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第六章 イベント

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「今週は月一レギュラー、真凛ちゃんの登場です」

「今晩は、出雲真凛です」

「今日の衣装がまた色っぽいけど、カッコいい」

「イグナイトドラゴンの女弓使い、ナイトバージョンです。
solemnityとのコラボアイテムなんですよ」

「みんな、HPで見てな」

「真凛ちゃんが東京アニメバザールに出演中ということで、東京のスタジオからお送りしています」

「すいません、わざわざ東京に来ていただいて」

「先週末の湾岸スタジアムの件を、聞くためや」

「あら、何かありましたっけ?」

「逃がさへんで、今日は話してもらいます」

「じゃあ、特別に裏話をします」

ジングルが鳴って、CMです。
ディレクターが丸を出している。

「あのkissシーン、実はNoだと突き飛ばされることになってたんです」

「どういうこと?」

「告白メンバー全員が断ることも出来るし、kissしてもいいという条件だったんです」

「でも真凛ちゃん、研究生を選んだやん」

「選んでいいリストに、載ってましたからね」

「真凛ちゃんにも、リスクがあったってこと?」

「ええ。断られていたら、大恥だったでしょうね」

「告白を聞いてる間、ドキドキやな」

「マジにメンバーを見てました。
そうしたら、まったく目をそらさない研究生が後ろにいたんです」

「こらいけると?」

「いけるとは思わなかったけど、彼女に賭けようって思いました」

ジングルが鳴って、CMに入った。
質問や感想メールがどんどん入って、流れていた。

「しかし、よう怒られんかったな」

「fortunaのマネージャーからは、怒鳴られましたよ。
春木プロデューサーには、モデル辞めてグループに入れって言われましたけど」

「kissした彼女はどうだった?」

「指名されて、ありがたかったって言ってました」

「しかし度胸あるわ、4万人が見てる中やで」

「突き飛ばされる心配が無くなって、余裕はありましたね。
カメラが寄ってきたので、ウインクしたし」

「おっそろしい子や」

「そうだ、春木プロデューサーが一筆書いてくれたんですよ。
これです」

バッグから台本を出した。
寸劇のページに、「全て真凛ちゃんに任せる」と書いてサインがしてあった。

「ようこんなもん、貰ったな。見せてええんか?」

「シーホークさんのラジオで公開していいですかって聞いたら、寸劇が成功したらなって」
すぐにラジオのHPに、UPされた。
CMの間に、SNSを見たら爆発していた。

「フラれればよかった」
「突き飛ばされてれば、スカッとしたのに」

終わった後、シーホークさんが褒めてくれた。

「俺たちのラジオの為に、わざわざありがとな」

「この世界、義理と人情ですから」
田中氏の口癖を言った。

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