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第六章 イベント
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「何てことしてくれるんだ」
楽屋に戻ってきた俺に向かって、fortunaのマネージャーが吠えている。
「いや、春木プロデューサーが何してもいいって言ったから」
「だからって、kissすることは無いだろ」
「莉緒ちゃんもOKしてた」
「お前という奴は」
スタイリストが、莉緒と俺を呼びに来た。
衣裳部屋で浴衣に着替えると、月奈が髪を結ってくれながら話す。
「真凛ちゃん、とっても綺麗だった」
ADが指示を伝えに来た。
「最後の打ち上げ花火のところで、二人で手をつないで歩いてください」
楽屋に戻ると、浴衣に着替えた莉緒ちゃんがいた。
「ごめんね、嫌な役を押し付けちゃって」
「いや。私には最後のチャンスだったから、ありがたかったです」
彼女は加入当初は人気メンバーだったが、加入前の男女交際が報道されて末席まで追い込まれていた。
俺が提案したkissの相手に、悪徳プロデューサーが指名したメンバーの一人だった。
会場にアンコールのコールが響く中、メンバーが浴衣に着替えて楽屋に戻ってきた。
「真凛ちゃん、ビックリして司会者がおろおろしちゃった」
寧々は大役を果たして、ホッとしたようだ。
「あんな本気のkiss、一番近くで見ちゃった」
遥も驚いていた。
コンサート中のフラッシュ映像が会場に流れていた。
kissしながら、カメラにウインクしたところがモニターに大写しになっている。
「私が相手役、したかった」来栖千鶴が言ってきた。
彼女は貪欲だ、何でもしたがる。
さすがにkissはヤバすぎるだろ。
「すごく綺麗だった。時間が止まってたもん」
水無瀬結が褒めてくれた。
「さあ、出番ですよ」ADの声がひびく。
球場の外、バックスクリーンの上空に花火が打ちあがってる。
浴衣を着たメンバーが、メインステージからセンターのステージまで練り歩く。
俺と莉緒は手をつないで、歩いていく。
「お幸せに」「真凛ちゃんキレイ」
「帰れ!」「二度と出てくるな」
「ふざけるな」「出禁だろ」
コールが悪口でも、心地よかった。
楽屋に戻ってきた俺に向かって、fortunaのマネージャーが吠えている。
「いや、春木プロデューサーが何してもいいって言ったから」
「だからって、kissすることは無いだろ」
「莉緒ちゃんもOKしてた」
「お前という奴は」
スタイリストが、莉緒と俺を呼びに来た。
衣裳部屋で浴衣に着替えると、月奈が髪を結ってくれながら話す。
「真凛ちゃん、とっても綺麗だった」
ADが指示を伝えに来た。
「最後の打ち上げ花火のところで、二人で手をつないで歩いてください」
楽屋に戻ると、浴衣に着替えた莉緒ちゃんがいた。
「ごめんね、嫌な役を押し付けちゃって」
「いや。私には最後のチャンスだったから、ありがたかったです」
彼女は加入当初は人気メンバーだったが、加入前の男女交際が報道されて末席まで追い込まれていた。
俺が提案したkissの相手に、悪徳プロデューサーが指名したメンバーの一人だった。
会場にアンコールのコールが響く中、メンバーが浴衣に着替えて楽屋に戻ってきた。
「真凛ちゃん、ビックリして司会者がおろおろしちゃった」
寧々は大役を果たして、ホッとしたようだ。
「あんな本気のkiss、一番近くで見ちゃった」
遥も驚いていた。
コンサート中のフラッシュ映像が会場に流れていた。
kissしながら、カメラにウインクしたところがモニターに大写しになっている。
「私が相手役、したかった」来栖千鶴が言ってきた。
彼女は貪欲だ、何でもしたがる。
さすがにkissはヤバすぎるだろ。
「すごく綺麗だった。時間が止まってたもん」
水無瀬結が褒めてくれた。
「さあ、出番ですよ」ADの声がひびく。
球場の外、バックスクリーンの上空に花火が打ちあがってる。
浴衣を着たメンバーが、メインステージからセンターのステージまで練り歩く。
俺と莉緒は手をつないで、歩いていく。
「お幸せに」「真凛ちゃんキレイ」
「帰れ!」「二度と出てくるな」
「ふざけるな」「出禁だろ」
コールが悪口でも、心地よかった。
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