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第四章 炎上
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「明けましておめでとう。振り袖、似合ってた」
田中氏が褒めてくれた。
「おめでとうございます、嬉しいです」
「佐藤プロの合同新人お披露目会と被ったのは、残念だった」
「一ノ瀬流通グループでも大人気で、社長も喜んでいたんですよ」
「そうなの?」
「ここ最近で一番出席者が多くて、盛況だったんです」
中園氏が説明した。
「明日はゲーム会社の仕事初めだ。コスチュームを着て、盛り上げてもらうぞ」
「俺、一人?」
「いや、水無瀬結も来る予定だ」
「彼女が嫌いな訳じゃないんだけど、fortunaのファンが恐い」
「向こうも騒ぎを起こされたくないから、警戒はしてるようだ」
一応、聞かれそうな事は想定して、答えを用意しておく。
「本音で話すのも真凛の魅力だから、普通に話せばいい」
田中氏の言葉に、安心した。
……
朝一番で、ゲーム会社に到着した。
メイクルームで水無瀬結と並んで、メイク、ヘアセットを受ける。
俺が男の子宣言をしてから、彼女サイドのガードが堅い。
マネージャー二人が同席していて、世間話もさせない雰囲気だ。
社内の新年行事が終わり、イグナイトドラゴンの決起大会が行われる。
魔術師の白い法衣を着た水無瀬結と、女弓使いの俺が並んで会場入りした。
社員たちの拍手や歓声が、ちょっと恥ずかしい。
皆が見ている中、トークショーが始まった。
最初に自己紹介をすると、女子社員の歓声がいっぱいあった。
結は、当然男性の人気が高い。
質疑応答が始まり、そつなく答えていた。
フリートークになって、結が俺に話を振った。
「真凛ちゃんは、うちのメンバーに大人気なんです。
なのに、fortunaTVがオファーしても出てくれない」
まるで、番組プロデューサーに言わされたような事を言った。
「fortunaTVだけじゃなく、TV番組は全部断ってるんです。ごめんなさい」
「シーホークのラジオには出てた」
「ラジオなら出てもいいけど」
「じゃあ、私がパーソナリティの番組に出てくださいね」
やられた、上手く嵌められた。
「私が出たら、fortunaファンが心配しない?」
「皆んな、分かってくれます」
多分、ラジオ局のディレクターもグルだな。
スポンサー企業のトークショーで話すんだから、もう了解も取れているんだろう。
「fortunaファンの皆さん、ゴメンね。番組からオファーが着たら出ます」
「スポンサーにも根回し済みだった」田中氏が確認してきた。
「何がなんでも、真凛を利用したいようだな」
田中氏が褒めてくれた。
「おめでとうございます、嬉しいです」
「佐藤プロの合同新人お披露目会と被ったのは、残念だった」
「一ノ瀬流通グループでも大人気で、社長も喜んでいたんですよ」
「そうなの?」
「ここ最近で一番出席者が多くて、盛況だったんです」
中園氏が説明した。
「明日はゲーム会社の仕事初めだ。コスチュームを着て、盛り上げてもらうぞ」
「俺、一人?」
「いや、水無瀬結も来る予定だ」
「彼女が嫌いな訳じゃないんだけど、fortunaのファンが恐い」
「向こうも騒ぎを起こされたくないから、警戒はしてるようだ」
一応、聞かれそうな事は想定して、答えを用意しておく。
「本音で話すのも真凛の魅力だから、普通に話せばいい」
田中氏の言葉に、安心した。
……
朝一番で、ゲーム会社に到着した。
メイクルームで水無瀬結と並んで、メイク、ヘアセットを受ける。
俺が男の子宣言をしてから、彼女サイドのガードが堅い。
マネージャー二人が同席していて、世間話もさせない雰囲気だ。
社内の新年行事が終わり、イグナイトドラゴンの決起大会が行われる。
魔術師の白い法衣を着た水無瀬結と、女弓使いの俺が並んで会場入りした。
社員たちの拍手や歓声が、ちょっと恥ずかしい。
皆が見ている中、トークショーが始まった。
最初に自己紹介をすると、女子社員の歓声がいっぱいあった。
結は、当然男性の人気が高い。
質疑応答が始まり、そつなく答えていた。
フリートークになって、結が俺に話を振った。
「真凛ちゃんは、うちのメンバーに大人気なんです。
なのに、fortunaTVがオファーしても出てくれない」
まるで、番組プロデューサーに言わされたような事を言った。
「fortunaTVだけじゃなく、TV番組は全部断ってるんです。ごめんなさい」
「シーホークのラジオには出てた」
「ラジオなら出てもいいけど」
「じゃあ、私がパーソナリティの番組に出てくださいね」
やられた、上手く嵌められた。
「私が出たら、fortunaファンが心配しない?」
「皆んな、分かってくれます」
多分、ラジオ局のディレクターもグルだな。
スポンサー企業のトークショーで話すんだから、もう了解も取れているんだろう。
「fortunaファンの皆さん、ゴメンね。番組からオファーが着たら出ます」
「スポンサーにも根回し済みだった」田中氏が確認してきた。
「何がなんでも、真凛を利用したいようだな」
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