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第四章 炎上

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「fortunaに滅茶苦茶タイプなメンバーがいたんだ、デートするならその娘がいい」

「「誰なの?」」 二人、ほぼ同時に聞いてくる。

「二人の事を知ろうとfortunaTVやMVを見てたら、超可愛い子がいた。
その子じゃなきゃ、絶対に嫌だ」

「誰、早く教えて?」
栗栖千鶴が興味津々で目を輝かせている。
焦らすだけ焦らしていたら、ガラスの向こうからディレクターのOKが出た。

「私のfortonaメンバーNo1は、白河寧々ちゃんです」

「寧々のどこがタイプなんですか?」
結の追及が始まる。

「あのふわふわした空気感がいい。気品があって、仕草が優雅」

「それは確かに」
白河寧々は、グループ内の序列で言えば下位になる。
お嬢様でガツガツしてない。
ファンからすれば、俺が応援して押し上げてやるという気にならない。

「色白でスタイルがいいから、白いドレスが似合いそう」

「確かに、寧々は白が似合うよね」千鶴が相づちを打つ。

「黒のドレスの私と並んだら、最高に絵になると思うんだけど」

「ダメ、寧々が危ないもん」結が拒否する。

「solemnityのドレスコーデで、赤レンガ倉庫を並んで歩きたい。
横浜デート出来るように、どこかの企画を待ってます」

「それ、私がやりたい」千鶴ちゃんが言った。

「寧々ちゃんじゃなきゃ絶対、嫌だ」
念を押しておいた。

無事に収録は終わった。
スタジオを出て、二人に挟まれて撮影された。
これも後で、SNSに上げるんだろう。

実は、fortuna側に名前を上げて欲しいメンバーをリストアップしてもらった。
リストの中に、自分が感覚で選んだ白河寧々がいたので助かった。

「二人も傷つけず、白河さんも話題になり、スポンサーも喜ばす。
真凛ちゃんは、天才だ」
田中氏が手放しで褒めてくれた。

「でも、なんで白河さんなの?」聖苑が聞いてくる。

「メンバーの中で、聖苑に一番似ている」

……

その週の水曜日、夜23時に放送が始まる。
俺の話はほぼノーカットで放送されたが、SNSは大荒れだった。

「栗栖千鶴ちゃん、水無瀬結ちゃん、フラれる」
「ふざけんな、オ○○野郎」
「勝手に、寧々に手を出すな」
まあ予想はしてたが、言いたい放題書かれている。

「悪口言うのもファンの内だ。一番怖いのは無関心」
サラリと、田中氏が言う。

「それより横浜デートの企画、もう3件きてるぞ。真凛ちゃんは営業も上手」

ファッション紙と男性週刊誌がジョイントして、fortunaTVがロケ撮影するという事に決まった。

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