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第十章 成長
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「真凛の高校時代を知ってる人が見たら、ビックリするよね」
それほど、ショートヘアの沙織は昔の俺と似ていた。
俺は田舎の理容院で切っていたので、沙織の方が洗練されている。
「女の子人気が凄いもん」
ティーン向け雑誌の取材要請が多いらしい。
通っている女子校でも、落ち着かないほど見られているようだった。
webドラマ第2話が公開された。
駅のロータリーで誰かを待っている沙織に、違う制服の女子がやって来た。
腕を組んで、ファーストフード店に向かう。
店の2階、窓際の席に二人が座っていて話をしていた。
その後、ホームの向こうとこっちに分かれて別の方向に帰って行った。
「沙織ちゃんの彼女、誰?」
「沙織ちゃんって、男役?」
「女に、彼女いてもおかしくない」
net上は、相変わらず大騒ぎしていた。
6月の月一ゲストで、大阪のラジオ局に入った。
月奈のメイクで仕上げて、フリルたっぷりのブラウスにショートパンツを着る。
シーホークさんに楽屋挨拶をして、衣装撮影も終った。
「月一レギュラー、真凛ちゃんの登場です」
「こんばんは、出雲真凛です」
「今日はまた、男の子にも、女の子にも見える真凛ちゃんです。
みんなHPで確認してな」
「みんなが沙織を真凛よりフレッシュとか、みずみずしいとか言うので拗ねてます」
「いやあ、確かに沙織ちゃんは可愛い。
真凛ちゃんの高校時代って、あんな感じやったん?」
「あそこまで洗練されて無かったけど、顔はあんな感じでした」
「そりゃ、モテるわ」
「沙織は今、大変みたいです」
「CMがまた可愛いから」
「三角監督だから、ただじゃ終わらないんじゃないですか?」
「何か知ってるん?」
「知らないけど、あの監督がこのままハッピーエンドとか考えられない」
「そりゃ、あるやろ」
「みんな、期待してるんだろうな」
「髪を切るのは知ってたん?」
「社長から話は聞いてました」
「観た時、どう思った?」
「可愛いかった頃の私でしたね」
ジングルが鳴って、CMだ。
明けて、海野さんが聞いてきた。
それほど、ショートヘアの沙織は昔の俺と似ていた。
俺は田舎の理容院で切っていたので、沙織の方が洗練されている。
「女の子人気が凄いもん」
ティーン向け雑誌の取材要請が多いらしい。
通っている女子校でも、落ち着かないほど見られているようだった。
webドラマ第2話が公開された。
駅のロータリーで誰かを待っている沙織に、違う制服の女子がやって来た。
腕を組んで、ファーストフード店に向かう。
店の2階、窓際の席に二人が座っていて話をしていた。
その後、ホームの向こうとこっちに分かれて別の方向に帰って行った。
「沙織ちゃんの彼女、誰?」
「沙織ちゃんって、男役?」
「女に、彼女いてもおかしくない」
net上は、相変わらず大騒ぎしていた。
6月の月一ゲストで、大阪のラジオ局に入った。
月奈のメイクで仕上げて、フリルたっぷりのブラウスにショートパンツを着る。
シーホークさんに楽屋挨拶をして、衣装撮影も終った。
「月一レギュラー、真凛ちゃんの登場です」
「こんばんは、出雲真凛です」
「今日はまた、男の子にも、女の子にも見える真凛ちゃんです。
みんなHPで確認してな」
「みんなが沙織を真凛よりフレッシュとか、みずみずしいとか言うので拗ねてます」
「いやあ、確かに沙織ちゃんは可愛い。
真凛ちゃんの高校時代って、あんな感じやったん?」
「あそこまで洗練されて無かったけど、顔はあんな感じでした」
「そりゃ、モテるわ」
「沙織は今、大変みたいです」
「CMがまた可愛いから」
「三角監督だから、ただじゃ終わらないんじゃないですか?」
「何か知ってるん?」
「知らないけど、あの監督がこのままハッピーエンドとか考えられない」
「そりゃ、あるやろ」
「みんな、期待してるんだろうな」
「髪を切るのは知ってたん?」
「社長から話は聞いてました」
「観た時、どう思った?」
「可愛いかった頃の私でしたね」
ジングルが鳴って、CMだ。
明けて、海野さんが聞いてきた。
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