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第十一章 激震

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「普段はライバルだろうが、この一瞬はチームとして頑張ってくれ」

加山副社長の激が飛ぶ。

「「判りました」」
沙織たちは1週間の合宿を通して、大の仲良しでライバルになった。

「5人とも、いい顔になった。独占したいなあ」
田中社長は独り言を言ってる。

Tokyo Ladys Fashion Week autumn/winter Collectionは、開幕した。

俺はsolemnityを代表して、開幕式から参加する。
指定された順番にブランドごとに発表される、solemnityは15番目だ。

最初のロングスカートにブラウス、ケープの組み合わせで、準備は出来ていた。
バックヤードでテンションが上がって、スイッチが入る。
音楽に乗って、俺はランウェイに飛び出した。

真凛と書いた団扇も増えてきた。
コールされると、ますます自分が研ぎ澄まされてくる。
笑顔で手を振った。

皇子ファッションを意識した、ジャケットとパンツの組み合わせ。
ショートブーツにインソールで5センチUPした沙織が、ワンピースにハーフコートを着た美雪をエスコートしてランウェイに出ていった。

沙織に、女の子の声援が多い。
CMで男の子の衣装を着てから、女性ファンが増えている。
二人はカップルの装いで、観客の声援や悲鳴が聞こえていた。

ゲストでは、みさきが出演3回目で一番人気だった。
TVにも出てるので、認知度が高い。
ワンピースにボレロの組み合わせが、可愛らしい。

名古屋の野原美穂は背が高く、ロングコートが良く似合う。
モデルとしての適性は、一番だろう。

博多の宮本陽菜は、モデルとしては小柄だが美人だ。
アイドルより、女優が似合う。
表情が豊かで、楽しそうに歩いているのが印象的だった。

夢のような時間が過ぎて、最後のドレスでランウェイを歩く。
黒のクラシックなドレス、一番好きでファンも期待しているのが伝わってくる。

ランウエイを往復して、ステージ裏に戻る。
モデル、ゲスト、スタッフみんなが出迎えてくれた。

「お兄ちゃん、やっぱりプロだった」

「沙織も堂々としてた」

「ステージに出たら、緊張より嬉しさが勝った」
こういうところは、兄弟だなって思う。

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