっと時間がかかった。
その分、完成度が高い。
見ていた他の素人モデルがため息をつくほど、変わっていた。
「これが、私?」
「真凛がオーデションで指名した子だから、気合が入っちゃった」
月奈は自信ありげに答えた。
全員でステージに上がり、ウォーキング講師の話を聞く。
「皆さんに一日でモデルウォークを教えるのは無理です。
だから明日キレイに見えるテクニックを教えます。
楽しんで歩いてください」
「美那ちゃん、モデルウォークじゃなくて基本の歩きを見せてあげて」
音楽が鳴って、古田美那が歩いていく。
丸4カ月レッスンを続けているだけあって、キレイなウォーキングだった。
「今から言うことに気をつけて、全員1往復してもらいます。
まず背筋を伸ばす、足元を見ないで遠くを見る。笑顔で歩く。それだけです」
簡単に言ってるが、本当は相当に難しい。
一人ずつスタートしていく。
「とぼとぼ歩かない、もっと速足」
「前かがみになってますよ、反り返るくらいでいい」
「駅までちょっと早歩きぐらいで」
「笑顔が無い、お葬式ですか」
講師の𠮟責は容赦ない、これでも優しいほうだ。
一往復した素人モデルたちは、ゼイゼイいってる。
腹筋に力を入れて歩くと、相当に疲れるのだ。
「もう少し、膝を曲げないで真っすぐ脚を出した方がいい」
「笑顔は出来てる、後はとぼとぼ歩かないで」
「真面目過ぎて顔が怖い、リラックス」
戻ってきたモデルに、俺は声を掛けていった。
みんなで会場に行くと、家族や友人に送られた社員モデルの皆さんがいた。
緊張感を出すために、友人や家族の皆さんに声をかけた。
「練習の緊張感を出したいので、見たい方は中へどうぞ」
ランウェイ沿いに並んで座ってもらった。
バックヤードでは衣装合わせが行われた。
流石に太って入らない人はいないが、サイズ変更は4人出た。
月奈がメイクを直していく。
その都度、歓声があがる。
みんな手鏡を放さないで、しげしげと見ていた。
俺が指名した彼女は、ノーメイクだった。
一番後回しにされて不安そうだ。
眉をカットされるところから始まって、ちょっと時間がかかった。
その分、完成度が高い。
見ていた他の素人モデルがため息をつくほど、変わっていた。
「これが、私?」
「真凛がオーデションで指名した子だから、気合が入っちゃった」
月奈は自信ありげに答えた。
全員でステージに上がり、ウォーキング講師の話を聞く。
「皆さんに一日でモデルウォークを教えるのは無理です。
だから明日キレイに見えるテクニックを教えます。
楽しんで歩いてください」
「美那ちゃん、モデルウォークじゃなくて基本の歩きを見せてあげて」
音楽が鳴って、古田美那が歩いていく。
丸4カ月レッスンを続けているだけあって、キレイなウォーキングだった。
「今から言うことに気をつけて、全員1往復してもらいます。
まず背筋を伸ばす、足元を見ないで遠くを見る。笑顔で歩く。それだけです」
簡単に言ってるが、本当は相当に難しい。
一人ずつスタートしていく。
「とぼとぼ歩かない、もっと速足」
「前かがみになってますよ、反り返るくらいでいい」
「駅までちょっと早歩きぐらいで」
「笑顔が無い、お葬式ですか」
講師の𠮟責は容赦ない、これでも優しいほうだ。
一往復した素人モデルたちは、ゼイゼイいってる。
腹筋に力を入れて歩くと、相当に疲れるのだ。
「もう少し、膝を曲げないで真っすぐ脚を出した方がいい」
「笑顔は出来てる、後はとぼとぼ歩かないで」
「真面目過ぎて顔が怖い、リラックス」
戻ってきたモデルに、俺は声を掛けていった。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる