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第十章 成長

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「シーホークの番組ディレクターから、月奈を出して欲しいと言ってきてる」
田中氏に連絡があったようだ。

「月奈は以前出して貰ったから、借りがある」

「沙織がラジオで、月奈のメイクでアイドルになれるって言ったのが話題になってる」

「月奈の為になりそうだ、出そう」聖苑が決めた。

俺と聖苑、月奈の3人で、大阪に到着した。

「衣装を着るって、何時以来だろう?」月奈は嬉しそうだ。

「二人で出るのなら、白、黒のドレスだよね」聖苑が笑っていた。

シーホークのお二人に挨拶をして、化粧室の鏡前で撮影した。
月奈も俺もノリノリで、絡み合うように挑発的なポーズを連発してカメラマン役のADを困惑させた。

番組スタートのジングルが鳴って、スタジオに呼び込まれる。
「月一レギュラー真凛ちゃんと、メイクアップアーチストの月奈ちゃんです」

「今晩は、出雲真凛です」「月奈です」

「今日は二人が白と黒のドレス姿で色っぽい。
HPの画像がまあ過去最高にどエロいんで、みんな見てや」

「撮影されるのは久しぶりで、緊張しましたね」

「月奈ちゃんには、高校生からいっぱい質問が来てるんで聞かせてな」

「まず、沙織ちゃんの第一印象はどうやったん?」

「ほぼノーメイクでした。
今時、こんなに素朴な娘がいるんだっていうのが第一印象でしたね」

「それを真凛ちゃんにした?」

「沙織と真凛は、骨格から肌質までよく似てるんですよ。
肌のベースカラーも一緒だったので、真凛のメイクでいきました」

「本人もビックリ?」

「出来上がって手鏡を渡したら、黙ってずっと見てました」

「私が一番驚きました。高校時代の私が女装してるって感じ」

「女装やなくて、本物や」鷹山さんがツッコんでくれた。

「これです」月奈がスマホの画像を見せた。

「若い。ほぼ真凛ちゃんやけど、マジ可愛い」

「これで公演見に行ったら、そりゃあスカウトされるわ」
お二人が褒めてくれた。

「HPに載せたいけど?」

「fortunaの許可を取れたら、画像は提供します」

「月奈ちゃんは、どこでメイクの勉強したん?」

「メイクは自己流です。
キッズモデルをしていたので、小学生の頃からメイクが大好きでした。
その頃から、周りのキッズモデルに頼まれてメイクしてました。
真凛と一緒の仕事をした時、メイク直しや衣装とのコーディネーションを見ていた社長に、うちに来ないかって」

「今は真凛が大学に行ってる間に、美容専門学校に通ってます」

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