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第四章 炎上

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「真凛ちゃんに負けたらどうしよう」「これ、怖い」「ヤバい、緊張する」
メンバーは大騒ぎだ。
こっちは、負けて帰りたかった。
10位なら、ヘイトが減るんじゃないかと思うくらいだ。

「それでは、まずは真ん中の第6位から開けていきましょうか」
司会者の顔が、ニヤけている。

「第6位は、白河寧々ちゃんです」

司会者の発表に、ひな壇のメンバーがどよめいた。
この前まで下位グループだった寧々が6位になったのは、俺も驚いた。
その後、9,4,7,3,8位と発表される。

2位に水無瀬結が呼ばれて、1位に栗栖千鶴が選ばれた。
メンバーに安堵の空気が流れた。

これで真凛が10位なら希望通りだが、5位だった。
スタジオに悲鳴が上がり、10位の植木遥が泣いている。
彼女は、激しいダンスパフォーマンスが売りのメンバーだ。
序列下位から努力で這い上がって来て、熱狂的なファンがついていることはリサーチ済みだった。

「真凛ちゃん、5位ですがどうですか?」

「今回の対決がスチール写真だったから、モデルの私に有利だった。
笑顔もダンスパフォーマンスも使えないメンバーには、不利な条件だったと思います」
ランキング発表中に、ずっと考えていたコメントをした。

企画コーナーが終わり、一旦休憩になった。
控室に戻り、イグナイトドラゴンの女弓使いの衣装を着た。
月奈がメイクをしてくれて、黒髪ロングのウィッグをつける。

「真凛ちゃん、カッコいい」月奈が元気づけてくれる。

「頑張ってくるね」
スタジオに入って、呼ばれるのを待つ。

「では、真凛ちゃんに出てもらいましょう」
司会者に呼ばれて、登場した。

「カッコいい」「足がキレイ」
「SEXY」
「衣装が素敵」みんながいろいろ言ってる。

「この衣装、私も着てみたい」来栖千鶴が言った。

「ファンのみんなは、見たいだろうね」
司会者が言ってる。
もうワザと炎上するように煽ってるようにしか見えない。

「では、射ってもらいましょう」

スタジオの10m先に的が置かれた、メンバーの前に立ち弓を構える。

ヒュ~ン、タン!

第1射は8点。2射が9点、3射が9点だった。
メンバーから、歓声があがった。
「凄い、真凛ちゃん」
「カッコいい」

「上手いですね、カッコ良かった」司会者が興奮気味に言う。

「決まってから練習してきたんですが、10点に当たらなかったのが悔しいです。
皆さん、イグナイトドラゴンで遊んで下さいね」

「良かったよ、コメントもありがとう」
ゲーム会社のスタッフが声をかけてくれた。

案の定、SNSは炎上した。

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