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第二章 転機

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蒼海あおい聖苑みそのと一緒に生活を始めて、2ヶ月が過ぎた。

「最近、お肌の調子がすごくいい」
聖苑が、鏡を見ながら呟く。

「食事を変えた効果が出てきたかな」
計算上では、成人女性の平均より野菜、果物を2倍食べている。
体調がいいのは、自分も感じていた。
体重は変わらないのに、体が軽く感じる。

「バストが大きくなってるの、痩せたのに」
聖苑が嬉しそうだ。
彼女は俺と一緒にトレーニングを始めた時、腕立て伏せが1回も出来なかった。
膝をつけてやるところから始めて、今では普通に10回出来るところまできている。

「大胸筋が鍛えられて、土台が大きくなったんじゃない」
本当はsexの影響だと思うが、お世辞を言っておく。

「続けたら、もっと大きくなるかな?」
欲張りなことを言ってる。

今では普通に女子として、特に問題も無く生活出来ている。
少し遠くの多機能トイレに行く手間があるくらいで、ほぼ不安が無い。
ここ最近で予想外だったのは、伊集院先生の都合で発声教室が閉鎖になった事ぐらいだ。
2時限目の講義が終わった時、渡辺 雅紀わたなべ まさきから声をかけられた。

「話があるから、一緒に飯を食おう」
カフェテリアに移動して、男子4人と一緒にランチを食べる。
私たちは相変わらずお弁当だが、みんなは日替わりランチを食べていた。

「これ知ってる?」
スマホの画面を見せられた。
自慢の新入生というSNSのトレンドに、他大学の女学生と共に聖苑が 写っていた。
見覚えのあるレーヨンプリントのワンピースを着て、金髪を後ろで結んでいる。
いいねが800を超えていた。

「すごいね。聖苑、可愛いもん」

「人の事、言ってる場合かよ」
スクロールされた画面に、俺が写っていた。
カシュクールフラワーワンピースで、サングラスを頭に乗せて笑ってる。
いいねが700以上ついているのが怖い。

「誰、これUPしたの?」

「たぶん、大学の誰かだろう。おそらく、捨て垢だろうな」
コメント欄に、出雲真凛ちゃんと書いてるお節介野郎がいる。
他にブス、レズ、ヤリマンとか、悪口を書きたい放題だ。
可愛いよね、スタイルがいいなど、褒めてるコメントに救われる。

「もっとバズったら、マズいよね」
悪い予感がしたと同時に、出雲真凛になっていて助かった。

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