蒼い海 ~女装男子の冒険~

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第三章 チャンス

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「afterglowの事務所から連絡が入った。一緒にラジオに出ないかって、言ってる」

「出たいです」

「ギャラの安い仕事が、大好物だな」
嬉しそうに田中氏が言う。
「義理人情の世界だ、それでいい」

年末恒例、一年間の振り返り音楽特番で、今年デビューの新人でafterglowが取り上げられる。
夏の果のMVが受賞したこともあって、俺も呼ばれた。
控室で、メンバーと再会する。

「あまり喋るなよ、本番で話すことが無くなるから」
付いてきた田中マネージャーが言った。

スタジオに入り、ヘッドホンをする。
ラジオのジングルが鳴って、番組のスタートだ。

「本日のゲストはafterglowの皆さんと、「夏の果」MVのヒロイン出雲真凛ちゃんです」

「「こんばんは、afterglowです」」

「こんばんは、出雲真凛です」

司会者がデビュー曲「夏の果」について、ヒットの要因やデビュー秘話を探る。
色んな裏話が聞けて、楽しんでいた。

「ところで真凛ちゃんは、このMVがデビュー作品だとか」

「はい、全くの初仕事でした」

「それであの夕立ちシーン、大変でしたね」

「何も知らなかったから、あれが当たり前だと思ってました」

「それが良かった?」

「良いかどうかは見た皆さんが決めることで、私は口を挟みません」

「まあ、俺の下手な演技より百倍良かったよ」
ボーカルのKEIが助けてくれた。

「真凛ちゃんには片思いの男性がいるって事で、それがKEIさんじゃないかと噂されてますが?」

「ファンの皆さん、安心して下さい。KEIさんではありません」

「え~、ちょっと期待したのに」
KEIが乗ってくれた。

「afterglowのメンバーさんはアーチストとして、尊敬しています。
また一緒にお仕事をしたいって思ってますよ」

「約束したよね」afterglowのメンバーが言った。

「何の約束です?」司会者が聞いてきた。

「どっちが売れても、また一緒に仕事をしようねって、MVの完成試写会で約束したんですよ」
KEIが説明した。

「真凛ちゃんもゲームのプロモーションで売れっ子だし、今日は共演出来て良かったですね」

司会者が上手く締めて、無事に終わった。

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