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言い忘れていたけれど
しおりを挟むかさりと枯れ葉が指に触れ、コンスタンスはゆるゆると目を開く。
「おや。ようやくお目覚めかい」
低いしゃがれ声が耳に届き、地面に手を着いて慌てて身を起こした。
いつの間にか嵐のようなものは去り、あたりはしんと静かになっている。
かすかな風もないのか、草木も周囲にいたはずの生き物も全て沈黙しているかのようだ。
「いつまで経ってもぴくりともしないから、どうしたもんかと言っていたとこだよ」
そう言うわりに三人の老婆は、煮えたぎる大鍋はそのままで火の近くに胡坐をかいて座りのんびりとくつろいでいた。
彼女たちが両手に抱えているのは大昔に木をくりぬいたカップと思われる代物で、かびたパンのような色をしており、満たしているのは薬湯なのか、頭が痛くなるような匂いがあたりに充満している。
「ドロテア様。起きてください」
隣でうつぶせに倒れているドロテアの肩を軽くゆすってみて気づく。
己の、手が。
「痣が、ない? 消えたの、かしら」
すぐに袖を引き上げて指先から肘までしげしげと見るが、先ほどまでの絶望的な赤いしるしは跡形もなく、真っ白できめ細やかな己の肌が焚火の光に照らし出されていた。
「え? 消えたの?」
コンスタンスの呟きで目覚めたのか、ドロテアが勢いよく起き上がる。
「コンスタンス様、わたしの、わたくしの顔はどうなっているの? 消えたの? それとも」
目を見開き必死の形相ですがるドロテアの顔は、確かに白い、貴婦人らしい手入れの行き届いたものへと戻っていた。
「大丈夫です。約束は、果たされたようですよ」
「本当に?」
「ええ」
「やった……。やったわ。これでもう……」
喜びの余り我を忘れたドロテアに両腕を長い爪の付いた指で強く掴まれ、コンスタンスの胸の奥底にどろりと黒い気持ちが沸き上がるがなんとか平静を装った。
彼女の方が身分は上だ。
今はまだ。
「それが、契約だからの」
「ぬかりない」
「わしらも、あの方がたも」
ふぇ、ふぇ、ふぇ、と、魔女たちは灰色に染まったまだらの歯を見せて笑いあう。
「ところでお前さんたちに、親切なわしから一つ、忠告を授けよう」
黄緑色の瞳をした魔女が抱え込んだカップもそのままに、ゆるく首を傾けた。
「金の男と赤の男。あれらとその身内には、今後関わらぬ方が良い」
金と赤とはすなわち。
「……は?」
老婆の言葉を耳に受けたドロテアの応えが低くなる。
「どういうこと?」
彼女はゆっくり立ち上がり、唇を歪め魔女たちを冷たく見下ろした。
「どういうこともなんも。そのままの意だがね」
呆れたようにため息をつく黄緑色の瞳の魔女の隣で、オレンジ色の瞳の魔女がけけけと歯茎を見せて笑う。
「わからないから聞いているのよ」
金の男。
ナイジェル・モルダー。
彼を長い年月追いかけ続け、いつもあと少しのところで捕まえ損ねる。
今度こそ。
今度こそと思ったのに。
「おやまあ、とんだ執着じゃないか。面白いねえ。そうこなくちゃ」
節くれだった指を二本唇に当ててピューピューと音を鳴らすと、青色の瞳の魔女が両手を叩き「もっと、もっと!」と囃し立て始める。
「面白いって……っ」
「ドロテア様」
魔女たちの悪ふざけに腹を立てくってかかろうとするのをコンスタンスは慌てて立ち上がり背後から肩をつかんで止めた。
「落ち着いてください。私たちの用は済んだのです」
激高したドロテアはコンスタンスの手を振り払って金切り声を上げる。
「わたくしは何も悪いことをしていないわ! 悪いのは、あの女たち! あのあばずれと妹が邪魔をするからこんなことになったのよ! 地味でブスのくせに出しゃばって……ッ! かはっ!」
喉を抑えたかと思うと、いきなり口から大量の血を吹き出した。
「ドロテア様!」
「……っ、なにこれ」
口からこぼれおちる液体を手で拭ってようやく自分が血を吐いたのだと知り、ドロテアは腰を抜かす。
「ああ、命が尽きたわけじゃない。お前さんたちはまだまだ死ねないよ。こんな早くに仕舞いになったんじゃあ、取引の意味がないだろう」
血まみれで震え、泣きじゃくりながら助けを乞うように魔女たちに手を伸ばすドロテアを目の前にしても魔女たちは動じない。
「わしはあんたがたに教えたはずだ。滅多なことを言うなと。言葉にしたら取り返しのつかないこともあるのだとねえ」
ずずずと音を立てて薬湯を飲みながら老婆はオレンジの瞳を細めた。
「あんたがあまりにも物分かりが悪いようだから、今、ちょっとたしなめられたのさ。悪口一つ、悪だくみ一つでも、許さんとな。すぐには死に至らぬが、死んだ方がましな身体になると、わかったかい?」
噛んで含めるように諭す老婆にコンスタンスは疑問を投げかける。
「まさか、監視されているということですか」
些細な言葉も聞き漏らさぬようならば。
これほど窮屈なことはない。
「ここでは筒抜けだからこうなったが、まあ、ある程度見守られていると思うがいいさ。あの剣は主をそれはそれはひどく気に入っている。剣技にも長け、見目麗しい男というのも罪じゃのう」
まるで、ナイジェル・モルダーとベージル・ヒルをよく知っているかのような口ぶりに、背筋に冷たいものが走る。
「初犯ということで見逃してやるとのお達しだから、今回はわしが助けてやろう」
青い瞳の老婆が片手をふわっと軽く振り上げた。
すると銀色の光がドロテアを包み、彼女の身体とドレスについた血の汚れは跡形もなく消えた。
「あ……」
喉と胸をせわしなく両手で探り、ドロテアは声を上げる。
「あ、ありがとう、ございます。ありがとうございます。私が不心得であったこと、深くお詫びいたします……」
涙を流しながら両手を地面につけ、頭を深く下げて老婆たちへ謝罪した。
「これから、気をつけるこったね。我々とちょっと違う国の神だから、考え方もちょっと違う。甘く見るとさっきみたいにばっさりやられるよ」
「ご忠告、いたみいります」
よほど堪えたのか、うってかわってしおらしくなったドロテアをコンスタンスは後ろから支えて立ち上がらせる。
「さあ、ドロテア様……」
たった一言でも誤ると喉を切り裂かれるような恐ろしい場から、一刻も早く立ち去りたかった。
「それでは、私たちはそろそろ」
いとまごいを口にすると、全てを見透かしているのであろう老婆たちはにやにやと笑いながら軽く指を振る。
「ああ、ああ。行くがいいさ。お互い、用はもう済んだ」
言うなり、二人の周りを風がゆるりと回り始めた。
やがて耳元でひゅんひゅんひゅんと速い速度で回転していくのを感じる。
「もと居た場所へお戻り。送ってあげるよ」
風が薄い膜となり、視界がだんだんと遮られていく。
魔女たちは坐したまま、ひらひらと手を振った。
「これでお別れだよ、お嬢さんがた。あんたたちがここに来るのはこれきりだし、もう二度と会うことはない」
「え……、ちょっと、それは」
魔術師を介して金さえ積めばまた気軽に頼みごとができるだろうと思っていたドロテアは衝撃を受ける。
「そんな、待って」
身を乗り出そうとするが風に阻まれて動けない。
「それと、言い忘れていたけれど……」
さらに魔女の一人が頬を指で掻きながら何かを言いだしたその時。
「え?」
しゅん、と二人は強い力に掴まれ、放り上げられた。
「ち、ちょっと待って、何を!」
二人は手を伸ばすが、魔女たちの前に戻れるはずもなく。
「そんな……」
気が付くと、ドロテア・アビゲイルの私室に戻っていた。
部屋の設えも、飲みかけた茶の入った器も、重い香の匂いもそのままで。
まるで、自分たちは一瞬たりともそこから動かなかったかのように。
土にまみれて強い風にとかれた筈のドレスと髪型は美しいままで。
何も変わらない。
いや。
変わっている。
「痣は、ない……」
壁に掲げてある大鏡に映る二人にはおぞましい赤のしるしがなかった。
そして。
『あそこ』で渡した宝飾品、ハンカチ、そして落としたヴェールに手袋。
そういった一切のものがなくなっている。
あの老婆たちとの邂逅は幻ではなかったと、実感した二人は冷たい床にゆるゆると座り込んだ。
「生きて、いるだけでも。もうけものかしら」
ドロテアの呟きに、小さくうなずきながらもコンスタンスは別れ際の言葉を反芻する。
『言い忘れていたけれど』
いったい、何を。
全身の血が抜けていくような心地だった。
あれは絶対、重要なことだったにちがいない。
しかし、教えるつもりはないという事か。
この目を通して今の私たちは見られている。
でも、助けてくれることはない。
つまりは。
「さて。あの子たちは、どのくらいの余興になるかしら」
きらきらと、金色の木漏れ日がオレンジ色の瞳に祝福の光を送る。
ひとりの若い女性が絹糸のような艶やかな金髪の上にカモミールの花冠を載せて、緑のじゅうたんの上にうつぶせに寝転んだ。
なめらかな白絹の衣に包まれた伸びやかな手足、細くくびれた腰、そして形よく盛り上がる胸。
指先までミルクのように白い肌はうっすらと淡いバラ色に染まっている。
額から唇まで愛らしく、清らかに整えられた面差し。
人間たちが美の理想として夢想し描き続けてきた姿が存在していた。
「まあね。『おしおき』のこと、言いそびれちゃったし」
もう一人が仰向けに寝転んでローズマリーの枝を振り回しながら空を見上げると、長い睫毛に縁どられた黄緑色の瞳には白い雲が流れていく。
そして、彼女たちの近くには清らかな水をたたえた小さな泉がさらさらと優しい音を囁き、青い瞳の佳人はゆったりと微笑んだ。
「『おしおき』だけじゃないけどね。他にもちょっとあるけれど、まあ構わないでしょう」
例えば、あの二人の身体に小さな『しるし』が付けられているとか。
気が向いたらいつでも制御できるよう、白狐たちは女たちの頭頂部と親指の付け根に小さな赤い痕を三点ずつ残した。
それは針で刺したような小さなもので、侍女たちが風呂の介添えをしている際にもおそらく気づかない。
その『しるし』は命尽きるまで彼らと繋がることになるだろう。
それから、あれと、これと。
三人の美しき佳人たちは考えを巡らせながら指を折る。
「だって、フウ様もライ様も気に入らないって言うし。やっぱり私たちもねえ」
助けてやる義理はない。
「往生際が悪い子は嫌いじゃないけれど、ねえ」
「まあ、仕方ないんじゃない」
三人の姉妹は手にした玻璃のゴブレットを天に軽く掲げたのち、金色に泡立つ美酒を飲み干した。
「『モーロの魔女』を訪ねて来たのだから」
この聖なる野原とあの魔の森は金貨の表と裏。
女神であるか、魔女であるか。
訪ねる者の心根と行いで変わってしまう。
人生にいくつも分岐点があるように。
あの二人は魔女の森へと足を進めた。
「ねえ、フウ様から聞いたのだけど」
泉につま先を浸し、水を跳ね上げて遊びながら、末の女神は夏の空のような青い瞳を輝かせた。
「鍋で炒ると弾けて姿を変える玉蜀黍の実があるそうよ」
白狐のフウは石に封じ込まれる前、自由に世界を飛び回っていて、色々な神と親交があったらしい。
「栗だって皮に切れ込みを入れていないと弾けるじゃない」
「お姉さまったら。とにかくね。わざと弾けさせたのを溶かしバターに絡めてつまみ菓子にするのですって」
「ふうん……。よくわからないけれど、それって」
面白そう。
女たちの興味はあっという間に未知の食べ物へと移った。
全てはその程度のこと。
久々の来客で少しだけ楽しませてもらったが、どうでも良くなっていく。
気まぐれな彼女たちのことが、とある聖典に記されている。
運命の三姉妹、ノラ、デラ、ロラ。
女神であり、魔女でもある。
美しく無邪気な。
モーロの女たち。
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