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第三章 チャンス

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afterglowのMVが再生されるほど、真凛の男疑惑が盛り上がる。
SNSに過去の画像が貼られて、余計に注目を集めた。

ガーデンズオフィスにもTVや週刊誌から問い合わせが入ったが、HP以外の情報はありませんと突っぱねた。
シュガー・エンターテインメントにTVの出演依頼も入っていたが、全部断った。

「ラジオ、決まったぞ」
田中氏が、連絡してきた。

「ギャラは微々たるものだが、後半の1時間出ずっぱりだ」

「どこまで話していい?」

「隠すこと無いから、全部ぶっちゃけろ」

「いいの?」

「今の時代、嘘は必ずバレる。
ゲーム会社も了解している、心配するな」

今週の金曜日、ラジオでシーホークが告知した。
「来週のゲストは、出雲真凛ちゃんです。お楽しみに」

「生放送だから、やり直しは聞かない。
好きなように喋れ」
鷹山さんからメールが着た。

「何でも聞いてください。後は、お任せします」と返事をした。

当日、大阪に移動してホテルで待機した。
深夜0時から2時間の生放送、事前の打ち合わせも無かった。

ラジオのジングルが流れて、二人のトークがひと仕切りあった。
その後、いきなりブースに呼ばれる。

「今日のゲストは、出雲真凛ちゃんです」
中に入り、ヘッドホンをする。

「初めまして、出雲真凛です」

「いや。話には聞いてたけど、可愛いわ」
海野さんから、言われた。

「そやろ。俺も初めて会った時、ビックリしたもん」

「ありがとう、ございます。
お二人に褒められると、恐いわあ」

「何でよ、噛みついたりしないって」

「この番組を、高校時代に毎週聞いてたから。
怖さは知ってますよ」

「ま、ぼちぼち話を聞こうかな。
では最初の曲は、afterglowの夏の果です」

CM明けは、MVの話から始まった。
事前に三角監督から自由に話していい、許可は取っていた。
お二人に任せて、質問に答えていく。

「あの雨のシーン、全くの偶然やったんや」

「ええ、ライトも車のヘッドライトでした」

「あれって、そうだったん。それにしちゃ、良うできとる」

台本には、kissシーンがあったことを話した。
いきなり、鷹山さんが核心を突いてきた。

「そんな真凛ちゃんやけど、男なん?女なん?」

「法律的には、男です」

「おお、しかし女にしか見えんわ」

「じゃ、心はどないなん?」

「男8、女3ぐらいです」

「数、合わんやないかい」鷹山さんにツッコまれる。

「俺ら相手にボケる?素人って恐いわ」

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