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村から首都までは4日掛かる。そして、その間までに礼儀作法を学んだ。


聖女が見つかったらまず、国王に謁見しなければならない決まりだそうで、粗相のないようにしなくてはならないからだ。

大神官は初対面の時とは全く違い、邪険にもされず、高貴な身分の人に接するように接しられた。

大神官の教えは分かりやすく、そして時に厳しいものだった。数時間前までは農家の娘として育ってきた訳だから、マナーのマの字もなく、タイムリミットは4日後。それは厳しくもなるだろう。

基本的な仕草は覚えたが、言葉遣いは難しく、予め大神官が決めた文をそのまま覚えて言う事になっり、なんとか本番を迎えた。

初めての首都はとても輝いていた。市場は賑わっており、人も村と比べ、たっくさん人がいた。



そして、王宮に着くと
「練習どうりにやっていきましょう!もし、間違えてしまわれても私達がサポート致しますので」

大神官は私にそう言い、他の大神官の元に行ってしまった。



国王の間に足を踏み入れこんだ。

瞼を開けると、視界に入ってきたのは神々しいほどの黄金に輝く部屋だった。それは王の間の名に相応しいほと豪華だった。

黄金の部屋の真ん中のは国王であった。

「お前がこの国の新しい聖女か。大いに期待しておるぞ」

「はっ、必ずやこの国のため、国民のため、最善を尽くしていきます」


大神官の言っていた通りに返事をし、なんとか受け答えをして王宮を後にした。


そのまま神殿に向かい、簡易的な水晶玉とは比べ物にならない大きさの水晶玉に手をかざすように言われた。


一同の注目が私に集まり、静かに見守られた。



私が水晶玉に手をかざすと水晶玉は眩しく光初め、まるで太陽のように直視することが出来ない眩しさになっていった。


「まっ、眩しい!!正しく聖女の力!」


手をかざすのを止めると光は徐々に失われていき、周りで見ていた新官や大神官は歓喜に包まれていた。


これでこの国は安泰だ。と



聖女かどうかの検査は終わり、私は正式に聖女になった。
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