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あれからの、あんなこと、こんなこと
8.七瀬に、あんなこと、こんなこと ②
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「あれ、珍しー。お前らだけでやってたんだ」
「おかえりー。お疲れー。有川もやるー?」
「おー」
二回戦目に入りそうだった宇山は意外とあっさり引いて、サイドワゴンから自分用のタオルを取り出して風呂場に向かった。俺は放ったらかされたままベッドの上でなんとか起き上がったけど、ゴムをかぶった状態でまだしっかり勃ってるちんこは有川からも丸見えのはずで。
うわ、何だこれ。気まずい。
多分かなり急いで帰ってきたんだろう。有川の前髪はちょっと分かれてて、珍しく額が見えてる。そんな有川との温度差に、まるでアナニーを目撃されたような気分になって落ち着かない。俺は床に落ちてた掛け布団を引っ張り上げて、肩にかけて前をかき合わせた。
いやいやいや、気にしすぎだろ俺。宇山どころか井田とやってるとこだって散々見せてるし、別に今さら慌てるようなことじゃないのに。むしろいつもはそれが興奮材料なのに。
冷蔵庫から出したペットボトルの茶を持って、前髪を直しながらベッドの端に座った有川が苦笑する。伸びてきた手が、何かを確認するみたいに俺の首の横を撫でた。多分、さっき宇山が吸い付いてた辺りだ。
「なに? あいつまた自分だけイって終わりかよ」
「あー。まあ、そう」
やっぱり俺のちんこは見えてたらしい。
中でイきたい俺は、基本的に自分ではちんこを触らない。有川は中でイかせてくれるし、井田だって無理そうな時は俺のちんこをしごきながらしてくれる。だけど宇山はどっちもしないから、ずっとじらされてるような生殺し状態にされるのが通常運転だ。つかこれ結構ひでえな。いつもはフォローする奴がいるから気にしたことなかったけど。
「じゃあ、俺のちんこ貸してやるから」
「……は?」
一口だけ口をつけたペットボトルを床に置いて、ブラックデニムとブリーフを太ももの真ん中まで下げた有川が、インナーのカットソーごと黒のロングシャツをめくり上げながらベッドの上にあおむけになる。
「ほら、お前もイきたいんだろ? 乗っていいよ」
いや、乗れと言われましても。
いつもへそまで反り返ってる有川のちんこは、なぜか股間で沈黙したままだ。それに、二人きりなのにお前呼びする有川に違和感しかない。いつもだったらこういうエロいことは名前を呼びながら耳元でささやくのに。
なに、この距離感。え、もしかして怒ってる? じゃなくて機嫌悪い?
「え、待てって。なに」
「わり。ちょっと疲れたから復活するまで勝手にやっといて?」
熱のない口調、勃ってないちんこ。いつもの有川と違いすぎて戸惑う。そもそも、うちの大学なんてここから徒歩でも行ける距離だぞ。クロスバイクで往復したくらいで有川の体力が尽きるわけないことくらい知ってる。
いや、つか学生証なくして慌てて戻った上に再発行で二千円も取られて、急いで帰ってきてみたら俺らは二人で気持ちよくなってましたとか、そりゃ有川でも怒るか。
言動には違和感しかないけど、なんとなく有川の不機嫌の原因に責任を感じる。さすがに俺のちんこもちょっと萎えかけてるけど、挿れるためにはとりあえず有川のちんこを勃たせないといけないわけで。
戸惑いながらも初めて有川のちんこに手に伸ばす。有川のが、というより自分以外のちんこを触るのなんて初めてで、今までいかに自分が受け身だったかに気が付いた。
汗をかいたのか全体がしっとりしてるそれを、両手でしごいて勃たせる。自分の手の中で簡単に硬くなるのを見て、もう充分勃ってるのに思わず先端に舌を這わせた。
「ちょ、七瀬……っ」
上半身を起こした有川に、肩を押されて引き離される。ちょっと焦ったようなとこを見せられると、なんとなく勝ったような気がして思わず顔が緩んだ。
「ちょっとだけ」
初めてだけど意外と平気だ。思ったほど匂いも味もしないし。
思い切って、両手で握ったちんこの先端を口に含む。できるだけ舌で包んでみるけど、口に入れると歯が当たりそうで怖い。ただでさえ有川のちんこは大きいのに反り返りすぎだ。
「これ、結構難しいな」
「……っ、そんなのもういいって」
「ん」
何の技術もなく舐めてるうちに、少しずれたゴムの中で萎えかけてた俺のちんこも痛いくらいに復活した。もう我慢できないし、そろそろいいだろ。だけど、ゴムを取りに行こうとベッドから足を下ろした途端、有川に腕をつかまれた。
「どこ行くんだよ」
「え、どこってお前のゴム……」
「そんなんいいから。早く乗って」
マジか。別に俺はいいけど。
生でなんて最初の時に有川とやったっきりだ。あの時はサイズが合うやつがなかったから仕方ないけど、今はほんの数歩先にあるのに着けないとか意味が分からない。けど、俺の身体は中途半端にじらされて放り出された状態だし、目の前には確実に俺を中イキさせてくれるちんこがある。
「……こっち見んなよ?」
「はいはい」
有川の腰骨の辺りにまたがってその腹に軽く片手をついてから、後ろ手に生ちんこをつかんで尻の穴にあてがう。そのまま目を閉じて力を抜き、尻をゆっくりと後ろに下げて有川の上に腰を落としていく。
う、わ。
初めての時はそんな余裕もなかったけど、意識してみたら尻の穴で有川のちんこの形がはっきりと分かる。そんな生の威力にぞくぞくと肌が泡立って、有川の態度がおかしいことなんか忘れてしまいそうになった。
「っ、……ん、ん」
入り口を有川のちんこの根元で拡げられながら、震える内ももを叱咤してもう一度腰を浮かせる。それから右手で自分のタマとちんこをすくい上げて、つながったとこをのぞき込みながら、いつもしてたアナニーと同じようにゆっくりと腰を上下に動かした。
……何だろ。何かが足りない。
俺の持ってるディルドに角度を自由に変えられるやつがあって、内緒だけど俺が一番好きだった角度は有川のちんこと似てる。それを床に吸盤で貼り付けてやってた時と同じようにしてるはずなのに、尻の中だっていっぱいに満たされてるはずなのに、……なんだか。
有川が何も言ってくれない。有川が俺に触ってくれない。
それだけで、手足の先から身体が冷えてくような感じがする。これじゃアナニーと変わんない。いや、つか俺らがしてるのはアナニーであって、元からセックスとかじゃなくて。だから別に何も言わなくてもいいし、触らなくてもいいはずで。
「……くそ、何だよ」
タマと一緒にすくい上げてたちんこは、右の手のひらの中で完全にうなだれてる。有川の上に座り込んだままそろそろと顔を上げると、黙って有川がこっちを見ていた。
「おまっ、見んなって言ったじゃん。何なんだよっ」
なんだか泣きたくなって、思わず有川の上に突っ伏してその肩口を拳でたたく。完全な八つ当たりだ。
「七瀬」
それまで俺の身体に触らなかった有川が、いつもの優しい手つきで俺の頭を撫でた。
「七瀬、アナニー気持ちよくなかった?」
俺の耳元で有川が優しくささやく。
あ、今わざと名前呼んだな。
こいつの中で何かのスイッチが入って機嫌が上向いたのは分かった。手のひらの上で転がされてるような気はしたけど、それでもなんだかすごく安心して、嬉しくて身体が震えた。
「おかえりー。お疲れー。有川もやるー?」
「おー」
二回戦目に入りそうだった宇山は意外とあっさり引いて、サイドワゴンから自分用のタオルを取り出して風呂場に向かった。俺は放ったらかされたままベッドの上でなんとか起き上がったけど、ゴムをかぶった状態でまだしっかり勃ってるちんこは有川からも丸見えのはずで。
うわ、何だこれ。気まずい。
多分かなり急いで帰ってきたんだろう。有川の前髪はちょっと分かれてて、珍しく額が見えてる。そんな有川との温度差に、まるでアナニーを目撃されたような気分になって落ち着かない。俺は床に落ちてた掛け布団を引っ張り上げて、肩にかけて前をかき合わせた。
いやいやいや、気にしすぎだろ俺。宇山どころか井田とやってるとこだって散々見せてるし、別に今さら慌てるようなことじゃないのに。むしろいつもはそれが興奮材料なのに。
冷蔵庫から出したペットボトルの茶を持って、前髪を直しながらベッドの端に座った有川が苦笑する。伸びてきた手が、何かを確認するみたいに俺の首の横を撫でた。多分、さっき宇山が吸い付いてた辺りだ。
「なに? あいつまた自分だけイって終わりかよ」
「あー。まあ、そう」
やっぱり俺のちんこは見えてたらしい。
中でイきたい俺は、基本的に自分ではちんこを触らない。有川は中でイかせてくれるし、井田だって無理そうな時は俺のちんこをしごきながらしてくれる。だけど宇山はどっちもしないから、ずっとじらされてるような生殺し状態にされるのが通常運転だ。つかこれ結構ひでえな。いつもはフォローする奴がいるから気にしたことなかったけど。
「じゃあ、俺のちんこ貸してやるから」
「……は?」
一口だけ口をつけたペットボトルを床に置いて、ブラックデニムとブリーフを太ももの真ん中まで下げた有川が、インナーのカットソーごと黒のロングシャツをめくり上げながらベッドの上にあおむけになる。
「ほら、お前もイきたいんだろ? 乗っていいよ」
いや、乗れと言われましても。
いつもへそまで反り返ってる有川のちんこは、なぜか股間で沈黙したままだ。それに、二人きりなのにお前呼びする有川に違和感しかない。いつもだったらこういうエロいことは名前を呼びながら耳元でささやくのに。
なに、この距離感。え、もしかして怒ってる? じゃなくて機嫌悪い?
「え、待てって。なに」
「わり。ちょっと疲れたから復活するまで勝手にやっといて?」
熱のない口調、勃ってないちんこ。いつもの有川と違いすぎて戸惑う。そもそも、うちの大学なんてここから徒歩でも行ける距離だぞ。クロスバイクで往復したくらいで有川の体力が尽きるわけないことくらい知ってる。
いや、つか学生証なくして慌てて戻った上に再発行で二千円も取られて、急いで帰ってきてみたら俺らは二人で気持ちよくなってましたとか、そりゃ有川でも怒るか。
言動には違和感しかないけど、なんとなく有川の不機嫌の原因に責任を感じる。さすがに俺のちんこもちょっと萎えかけてるけど、挿れるためにはとりあえず有川のちんこを勃たせないといけないわけで。
戸惑いながらも初めて有川のちんこに手に伸ばす。有川のが、というより自分以外のちんこを触るのなんて初めてで、今までいかに自分が受け身だったかに気が付いた。
汗をかいたのか全体がしっとりしてるそれを、両手でしごいて勃たせる。自分の手の中で簡単に硬くなるのを見て、もう充分勃ってるのに思わず先端に舌を這わせた。
「ちょ、七瀬……っ」
上半身を起こした有川に、肩を押されて引き離される。ちょっと焦ったようなとこを見せられると、なんとなく勝ったような気がして思わず顔が緩んだ。
「ちょっとだけ」
初めてだけど意外と平気だ。思ったほど匂いも味もしないし。
思い切って、両手で握ったちんこの先端を口に含む。できるだけ舌で包んでみるけど、口に入れると歯が当たりそうで怖い。ただでさえ有川のちんこは大きいのに反り返りすぎだ。
「これ、結構難しいな」
「……っ、そんなのもういいって」
「ん」
何の技術もなく舐めてるうちに、少しずれたゴムの中で萎えかけてた俺のちんこも痛いくらいに復活した。もう我慢できないし、そろそろいいだろ。だけど、ゴムを取りに行こうとベッドから足を下ろした途端、有川に腕をつかまれた。
「どこ行くんだよ」
「え、どこってお前のゴム……」
「そんなんいいから。早く乗って」
マジか。別に俺はいいけど。
生でなんて最初の時に有川とやったっきりだ。あの時はサイズが合うやつがなかったから仕方ないけど、今はほんの数歩先にあるのに着けないとか意味が分からない。けど、俺の身体は中途半端にじらされて放り出された状態だし、目の前には確実に俺を中イキさせてくれるちんこがある。
「……こっち見んなよ?」
「はいはい」
有川の腰骨の辺りにまたがってその腹に軽く片手をついてから、後ろ手に生ちんこをつかんで尻の穴にあてがう。そのまま目を閉じて力を抜き、尻をゆっくりと後ろに下げて有川の上に腰を落としていく。
う、わ。
初めての時はそんな余裕もなかったけど、意識してみたら尻の穴で有川のちんこの形がはっきりと分かる。そんな生の威力にぞくぞくと肌が泡立って、有川の態度がおかしいことなんか忘れてしまいそうになった。
「っ、……ん、ん」
入り口を有川のちんこの根元で拡げられながら、震える内ももを叱咤してもう一度腰を浮かせる。それから右手で自分のタマとちんこをすくい上げて、つながったとこをのぞき込みながら、いつもしてたアナニーと同じようにゆっくりと腰を上下に動かした。
……何だろ。何かが足りない。
俺の持ってるディルドに角度を自由に変えられるやつがあって、内緒だけど俺が一番好きだった角度は有川のちんこと似てる。それを床に吸盤で貼り付けてやってた時と同じようにしてるはずなのに、尻の中だっていっぱいに満たされてるはずなのに、……なんだか。
有川が何も言ってくれない。有川が俺に触ってくれない。
それだけで、手足の先から身体が冷えてくような感じがする。これじゃアナニーと変わんない。いや、つか俺らがしてるのはアナニーであって、元からセックスとかじゃなくて。だから別に何も言わなくてもいいし、触らなくてもいいはずで。
「……くそ、何だよ」
タマと一緒にすくい上げてたちんこは、右の手のひらの中で完全にうなだれてる。有川の上に座り込んだままそろそろと顔を上げると、黙って有川がこっちを見ていた。
「おまっ、見んなって言ったじゃん。何なんだよっ」
なんだか泣きたくなって、思わず有川の上に突っ伏してその肩口を拳でたたく。完全な八つ当たりだ。
「七瀬」
それまで俺の身体に触らなかった有川が、いつもの優しい手つきで俺の頭を撫でた。
「七瀬、アナニー気持ちよくなかった?」
俺の耳元で有川が優しくささやく。
あ、今わざと名前呼んだな。
こいつの中で何かのスイッチが入って機嫌が上向いたのは分かった。手のひらの上で転がされてるような気はしたけど、それでもなんだかすごく安心して、嬉しくて身体が震えた。
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