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第十章 成長
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fortunaのアンダーライブ、関係者招待の連絡が来た。
早速、聖苑が一ノ瀬流通グループの全体連絡網に差し入れの候補を募った。
すぐにガーデンズオフィスに、売り込みのメールが殺到していた。
「一ノ瀬流通グループって、色んな事業をしてるんだね」
「父は餅は餅屋って考えだから、相手先ブランドの協業が多いの。
その分、一ノ瀬の名前は表に出ないから判りにくい」
「ホテルだけじゃなくて、レストランやパン屋、スイーツショップまでやってるんだ」
「元々が食品卸から出発してるのよ。食材には強いの」
「母が、君の実家から来るお歳暮に恐縮してる」
うちの実家にお歳暮で、黒毛和牛の肉塊が送ってきていた。
「真凛の家からも、お返しで柑橘が2月頃に贈って来てた。
陽彩と沙綾が大好きなの」
「お弁当がいいかな、デザートにするかな、向こうの事務所に聞いてみよう」
彼女にとっては、ライブより差し入れが重要なのだ。
6月第1週の土日、2日間のアンダーライブが行われる。
正規メンバーで選抜入りしていない8人と、研究生12人が出演する。
出雲沙織、月城美雪は最下位からのスタートだ。
渋谷エンデバーホールの機材搬入口には、台湾かき氷のキッチンカーが配置された。
聖苑は一ノ瀬グループの大型ショッピングモールに出店している、台湾デザート専門店を連れてきていた。
午前中のリハーサルが終わって、メンバーが並んでいる。
先輩から順に受け取って、食べ始めた。
「マンゴー、美味しい」
「ふわっふわ、氷が綿のよう」
スマホ撮影もそこそこに、口に運んでいる。
「暑い身体に染みる」
「ヤバい、頭キーンってなった」
みんな大騒ぎで食べている、それをマスコミが追いかけていた。
「まだ寒いかなと思ったけど、メンバーが喜んでくれて良かった」
聖苑が、ホッとしている。
春木プロデューサーがやってきて、俺たちのところに来た。
「いつも差し入れ、すまんな」
「うちも宣伝になりますから」
「今回のアンダーライブは面白いぞ。
ファンも判っていて、チケットは抽選販売だった」
水無瀬結が卒業して、センターの座が空いている。
その上、選抜メンバーから3月末で一人卒業しているので、選抜に二人分の空席があるのだ。
「今日は楽しんでいってくれ」
奴は自信満々だった。
早速、聖苑が一ノ瀬流通グループの全体連絡網に差し入れの候補を募った。
すぐにガーデンズオフィスに、売り込みのメールが殺到していた。
「一ノ瀬流通グループって、色んな事業をしてるんだね」
「父は餅は餅屋って考えだから、相手先ブランドの協業が多いの。
その分、一ノ瀬の名前は表に出ないから判りにくい」
「ホテルだけじゃなくて、レストランやパン屋、スイーツショップまでやってるんだ」
「元々が食品卸から出発してるのよ。食材には強いの」
「母が、君の実家から来るお歳暮に恐縮してる」
うちの実家にお歳暮で、黒毛和牛の肉塊が送ってきていた。
「真凛の家からも、お返しで柑橘が2月頃に贈って来てた。
陽彩と沙綾が大好きなの」
「お弁当がいいかな、デザートにするかな、向こうの事務所に聞いてみよう」
彼女にとっては、ライブより差し入れが重要なのだ。
6月第1週の土日、2日間のアンダーライブが行われる。
正規メンバーで選抜入りしていない8人と、研究生12人が出演する。
出雲沙織、月城美雪は最下位からのスタートだ。
渋谷エンデバーホールの機材搬入口には、台湾かき氷のキッチンカーが配置された。
聖苑は一ノ瀬グループの大型ショッピングモールに出店している、台湾デザート専門店を連れてきていた。
午前中のリハーサルが終わって、メンバーが並んでいる。
先輩から順に受け取って、食べ始めた。
「マンゴー、美味しい」
「ふわっふわ、氷が綿のよう」
スマホ撮影もそこそこに、口に運んでいる。
「暑い身体に染みる」
「ヤバい、頭キーンってなった」
みんな大騒ぎで食べている、それをマスコミが追いかけていた。
「まだ寒いかなと思ったけど、メンバーが喜んでくれて良かった」
聖苑が、ホッとしている。
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「うちも宣伝になりますから」
「今回のアンダーライブは面白いぞ。
ファンも判っていて、チケットは抽選販売だった」
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その上、選抜メンバーから3月末で一人卒業しているので、選抜に二人分の空席があるのだ。
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