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第十二章 新機軸

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ファッションショーのモデル公募は、11月17日に先行して終了した。
スマホで撮影した顔と全身の2枚の画像を添えて社員番号で登録できるので、応募が殺到した。

「300人の予想だったけど、500人は多かったね」
プロジェクトリーダーが言った。

審査員は、solemnityの加山社長、ガーデンズの田中社長、出雲真凛、古田美那の4人だ。

「オーデション散々受けて落ちたけど、選ぶ方も大変だね」
俺の本音が出る。

「今回は、プロじゃないから余計に難しい」
田中氏もやりにくそうだ。

「迷っちゃう、みんな合格させたくなる」
美那も迷っていた。

「今回は社員さんや家族相手だ、みんながモデル体型だと面白くない。
小柄な人や、ふくよかな人も入れたい」
加山社長は、社内行事のニーズを心得ていた。

プロジェクターで画像を確認しながら、大まかに審査した。
40人が残った。
さらに16人に絞る、最後にどうしても入れたいメンバーを指名する。
俺は18歳の高校生、パスタ屋でバイトしている子を推薦した。
痩せすぎで、ぎょろりとした目がデカい。
怖い顔だが、笑った顔が見たかった。

皆で選んだ16人と各審査員推薦の4人が選ばれて、20人が決定した。

11月25日、ツーショット撮影会の登録が締め切られた。
11月末まで、キャンセルと追加登録を受け付ける。
最終登録は6500人だった。

「想定の上限ギリギリだね」

「沙織が、fortunaの選抜に入ったのが大きかった。
アイドルとツーショット撮れるチャンスって、なかなか無いから。
netで凄い騒ぎになってる」

「うちも家族で行くことになった。
嫁が聖苑さんに会いたいそうだ。娘は沙織だがな」

「田中社長の奥さんに会えるの?、楽しみ。
聖苑はツーショットに出ないから、私のところに来るよう言ってね」

ガーデンズオフィスだけではなく、一ノ瀬流通グループ東京支社内でも話題になっていた。

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