幼馴染が大好きな婚約者とは婚約破棄しますっ！

1

私の婚約者は幼馴染の事をとっても大切にしています。

あちらから、約束して来たオペラをドタキャンした時なんて、

｢リリ！今、貴族の中で人気のオペラ歌手のチケットを入手したんだけど.....一緒に行かない？｣

｢オペラですか。えぇ、是非行きたいですわ！」

｢じゃあ、この日に迎えに来るから待っててね～！｣



しかし、オペラの日

｢お嬢様、そろそろ中に入って下さい。アベル様との約束の時刻から3時間経ってます」

｢マドレット！馬車が壊れたのかも知れないでしょう？私は待つわ｣

｢お嬢様.....オペラはもう始まります。お嬢様は今日のオペラ歌手のファンでしたよね？婚約者様は来ません。お1人で行かれては？｣

｢そうだけど......｣

｢お嬢様ーーー！！今、婚約者様から使いの者が来ました！婚約者様の幼馴染が倒れたそうで、3時間前に幼馴染の方に行ったと｣

｢それは本当なの？3時間前って、もっと使いを早く寄越せるでしょうにっ。1人でオペラに行くわ｣

｢馬車をすぐに用意します！｣

｢マドレットがお供しましょうか？それとも別の子を連れて行かれますか？｣

｢マドレットが良いわ。3時間、門の前で立ってたら疲れたわー｣

｢お嬢様ーーーー!!馬車の用意が整いました！｣

｢エスコートしましょうか？私は女ですが｣

｢えぇ、頼むわ！｣

この時あたりから、婚約者が幼馴染を優先するようになって行きました。