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しおりを挟む適当に外を彷徨って、1時間ほど経ってから部屋に戻った。ゴムの買い忘れなんて嘘だ。
いつもルナの我儘に付き合っているのだから、たまにはおれもルナにイジワルをしてもいいだろう。
そう思ってのことだったが。
部屋は異様に静かだった。気絶してしまったのかと寝室へ向かうと、ルナはなんて言うか、ものすごく快楽に負けた顔をしていた。
「はぁ、ン、んふ、あっ……はぁ、はぁ、ひあっ!あ、やぁ……」
おもちゃの動きに合わせるように腰を振り、出せないもどかしさに涙と涎を垂れ流して震えている。目はもうどこを見ているのかもわからない。おれが帰って来たことにも気付いていないようだ。
そんな姿が、どうしてこうも官能的なのか。
吸血鬼という種族は総じて容姿がいい。それは彼らが人間から血をもらうため、人間の好む姿形をとるようになったから、と言われている。
そして目の前で快楽に溺れているルナの姿は、人間離れした美しさというか、決して触れてはならない美術品のような雰囲気があった。
このヒトがおれのもので、だからおれは触れられるのだ、という優越感が湧き上がってくる。
そっと近付いて、ルナの肩に触れる。ビクッと全身を震わせて、ルナは吐き出さずにイったらしい。しばし痙攣してから、ふとおれの顔を見た。
「と、とも、り…?」
「ん?」
「あ、あの、もう取って…ぅ…死んじゃう……から……ッア、ひゃあッ…!」
またビクビクと体を震わせる。そんな調子で、どれだけ空イキしたのかと思うと何だか愛しい。
「もう堪能したか?」
「ん、も、じゅうぶん、だからっ、はぁ、あっ…ぅぐ、アッ!!」
「じゃあ抜いてやる。ほら、ちゃんと尻上げろ」
そう言うと、素直に言う事を聞くのだから、普段からそうしてくれ、と思う。
もどかしげにモゾモゾと足を擦り合わせながら、おれの方へ尻を突き出すルナが可愛くて、また意地悪をしたくなってしまう。
「なあルナ、ちょっとだけ力んで」
「ん……わかった」
ふっ、ふっ、とルナの苦しげな息遣いが聞こえる。それからおれは、ルナの尻に入っていたおもちゃを思いっきり引き抜いた。
「ひゃああっ!!」
赤く熟れた後口が、ヒクヒクと動く。ガクガクと全身を震わせたルナはぐったりとベットにへたり込んだ。
気絶したかと顎を掴んで顔を見れば、まだ意識はあるようで、涙に濡れた赤い瞳をこちらへ向けてくる。
「っ、と、ともり……ね、も、やめよ…?死んじゃ、から……」
「そうか。じゃあおれのは欲しくないんだな?」
意地悪に言うと、ルナは本当に涙を流してしまった。
「ひどい……も、辛いよ……で、でも……灯の、欲しい、から、がんばる、ね」
本当におれより歳上なのかと疑うくらいに、ルナは純粋で汚れがない。だからつい意地悪もしたくなるのだが。
これ以上は可哀想になって来た。
「ごめん、ルナ。お前が可愛くてつい酷いことをしてしまった。ちゃんと気持ちよくする。だからもう少し付き合ってくれ」
そう言ってから、おれはルナの足元へ移動して、自分の衣服を脱いだ。それから熟れてポッカリと開いてしまった後ろに、自分のものを押し入れた。
「っああ!!あ、あうッ、んん、ふぁ……」
男性にしては細い腰を両手で掴み、自分の腰へと引き付ける。ルナは背をそらしてよがり、首を左右にぶんぶんと振って快感を散らそうとしていた。
「ヤダ、あっ、抜いて!前の、苦しいよぉ!!」
「まだダメ。おれも気持ちよくして」
そう言うと、ルナは健気にも口を閉じた。食いしばった歯の隙間から、苦しげな吐息が漏れている。
そのまましばらく、ルナの奥を攻め立てた。可愛く尖った胸の突起を撫で、つまんでみると、その度にルナの体がビクビクと反応する。そろそろ意識を無くしそうだったから、ルナの前に入れたおもちゃを触る。
少し引っ張り、そしてまた奥へと進める。そうすると後ろがうねって、まるで搾り取るような動きをする。
もう声も出ないのか、ルナはまた天井のどこかに視線をやったまま、ふうふうと息をしていた。
「ルナ、もうイキそう。お前もはやく出したいよな」
そう言ってはみたものの、ルナからの返事は無い。ただ、無防備な唇を塞ぎ、舌を差し入れると、ちゃんと応えてくれた。しばしその柔らかい舌の感触を味わってから、再度ルナの腰を引き寄せる。
ルナのものに挿さるおもちゃの取手に指をかけて、タイミングを合わせながら腰を打ち付け、自分がイクところで、思い切りおもちゃを引き抜いた。
「~~~~ッ!?」
声にならない叫び声をあげて我に帰るルナ。その中に熱を吐き出して、しばし余韻に浸るおれ。
ルナはブルブル震えながら、何が起こった?という顔をしている。
「と、ともりっ、止まんない!まだ出ちゃうっ、ひぁああっ」
ルナのものがドロドロと溜まりに溜まったものを吐き出す。それはなかなか止まらなくて、涙をながしておれを見てくる。
「は、あっ、やだぁっ、も、むりだからっ」
くたりとベッドに沈むと、そのまま目を瞑ってしまった。
翌朝、背中に違和感を感じて振り向く。
「何してんだ?」
「…あ、灯、おはよ……」
おはよう、ではなく。
「クリスマスの朝からお前は何をやってるんだ?」
「ん、あの、さ……起きたら、勃ってたから、ちょっと…自分でやってみようと思ったんだ……でも届かなくて……」
そう言いつつもどかしげな顔をして、片手で後ろ、もう片手で前をイジっている、なんとも健気なルナだ。
「それに、別にクリスマスだからって、関係ないだろ?キリストだって、セックスしたから産まれたに違いない」
それでいいのか、キリスト教徒。
やれやれとおれは一度大きく息を吐き出して、早く早くと目で訴えるルナを助けてやることにした。
恋人が積極的なのは有難いが、今までほとんど経験がないルナに、昨日の刺激は強すぎたのかもしれない。
「ルナ、手退けて」
「ほい」
期待に満ちた赤い瞳が、マジマジとおれの動きを観察している。とてもやり辛い。
自分でローションを塗ったようで、後ろはすでにぬるぬるで、おれは躊躇いなく指を入れて中をかき回す。
「ふぁあ……きもち、よ。灯もやったげようか?」
「いらない」
こいつ、以前から思っていたが、こういう時にも口数が減らないらしい。素直なのはいいが、少々複雑だ。
「ルナ、今日は買い物に行くんだよな?お前にクリスマスプレゼントを買いたいし」
「いらないよ、変なのあげちゃったし……それに結局あれもルイスからのプレゼントだし」
ルイスとは、ルナの二番目の兄らしい。少し変わった。
「いや、おれがあげたいんだ。だからさっさとヤって出かけよう」
「なんか雑じゃね?」
不機嫌な顔もまた可愛い。まあいいや、と開き直ったルナの足を広げて、固くなった自身のものを躊躇いなく挿れる。
「ン……なんか、ちょっと慣れてきたかも……」
「そう言われるとまた虐めたくなるんだが」
「いや嘘だ。十分だよ灯」
余裕そうなのが腹立たしい。
「お前が悪いからな」
「えぇ?俺なんかしたぁ?」
と、ルナがまた不機嫌そうな声を出した瞬間に、おれは思い切り奥まで突っ込んだ。
「やぁっ!?ちょ、ごめ、ごめんよ、ともりっ!!」
無視してルナの体勢を変える。片足を持って、少し横にずらし、さらに密着するように腰を動かす。
「ヒッ、ダメ!ふかい、とこ、来てるからぁ!」
「まだ行けるだろ」
ダメ!と叫ぶルナを再度無視して、奥の抵抗のある場所を思いっきり突いた。
「~~~~~ッ!ガハッ、くるし……息、できなっ」
ヒィヒィと苦しげに喘ぐというより唸りながら、ルナは背をそらして震えている。蕩けた顔は涙や唾液でぐちゃぐちゃだ。
しばしその奥を責め、ルナがぐったりとしたところで虐めるのをやめた。
「懲りたか?」
「……ん、も、灯に口答えしない……」
なんだか言わせた感があるが、どうせすぐに忘れて、また同じような口を聞くんだろう。基本的にバカな奴だから。そんなところが愛しいのだから、おれもバカなんだろう。
そのあとはお互いに気持ちのいい事だけをして、風呂に入って出かける準備をする頃には正午を少し過ぎていた。
「えー、俺灯の服なんて着たくないんだけど」
てっきり泊まるつもりだと思っていたが、ルナは着替えを持って来ておらず、結局いつもの支給品のワイシャツとスラックスを履いた。
せっかくの休日、しかもクリスマスに、仕事着の恋人とデートするとはおもわなかったが、まあいいか、とおれたちは家を出た。
応援ありがとうございます!
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