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第十章 成長

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「そんなに好きだったんだ」

「私にとって兄は、2卵性の双子でしたね。一緒が当たり前でいつも繋がっている」

「それがアイドルになるきっかけ?」

「きっかけは、真凛の専属メイクアップアーチスト月奈さんです。
フォトブックのサイン会で博多に来た時に、メイクをして頂きました。
出来上がりを見て自分じゃない。真凛になっている。
これなら、アイドルになれるって」

「初めて見た時、衝撃だった。
真凛ちゃんが幼くなった感じで、可愛いらしかった」
寧々が思い出していた。

「博多を受けるって言ったから、あげない。うちが貰うって言ったもんね」
千鶴が興奮気味に言った。

「今、CMで女の子に大人気だけど?」

「次男と2卵性の経験が生きてます。男の子になるのは兄貴になればいいから」

「大好きなお兄ちゃんになってるのね」

「ええ、男の子になるのは楽しいです」

「武内くんと仲良く帰っているけど?」

「監督にどうすればいいか、聞いたんですよ。
そしたら、お前に演技は期待してない。
遊びながら帰ってくれって言われました、その結果があれです」

「アンダーライブでは、頑張ってましたね」

「植木遙先輩が、ずっと教えてくれました」

「いつレッスン場に行っても、沙織ちゃんがいるんだよね」

「練習してないと不安なんですよ」

「美雪ちゃんとライバル?」

「全く違うんですよ、感性も考え方も。違いすぎて喧嘩もしない。
大好きですよ」

「いつも一緒にいるもんね」

「ファンの人が仲が悪いって言うけど、お互いに干渉しないだけです」

「今日の放送で、沙織ちゃんのことが分かってもらえればいいですね」

「今夜のゲストは、出雲沙織ちゃんでした」
千鶴が番組を閉めた。

無事に収録は終わった。
田中氏の話では、ほぼノーカットで放送された。

「沙織ちゃんはvirgin」
「武内くんと仲良くして欲しくない」
「兄貴と出来てたんじゃないの」
「お兄ちゃんが好きな気持ち、凄くわかる」

net上は、今日も大騒ぎだった。
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