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第十章 成長
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週末のfortunaTVで、夏のツアーが発表された。
札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡、そして首都湾岸スタジアムでファイナルだ。
その間にも、選抜以外の正規メンバーと研究生でアンダーライブが組まれた。
沙織はレッスン漬けの毎日だ。
風呂上がりに居睡りして、寝たまま聖苑にスキンケアされるほど疲れている。
それでも週末になると、早朝からレッスンに向かう。
レッスンする体力も才能って言うが、沙織はその才能を持ち合わせていた。
俺は、solemnityの秋冬の撮影が準備中だ。
衣装合わせや着る衣装選びなど、時間が許す限り会議に出席している。
ガーデンズオフィスに行くと、田中氏が待っていた。
「沙織が三角監督のドラマCMに出ないと言ってる」
「何のCM?」
「コンタクトレンズだ。
去年のドラマCMが評判が良かったので、新しいシリーズを作ることになった。
主役のジェンダーレス少女に沙織を指名したんだが、本人が嫌がってる」
「どうせ真凛のコネは嫌だと、ゴネてるんだろう」
「その通り、真凛と同じ役を嫌がってる」
「あの三角監督が、去年と同じ役をする訳無いだろ。
このチャンスを逃す意味を判ってない」
「説得してくれるか?」
「いや、しない。
水無瀬結がfortunaを辞めてまで、組みたい監督だ。
事の重大さを、田中さんから話してやってくれ」
結局、出ることになった。
沙織は俺たちの部屋で風呂に入り、夕食を食べていた。
「お兄ちゃん、ゴメン」
「沙織がすることに口出ししないと決めていたが、一つだけ言わせてくれ。
お前に来た仕事は俺のコネがあるかもしれないが、もう一つfortunaに来た仕事だと考えろ。
お前が断るってことは、fortunaが断るってことだ。
自分の事だけじゃなく、仲間の事も考えろ」
「わかった、コネも実力のうちだと考える」
「それでいい。お前が真凛の妹っていうのは、逃れられないからな」
札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡、そして首都湾岸スタジアムでファイナルだ。
その間にも、選抜以外の正規メンバーと研究生でアンダーライブが組まれた。
沙織はレッスン漬けの毎日だ。
風呂上がりに居睡りして、寝たまま聖苑にスキンケアされるほど疲れている。
それでも週末になると、早朝からレッスンに向かう。
レッスンする体力も才能って言うが、沙織はその才能を持ち合わせていた。
俺は、solemnityの秋冬の撮影が準備中だ。
衣装合わせや着る衣装選びなど、時間が許す限り会議に出席している。
ガーデンズオフィスに行くと、田中氏が待っていた。
「沙織が三角監督のドラマCMに出ないと言ってる」
「何のCM?」
「コンタクトレンズだ。
去年のドラマCMが評判が良かったので、新しいシリーズを作ることになった。
主役のジェンダーレス少女に沙織を指名したんだが、本人が嫌がってる」
「どうせ真凛のコネは嫌だと、ゴネてるんだろう」
「その通り、真凛と同じ役を嫌がってる」
「あの三角監督が、去年と同じ役をする訳無いだろ。
このチャンスを逃す意味を判ってない」
「説得してくれるか?」
「いや、しない。
水無瀬結がfortunaを辞めてまで、組みたい監督だ。
事の重大さを、田中さんから話してやってくれ」
結局、出ることになった。
沙織は俺たちの部屋で風呂に入り、夕食を食べていた。
「お兄ちゃん、ゴメン」
「沙織がすることに口出ししないと決めていたが、一つだけ言わせてくれ。
お前に来た仕事は俺のコネがあるかもしれないが、もう一つfortunaに来た仕事だと考えろ。
お前が断るってことは、fortunaが断るってことだ。
自分の事だけじゃなく、仲間の事も考えろ」
「わかった、コネも実力のうちだと考える」
「それでいい。お前が真凛の妹っていうのは、逃れられないからな」
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