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第五章 大忙し

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「さあ、今晩は月一レギュラーの真凛ちゃんの登場です」
シーホークさんのラジオにレギュラー出演する。

「こんばんは、出雲真凛です。よろしくお願いします」

「今日はワンピース姿で登場ですが、これまたお美しい」

「みんな、HPで見てな」

「これ、なんて服?」

「クラシックカントリーのワンピースですね」

「真凛ちゃんが花柄とは珍しい」

「これはsolemnityのショーで着る予定だったんですが、中止になったので頂いたものです。
私の為に作られたものなんですよ」

「そりゃ凄いわ。後で撮影して、HPに上げていい?」

「是非。せっかくですから、皆んなに見てもらいたいです」

「そんな真凛ちゃんやけど、また世間を騒がせてるな」

「何のこと?」

「すっとぼけても、バレてるで」

「何の事やら、さっぱりわかりません」

「まあ、わかってても、言えんわな」

「真凛ちゃん、答えられないのでニコニコしてます」

「来栖千鶴ちゃんのドラマCMは見たよな?」

「あれ、可愛いですね」

「あの相手って、男だよな?」

「パンツスタイルで、男って決めつける時代じゃないですね」

「じゃあ、女の可能性もあると?」

「当然ですね」

「千鶴ちゃんは男女関係なく好きってこと?」

「そういう風に見えますね」

「コンタクトレンズの会社に問い合わせたら、月曜日の20時にHPで発表する。
それを見てくれって、言ってるんやが」

「それは楽しみですね」

「最後まで口を割らない、真凛ちゃんでした」
無事にラジオは、終了した。

……

当日、PCの前で待っていると、HPに動画がUPされている。
すぐに再生すると、真凛の視点からの映像だった。

遠くから二人を確認して、真っ直ぐ歩いて行く。
目線を落とした千鶴の隣で、遥がこっちを見ている。
すれ違う直前までずっと眼が合っていた、そのまま前を見て通り過ぎる。
俺は全く映ってない。
ただ俺の目線を、カメラが100%語っていた。

動画の最後に、1週間後にラストの動画が出ると予告された。
SNS上は、大騒ぎになった。
「千鶴ちゃんが知らないところで、二人は付き合ってる?」
「いや、遥が好きですと訴えてる」
「結局、男は誰なんだよ?」
「こうなると、次は遥の視点だよな」
「1週間も待てねえよ」

三角寛監督は、相変わらず罪作りだ。

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