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第七章 紆余曲折

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「オムレツ、美味しい」「サツマイモが甘い、これ好き」
「真凛ちゃん、料理上手だった」
ひな壇のメンバーが騒がしい。

「結ちゃん、どうですか?」
司会者が聞いた。

「優しい味、これを毎日食べられる彼女がうらやましいです」
「ね~」千鶴と顔を見合わせた。

「作られてどうでした?」 調理師に聞いた。

「この人は、普段から料理をしてますね。
大根とこんにゃくの下茹でのお湯で、油揚げの油抜きをしてました。
レシピだけでは、あの発想になりません。
下ごしらえを見ただけで、今日の料理は外れないと思いました」

「先生いかがでしょう」
料理評論家に聞いた。

「下ごしらえが終わって、インタビューで8割出来たと言ってました。
料理の基本が、わかってらっしゃる」

「真凛ちゃん、褒められてますね」
司会者がフッてきた。

「母の教えを守って、良かったです」

「教えとは?」

「段取り8分、仕事2分です」

「他にも、教えはないですか?」

「冬は地面の下に出来るものを食べる、ですね」

「冬は、体を温めるものを食べるということですね」
評論家の先生が解説した。

「今日の料理には、大根、人参、ゴボウ、玉ねぎ、生姜、そしてサツマイモ、全て地中にできる。
これらは体を温める野菜なんです、特に生姜はいいですね」

「では、真凛ちゃんの料理は何点でしょう?
一斉に出してください、どうぞ」

「10点、10点、9点、9点、そしてひな壇は9点。
合計、47点です。
メンバーが厳しいですね、聞いてみましょう」

ひな壇から白河寧々が指名された。

「寧々ちゃん、何で1点減点ですか?」

「真凛ちゃん、可愛いのに料理も出来る。
メンバーをイラッとさせた分、減点です」

「同感です」結と千鶴が続いた。

「ここで真凛ちゃんからお話があります。では、どうぞ」

「今度、私のフォトブックを出すことになりました。
現在、予約受付中なので是非お願いします」

無事、宣伝も出来て番組は終わった。
メンバーに囲まれて、話す。
「ホントに美味しかった」
「真凛ちゃんが作った分を食べたかった」
「フォトブック買うね」

「真凛ちゃん、本当に料理上手だね。朝起きて、あのオムレツが出てきたら嬉しいよ」
栗栖千鶴が褒めてくれた。

楽屋に戻る途中、スタッフが声をかけてくれた。

「真凛ちゃんが作った分、スタッフみんなで頂きました。
あっと言う間に無くなりましたよ、ご馳走さま」

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