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第十二章 新機軸

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クリスマスの恒例行事、シーホークさんのラジオ特番に、出演した。

大阪まで聖苑と二人で、やって来た。
前半のゲストは、関西の人気男性アイドルユニットだった。
外には出待ちのファンがいて、タクシーでラジオ局に着くと、拍手や声援で迎えられた。

「今年もクリスマスの夜を飾るのは、真凛ちゃんです」

「メリー・クリスマス、出雲真凛です」

「そしてもう一人のスーパーなゲスト、1年半で25億円の利益を叩き出したお嬢様、一ノ瀬聖苑さんです」

「メリー・クリスマス、1円も受け取ってない一ノ瀬聖苑です」

「よく出てくれました。みんなは、二人が並んで写ってるのでHP見てな」

「毎年、スタジオには来てました」

「そうやねん、ガラスの向こうに居はった」

「また、何で出てくれる事になったん?」

「先月ラジオを聞くまで親が一ノ瀬流通グループの関係者だったことを知らなかった子供達が、ツーショットに行きたいと言い出しまして大変な事になりました」

「あらら」

「もう締め切っていたんですが、キャンセルが出た200人分でカバー出来ました。
今日は子供たちが親の仕事に興味を持ってくれたお礼にやってきました」

「やっぱり、リーダーはお嬢様やったんや」

「みんな、よく分かりましたね」

「お嬢様のする事は、スケールが違うもん」

「黙って聞いてる真凛ちゃん、どうですか?」

「solemnityが大好きだからって、55億円借りて会社を買うとか、普通の物差しでは測れません」

「ホンマやで」海野さんもあきれ顔だ。

「せっかくやから聞くけど、真凛ちゃんと結婚するん?」
滅多にない、鷹山さんの爆弾だった。

「プロポーズされてから、考えます」

「Noじゃないってことやね。真凛ちゃん、お嬢様は待ってるで」

「大学生ですから、卒業してから考えます」

「カタいなあ、いつもの切れがないで」

「彼女を目の前に置かれて結婚話されたら、ふざけられません」

「そらそうや。
真凛ちゃんに聞くけど、来年やりたいことあるん?」

「大学生ですから、リクルートスーツ着て就活したいです」

「エントリーシートみたら、担当者ひっくり返るで」

「ちゃんと男の子になって、行きますよ」

「今年も一年間ありがとな、来年も頼むで。
真凛ちゃんと聖苑ちゃんでした」

番組が終わって、聖苑とシーホークさんで撮影した。
SNSにすぐUPされた。

「聖苑さん、美人」
「彼氏が真凛で本人は大金持ちで美人、世の中間違ってる」
「こんな美人の娘やったら金貸すわ」

コメントが、流れるようについていた。
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