恋の呪文

犬飼春野

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本編

よのなかせまい

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「はじめまして。和基の姉の小宮千鶴です。弟が色々とお世話になっているようで」
 顎に沿って綺麗に切りそろえられたショートボブの頭をわずかに傾け、深夜の訪問客は江口の正面に陣取って嫣然と笑う。
 細くて長い足をブラックジーンズで包み、何気なく羽織っているアイロンのきいた白のシンプルなシャツは肌の白さを引き立たせて、凛とした印象を与える。
 そして、濡れたように黒くて大きな瞳ときりりとした眉の形が、まるで双子の姉弟かと思ってしまうほど似ていた。
「こちらこそ。会社の後輩の江口耕です」
 ぴしりと背筋をのばして姿勢を正し、短く刈り上げた焦茶色の頭を深々と下げた。
「なにも、こんな真夜中に来なくてもいいだろ。近所迷惑な・・・」
 池山はなにやら口の中でぶつぶつ言いながら千鶴の前にコーヒーを出す。
「今すぐ行って悪を糺しなさいとの神からの啓示があったからよ」
 すました顔でコーヒーに口をつける姉の背中に向かって、「えせクリスチャンはこれだから嫌なんだ」と歯をむいてきーきー文句をたれる池山の姿に、江口は笑いだしたいのを必死の思いで我慢した。
 これではまるで適わないとわかりきった敵に、声だけ威勢よく、後退りながらきゃんきゃん吠える、甘ったれた室内犬のようだ。
 そんな江口を横目で見ながら千鶴は口を開く。
「あんたが考えなしに後戻りできないところまで行ってしまう前に、正しき道へ導いてやるのが姉たるものの務めだと思ってね。感謝なさいな」
「なんだよ、それっ。まるで俺が非行少年かなんかじゃないか」
 だん、とテーブルを叩いて抗議すると、千鶴が池山の耳をひっぱり上げて切り返す。
「『そのもの』じゃないの。ちょーっと、トウが立っているけどね」
「いたたたたたっ、痛い、痛い!!・・・出どころは保坂だなっ。あんのおしゃべりスズメっ」
「あんた、何てこと言うの。あの子は思い悩んだ末に私に告白したってのに・・・」
「あんのおおばかもの・・・。千鶴には言うなって、あれほど言ったのに・・・」
「そりゃー、あんたよりも私の方が有希子との付き合いは長いからねぇ。だいたい、あんたが散々もてあそんだ挙げ句にとっとと放り出した美代子ちゃんは、もともと私が有希子に紹介したのよ。あんたのことだから、そんなこと、すーっかり忘れてたんだろうけど」
 ほう、と口元に綺麗な形をした指先を当てため息をついてみせる。
「おそるべし、女子校の姉妹関係・・・」
 いや、世の中狭すぎるというべきか?
「・・・あの、保坂さんっていうと」
 姉弟の攻防を暖かい眼差しで見守っていた江口が不意に口を挟んだ。
「そう。お前んとこの事務の保坂。小学校の頃まで、同じマンションに住んでたんだよ。ついでに言うと、千鶴が二年留年したおかげですっかりご学友の仲だ」
「ばか。人聞きの悪いこと言うんじゃないわよ。留年じゃなくって、留学でしょ」
「毎日遊び歩いてたくせに・・・」
「ほー。そういうか」
 悪いこと言うのはこのお口かなー、とにこにこ笑いながら千鶴は二十七歳になる弟の口元を両手できゅきゅっとひねり上げた。
「いってーっ」
 大げさな悲鳴を上げる池山を放り出して、江口に向き直る。
「まあ、この馬鹿はほっといて。単刀直入に言うけど、江口くん、こんなのとホモっていても未来はないわよ。とっとと更生して、まっとうな道に戻ることをお勧めするわ」
 実の姉のあんまりな物言いに池山は割って入る。
「ちょっと待てっ。俺はホモってなんかいないぞ!」
「私が来るまで、べたべたなキスしてたくせに・・・」
「キスなんかしてないっ」
「またまた・・・。まだ唇赤いわよ?鏡でも見てくればぁ?」
「あれはだなあっ」
「あれは?」
 ずいっと千鶴は顎を突きだす。
「あんまり江口がうるさいから、とにかく口をふさごうとして・・・」
「ふさごうとして?」
 池山は次第に真っ赤になりながら、背中を丸めて、もにょもにょ呟く。
「・・・気が付いたら、口にかじりついてた・・・」
 我慢強く最後まで聞いた千鶴は肩を落としてふーっとため息をついた。
 そして江口に向かっておもむろに「煙草持ってない?」と尋ねると、彼は「これでよろしければ」と胸元から箱をさしだす。
「この際何でもいいわ。本当なら、ブランデーの一杯でも所望したいとこだわ」
「レミーなら、あるみたいですけど?」
 戸棚の上に飾られている深緑の壜を指差すと、心底残念そうに首を振った。
「車で来てるから駄目。悔しいわ」
「そうですか・・・」
 いつのまにやら意気投合した二人は、縁側での陽なたぼっこのような、ほのぼのとした会話を展開し始めた。
「だーかーらー。俺の話を聞いてくれよーう」
「お話にならないって、このことを言うのよねぇ。江口くん、姉の私が言うのも何だけど、こいつ、ケダモノ以下だわ」
「いえ。ケダモノモード時に、ぴったり側にいさえすれば、俺にとっては据え膳です」
 さらりと切り返す江口の笑顔に一瞬見惚れて、千鶴は指に挟んでいた煙草をぽろりと落とした。
「あーっ、もうっ。あんた等、まとめて宇宙の果てまですっとんでほしいわっ」
 たいして吸っていない煙草を灰皿にぐいぐい押しつけて弟をにらみつける。
「だいたい和基、わかってるんでしょうねぇ?どんなに女関係にだらしなくても男の甲斐性で済まされるけど、ホモときた日にゃ、迫害を受けるのはあんた達だけじゃなくって、その血縁者なんだからね」
「そんな大げさな・・・」
「大げさじゃないわよ。これがあのクソババアの耳に入ってご覧なさい。小宮の血筋にそんなものを入れると先祖様に申しわけがたたないとか言って、即、子連れ離縁だわ」
「相変わらずなのか、お姑さん・・・」
「ええ、相変わらず殺してやりたくなるほど元気よ。乗りたくて乗った玉の輿じゃないけど、可愛い甥っ子姪っ子の未来も少しは考えてほしいっていうのが本音だわ」
 少し眉間にしわを寄せながら二本目に火をつけた。
「そういうのって、なんだかなぁ・・・」
 池山も煙草に手をのばす。
「でも、ありうる現実問題よ。これが兄さんに知れたら確実に座敷牢ものね」
「あれ?お兄さんもいるんですか?」
 つられて江口も箱を手に取った。
「そう。和基の十歳上で、三年たった鏡餅というか、江戸家老の生き残りみたいな固くて喰えない奴が」
「そこまでいうか・・・。いや、その通りなんだけどさ」
 ふーっと三人同時に天井に向かって煙を吐く。
 どうやら池山家の長男と歳の離れた弟妹は仲が悪いらしい。
「まあうちの内情はともかく、江口くんの方にだって、兄弟なり両親なりいるでしょう?彼らの非難を受けて立つ自信がないなら、二人ともハンパな事はお辞めなさい」
「ハンパなことって、何だよ?さっきから下世話な言い方ばかりして!」
「・・・不純同姓交遊とでも言って欲しいわけ?」
「だから、何も、始まっちゃいねーってばっ!」
 なおも抵抗を試みる弟を、一瞬哀れむような目で見つめて千鶴は立ち上がる。
「そう。それならいいわ。ただね。本気だっていうなら反対はしないけど、いつまでも曖昧な気持ちでいると、傷つくのはお互いだけじゃないことを知っていてほしいのよ」
 ショルダーバックから車のキーを取り出して呟いた。
「世の中はね、あなたが思うほど単純じゃないの」
 その声には、先ほどの剣幕とは違い、弟の未来をひたすら気遣う色しかなかった。
 言い返す言葉が見つからなくて、池山は額にかかる髪をかきあげる。
「・・・江口くん、寮へ帰るなら送るわ。金沢文庫でしょう?」
 振り返ると、池山は出口に向かって、「行け」、と顎をしゃくった。
「・・・はい」
 今の江口にできることは、黙って千鶴について部屋を出ていくだけだった。




「・・・本当に、反対はしてないのよ。外野が騒いでどうにかなる話じゃないから」
 短く、綺麗に整えられた指先で流れるようにアウディを運転している千鶴は、前を見据えたままゆっくりと言葉を紡ぐ。
「有希子から無理遣り聞き出したんだけど、TENにコネで入社したって事は、あなたの実家は結構な家柄なんでしょう?」
 元財閥をバックにもち電気業界で最大手を誇るTENは、コネ入社の激戦地区でもあった。何百人となる良家の子女でもよほど大きな後ろ盾がない限り、合格は望めないことは、就職活動経験者ならだれもが知っている。
「そうしたら、そんな家柄の人と恋愛した場合、確実に責めを負うのはたいした家の出でないうえに年上のあの子になるわね」
「そんなことは・・・」
 反論しようとする江口に向かって、千鶴はゆっくり首を振った。
「もう察してるとは思うけど、私、デキタ結婚でね。お姑さんは可愛い息子のためにお嫁さん候補を山ほど用意してたというのに、突然私が大きなお腹を抱えて現われたものだから、もうたいへん。それなりの家柄のあちらの親族にあばずれだの何だの罵られたわ」
 車内には心地よい冷風と、やや低めの女性ボーカルのジャズが優しく流されている。
「子供を堕ろさないで、なおかつ正式に結婚するって、夫と決めたときから、猛烈な反対に遭うことは予想してたから何を言われても別になんともなかったんだけど」
 対向車のライトがわずかに眉を寄せている横顔を一瞬白く照らす。
「鬼のような形相で私を責める母を見つめる、あの人の哀しそうな瞳を見るのが、一番辛かった」
 自分を産んでいとおしんでくれた母親と、一生の伴侶にと望んだ妻。大切な人達が、自分を挟んで睨み合う光景は地獄絵以外のなにものでもない。
 また、愛する人の子を身篭もっただけなのに、祝福されるどころか姑に自分の存在をことごとく否定される苦しさ。
 いったいどちらが心により深く傷を負ったかなんて、どうやって確かめることが出来よう。
「和基も、あなたのことを本気で好きなって、つきあいを続けていくのなら、それだけ辛い目に遭うでしょう。そう思ったら、つい黙っていられなくって・・・」
「・・・池山さんのこと、とても大切に思われているんですね」
「とんでもない!いつもいつも私と有希子であの子の尻拭いばかりしてくたくたよ。でも過保護はいけないと思ってある程度好きにさせていたけど、今度という今度はさすがに、趣向の変わった火遊びが大火事になったら手に負えないわ。ならば、対岸の私達に飛び火するのを未然に防ぎたいのが人の心ってものでしょう?」
 まったくあのロクデナシったら、と苦々しげに悪態をつく。
「そうなんですか?」
「そうなんですかって、あなた。・・・うーん。それと、そうそう。そろそろ借りを返そうかなって思ったんだっけ」
「借り・・・ですか?」
 どうやら、千鶴は弟にかなりの愛着を持っていることを認めたくないらしい。
 自分に素直でないところも兄弟でそっくりだ。
「そう。あの子がまだ素直で可愛かった頃、おままごとで得体の知れない木の実をたらふく食べさせて寝込ませたりとか、柿の木に登らせて実を採らせたりとか、庭園の池に蹴り落としたりとか・・・」
 くるくるハンドルを回しながら悪事のかぎりを告白する。
「・・・楽しそうですね」
「ええ。とってもっ!」
 江口に笑いかける瞳は夜目にもきらきら輝いて見える。
 池山は、相当愉快な幼少時代を送っていたようだ。
「いっそのこと、気心の知れた有希子と結婚してくれればなあって母親たちは言うけど、和基たちにとっては互いを深く知りすぎて姉弟か母子かって間柄らしいから、こればっかりはね」
 親友を弟の嫁にというプランは魅力的なのだろうが、確かに二人並ぶといつも体育会系のノリで甘さのかけらもない。
「それと、ちょっと嫌がらせかしらね。未だに好き放題青春を謳歌しているから」
「・・・青春?」
「そうよぉ。有希子から、ものすごくいい男と恋愛を始めてるって聞いたとき、ずるいって思ったもの」
「『ものすごくいい男』はおいといて、恋愛も何も、池山さんがさっき言ったように、俺が勝手に慕っているだけで、何も始まっていませんよ」
 実際まともに口をきいたのは久方ぶりなのだから。
 苦笑する江口に千鶴は首を振る。
「気が早いとあなたは思うの?とんでもないわ。有希子なんて、あなた達のこと『ベタ甘カップルの痴話喧嘩』と評してたし、今日の二人を見て私自身そう思った」
 どんなに説教しても、どうにもならないだろうと解っていながらこうしてやって来たのは、嫌がらせ半分、好奇心半分ってなわけである。
「あなたに会えて良かったわ。確かに姑にこの件がばれたら大騒ぎになるだろうけど、その時はその時って気がしてくるもの」
 BGMはいつのまにか明るいトーンだがどこか厳かな黒人霊歌に変わっていた。
「・・・本当に、どうしようもなく好きでやったことだけど、あなたの大事な弟に無体を働いて、申し訳ありません」
 江口は千鶴に向けて深々と頭を下げる。
「・・・そんな事言われたら、なんと答えてよいのやら・・・。ちょっと待って」
 千鶴は眉間に思いっきりしわを寄せて、ハンドルを切り路肩に車を止めた。
 いきなり、弟を嫁にくれと言われているような雰囲気だ。このまま運転したら会話に気をとられて二人仲良く心中しかねない。
「それで?」
 話の続きを促すと、江口は口の端から尖った犬歯をのぞかせて、照れたように笑う。
「最初は仕事が誰よりも出来て凄い人だなって尊敬していたんですけど、気が付いたら、別のところがどんどん好きになっていくんです。嘘をつくのが思いっきり下手なところとか、めちゃくちゃ気が短いところとか・・・」
「・・・それって、あの子の数多くの欠点の一つ二つじゃない」
「いいえ。長所ですよ。さばさばしていて、気持ち良くて、すごく好きだな」
「そりゃまた、ご馳走様」
 あばたもえくぼ。
 使い古された言葉が真っ先に千鶴の頭を突っ走ったのは言うまでもない。
「ところが実は俺は情けないことに一族の中で落ちこぼれなんです。今回の就職の口利きだって、世間的に何とか体裁をつけて、且つ、おとなしくしていてもらうための手切金みたいなもので、取り柄といったらこの馬鹿でかい体ぐらいしかない」
 江口はしっかりと濃い眉を僅かにへの字に曲げる。
「・・・今の俺には、責任をとりますとか、幸せにしますとか、そんなおこがましいことは何も言えないな」
 シートに大きな背を預けて深いため息をついた。
 その様はまるでナリばかりが馬鹿馬鹿しいほど大きい犬が助手席で背中を丸めてしょげているようだ。そう思った途端、千鶴は我慢できずに吹き出す。
「・・・謝って、のろけて、ぐちって、忙しい人ね。あなたって」
 肩を震わせて千鶴は笑う。
「・・・すみません」
 江口はますます背をまるめてひょこっと頭だけ下げる。
 どうやら、今度はちょっとすねているようだ。
「あなたが落ちこぼれ?とんでもない」
 千鶴は身体をねじって江口へ向き直る。
「だって、あなた、子供の頃のびのびとお天道様の下で遊び回ってましたって顔してる。それは、誰かに愛されてた証拠だわ。そういう人が落ちこぼれであるはずないじゃない」
 片手を延ばして江口の固くて短い前髪を指先でそっと愛撫した。
「大きくて力強い体は側にいる人を何気なく安心させてくれるし、意外と意志の強そうなぱっきりした眉に、とっても綺麗な大きな瞳が素敵ね。他にもいいところがたくさんありそう。こんな魅力的な、しかも若い男に想われているなんて、和基は幸せものだわ」
 ついでにどっしりして高い鼻の頭に、ちゅっと音をたてて軽いキスをする。
「覚えておいてね。私はあなたのこと、大好きってこと」
 夫がいなかったら年下だろうが何だろうが迷わずあなたを恋人にしたかもね、と真っ赤になって鼻を押さえる江口に嫣然と笑った。
「はあ・・・」
 江口の間の抜けた返事に白い喉を反らせて千鶴は爆笑する。
 こんなに綺麗な人妻ににそこまで言われて、さらにキスまで貰って喜んで良いのやら、おもちゃにされて怒るべきなのか江口は頭を抱えた。
「捕って喰いはしないから安心なさい。まあ、とりあえず今は、私はあなたの味方よってとこかしらね」
 さて、そろそろ行こうか、と呟いてウインカーを点滅させながらアクセルを踏み出す。
 しばらくの間BGMに合わせて柔らかな声で楽しそうに歌詞を口ずさんでいた千鶴は、不意に歌うのをやめて首をかしげた。

「そういえば、あなたたち、さっきは何を言い争っていたの?」
「・・・・・・」

 千鶴の好奇心と、江口の想い、そして池山のとまどいを織り混ぜながらも夏の夜はじわじわ更けていった。
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