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第三章 チャンス

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「じゃあ、メインは男なんや」

「そうですね」

「好きなんは、どっち?」

「今は、彼女がいます」

「じゃあ、エッチするんや」

「しますよ」

「その時は、男になるって事?」

「いや、女のままです」

「待って待って、目の前におるから混がらがるわ」
海野さんが慌てている。

「女のまま、女の子とエッチするって事?」
鷹山さんが、話を解すほぐ

「そうです」

「さあ、この後もっと真凛ちゃんに話を聞くよ。
その前に、こちら」

CMに入った。
一口、水を飲んで口の中を湿らせる。
意外なほど、冷静だった。

「そんな格好やったら、ナンパされへん?」

「しょっちゅう、されますね」

「何て断るん」

「彼女がいるって言います」

「それで通るんや」

「大丈夫ですね」

「男の子は好きじゃないん?」

「いや、好きな男子はいます」

「お~、おるんや」

「向こうはノーマルなので、片思いです」

「女子の彼女がいて、男子に片思いしてる?」

「ええ」

「それって浮気ちゃうん?」

「どうなんでしょ、気にしたことない」

「じゃあ、普段は彼女とだけエッチする」

「そうです」

「裸になったら、男やろ」

「彼女は、私が黒のドレスを着てるほうが喜びます」

「着たままするん?」

「彼女は白のドレスが好きですね」

「白のドレスと黒のドレスが・・・・」
海野さんの話に喰い付き気味に、鷹山さんが叫んだ。

「エロすぎるわ」

その瞬間、ジングルが鳴りCMになった。
ガラスの向こうで、ディレクターが丸を作っていた。
聖苑が、指でOKサインを送ってる。

「プライベートはどうなん?」

「料理メインで、家事を全部します」

「料理するんや?」

「得意です」

「今日は、何作った?」

「今朝は厚揚げとワカメ、エノキ茸の味噌汁に、コンビーフとトマトのオムレツでした」

「ホントに?」

「ほら」

「皆んなには見えへんけど、スマホに今日のご飯が写ってます」

「全部、撮るん?」

「何を食べたか、メモってます」

「後で番組HPにアップしていい?」

「どうぞ」

「お弁当も作るんや、2個あるけど」

「彼女の分も作ってます」

「尽くす女やね」

「最後に何か言っとき」

「もう少ししたら嬉しい報告が出来ると思うので、楽しみにしていてください」

「今日のゲストは、出雲真凛ちゃんでした」

ラストのジングルが鳴り、番組が終わった。


スタジオの3人で、スマホ撮影をした。
すぐにシーホークのSNSに公開されて、トピックに載った。

恐ろしいほど、バズった。

  
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