14 / 20
第1章:夏休み
第14話 悶々とした初夜。
しおりを挟む
さあて。芽衣の部屋は二階か?
俺は階段を上って、突き当たりのドアを開けた。カーテンが閉め切られた、薄暗い部屋の中には、ダブルベッドが一つ。兄貴と義姉さんの、元・愛の巣のようだった。よくよく見れば、その隣りに、ネームプレートが掲げられている。
いそいそと、ドアノブを回す。その部屋の中は、俺が想像していた女の子の部屋とは違い、意外と簡素なものだった。しかし、勉強机にランドセルが置かれているから、ここが芽衣の部屋で間違いないようだ。本棚には教科書のみが、窮屈そうに並べられている。
えーっと……着替えはどこだ? とりあえず、片っ端からクローゼットを開けていく。ハンガーにかけられた洋服は、ほんの数着しかなかった。女の子のことはわからないが、これって少ないほうではないか? そして見る限り、パジャマはリュックに入っている一着だけのようだ。
下着は……引き出しを俺は開ける。芽衣はこのキャラクターが本当に好きなようで、似たようなパンツが数列に亘って綺麗に並べられていた。俺が見たのも……いや。いままさに穿いているのも、このキャラクターのようだ。
しかし……女の子と一緒に寝るという非日常を味わって、多少興奮気味だった俺は、単に可愛いパンツだとしか思っていなかったが。よく考えてみると、可愛いには可愛いが、小学五年生が穿くには少し幼いような気もしないでもないな。
現時点で初潮を迎えているかどうかはわからないが、いまは大丈夫でも、そのうち生理だってくるだろうに。女の子の身体については詳しくないが、その準備は間に合っているのだろうね?
芽衣はしっかりしているが、いまの中身が俺じゃあなあ……おまけに、親が兄貴一人じゃあなあ……自分で言うのもなんだが、心配の種が尽きることはなさそうだ。
でもやっぱり。せっかく入れ替わったのだから、僅かな期間の少女にだけ許された、この美しい身体を余すことなく、十二分に楽しまなければ「損」というものだ。その手始めに、じっくり観察すべく、俺は手近の下着を一枚掴み取り、鼻息荒く風呂場へと向かう。
服を脱ぎ散らかし、乱雑に床へ放り投げた。洗面所の前で、俺は棒立ちになる。こんなにマジマジと凝視したのは初めてだ。セミロングの艶やかな黒髪に縁取られた端正な顔立ち。兄貴似の通った鼻筋に、義姉さん似のぷっくらとした唇。パッチリお目々と、鏡越しで視線を交わす。
ほんと、両親のいいとこ取りだけをしたような美少女の顔が、そこにはあった。そこから徐々に、俺は目線を下げていく。白く艶やかな盛り上がりに、ぽつんと浮かぶ黒い島が、妙に俺の男の部分を刺激する。へえー、芽衣って左胸に黒子あるんだー。
思わず腹の下へ手が伸ばす。無意識なので、それは男の性として許してほしいが、そこで俺の右手は虚しく空を切った。直接、下へ目を落とすと、谷間の向こうにあったのは一筋の川。そうだった、いまの俺に、ち○こはついていないんだ。
これから先、どうやって女性の身体で過ごしていけばいいのか、改めて実感すると不安感が募っていく。こんな綺麗な裸体を見せられて。いますぐ勃起したいのに。いますぐシコりたいのに。オナニーすることも、もう真面にできないではないか。
イチモツが存在しないなんて。じゃあ、どうやって、この気持ちを発散させればいいんだろう。俺は悶々としたままシャワーを浴び、身体に泡立てた石鹸を押し当てていく。女性のシンボルを避けるようにして、自分の身体を洗っていった。これ以上、芽衣に触れていたら、どうにかなってしまいそうだった。
風呂場を出てからも十分に気をつけながら、タオルで身体の水分をさっさと拭っていく。シャツを着た瞬間、予想だにせず「んんっ」と声が漏れてしまう。一瞬、俺の身になにが起こったのかわからず、その場で四つん這いになる。勃起した乳首がシャツに擦れて、それが思ったよりも強い刺激だったことに気づいた。
女の子の身体でも、性的な反応はするのか。じゃあ、クリトリスも……そう思って、もう一度だけ下へ手を伸ばした瞬間、兄貴の「芽衣ー? まだ上がらないのか?」という声が聞こえ、俺は我に返った。「もうすぐ」と返答し、このときばかりは煩わしいと思うような長い髪の毛を乾かしている間、俺の興奮もだんだんと治まっていく。
シャツやパンツをなにごともなく着て、俺は床へ散らばった洋服を頭からすっぽりと被った。リビングへ顔を出すと、テーブルの上にはいくつもの料理が、もうすでに並べられている。兄貴って、こんなの作れたんだ。俺は感心しつつ、着席する。
すると兄貴は「今日はそっちに座るのか」と不思議そうに呟いた。……え。いつも決まった場所があるのか。それを先に言えよ。まあ尤も、俺のことは芽衣だと思っているだろうから、本人に対して言わないだろうけど。
テレビの音がない、静かな夕食を摂る。食べ始めて間もなく、兄貴のほうから切り出した。
「親権は俺が持つことになった。親権、わかるよな? さっきも言ったけど、俺に親が務まるかわかんないし、女の子のことはわかんないから、もしなにかあったら教えてくれ。頑張って、いい父親になれるよう努力するから」
これで離婚調停も終わりか。このこと、あとで芽衣にLINEでもするかな。
「芽衣も寂しくなるかもしれない。パパだって新しい家族が欲しくなるかも……」どうした? もう再婚発言か?「でも……パパはママみたいに、いきなり別の人を連れてきたりはしない。絶対に。それは約束する」
ん? なんだか、雲行きが……。兄貴は、さらに続ける。
「だから。なにがあっても、芽衣のことが一番なんだってこと、わかっててほしい」
待て待て。別の人、とは? 離婚の原因って、教育虐待じゃないのか?
俺は階段を上って、突き当たりのドアを開けた。カーテンが閉め切られた、薄暗い部屋の中には、ダブルベッドが一つ。兄貴と義姉さんの、元・愛の巣のようだった。よくよく見れば、その隣りに、ネームプレートが掲げられている。
いそいそと、ドアノブを回す。その部屋の中は、俺が想像していた女の子の部屋とは違い、意外と簡素なものだった。しかし、勉強机にランドセルが置かれているから、ここが芽衣の部屋で間違いないようだ。本棚には教科書のみが、窮屈そうに並べられている。
えーっと……着替えはどこだ? とりあえず、片っ端からクローゼットを開けていく。ハンガーにかけられた洋服は、ほんの数着しかなかった。女の子のことはわからないが、これって少ないほうではないか? そして見る限り、パジャマはリュックに入っている一着だけのようだ。
下着は……引き出しを俺は開ける。芽衣はこのキャラクターが本当に好きなようで、似たようなパンツが数列に亘って綺麗に並べられていた。俺が見たのも……いや。いままさに穿いているのも、このキャラクターのようだ。
しかし……女の子と一緒に寝るという非日常を味わって、多少興奮気味だった俺は、単に可愛いパンツだとしか思っていなかったが。よく考えてみると、可愛いには可愛いが、小学五年生が穿くには少し幼いような気もしないでもないな。
現時点で初潮を迎えているかどうかはわからないが、いまは大丈夫でも、そのうち生理だってくるだろうに。女の子の身体については詳しくないが、その準備は間に合っているのだろうね?
芽衣はしっかりしているが、いまの中身が俺じゃあなあ……おまけに、親が兄貴一人じゃあなあ……自分で言うのもなんだが、心配の種が尽きることはなさそうだ。
でもやっぱり。せっかく入れ替わったのだから、僅かな期間の少女にだけ許された、この美しい身体を余すことなく、十二分に楽しまなければ「損」というものだ。その手始めに、じっくり観察すべく、俺は手近の下着を一枚掴み取り、鼻息荒く風呂場へと向かう。
服を脱ぎ散らかし、乱雑に床へ放り投げた。洗面所の前で、俺は棒立ちになる。こんなにマジマジと凝視したのは初めてだ。セミロングの艶やかな黒髪に縁取られた端正な顔立ち。兄貴似の通った鼻筋に、義姉さん似のぷっくらとした唇。パッチリお目々と、鏡越しで視線を交わす。
ほんと、両親のいいとこ取りだけをしたような美少女の顔が、そこにはあった。そこから徐々に、俺は目線を下げていく。白く艶やかな盛り上がりに、ぽつんと浮かぶ黒い島が、妙に俺の男の部分を刺激する。へえー、芽衣って左胸に黒子あるんだー。
思わず腹の下へ手が伸ばす。無意識なので、それは男の性として許してほしいが、そこで俺の右手は虚しく空を切った。直接、下へ目を落とすと、谷間の向こうにあったのは一筋の川。そうだった、いまの俺に、ち○こはついていないんだ。
これから先、どうやって女性の身体で過ごしていけばいいのか、改めて実感すると不安感が募っていく。こんな綺麗な裸体を見せられて。いますぐ勃起したいのに。いますぐシコりたいのに。オナニーすることも、もう真面にできないではないか。
イチモツが存在しないなんて。じゃあ、どうやって、この気持ちを発散させればいいんだろう。俺は悶々としたままシャワーを浴び、身体に泡立てた石鹸を押し当てていく。女性のシンボルを避けるようにして、自分の身体を洗っていった。これ以上、芽衣に触れていたら、どうにかなってしまいそうだった。
風呂場を出てからも十分に気をつけながら、タオルで身体の水分をさっさと拭っていく。シャツを着た瞬間、予想だにせず「んんっ」と声が漏れてしまう。一瞬、俺の身になにが起こったのかわからず、その場で四つん這いになる。勃起した乳首がシャツに擦れて、それが思ったよりも強い刺激だったことに気づいた。
女の子の身体でも、性的な反応はするのか。じゃあ、クリトリスも……そう思って、もう一度だけ下へ手を伸ばした瞬間、兄貴の「芽衣ー? まだ上がらないのか?」という声が聞こえ、俺は我に返った。「もうすぐ」と返答し、このときばかりは煩わしいと思うような長い髪の毛を乾かしている間、俺の興奮もだんだんと治まっていく。
シャツやパンツをなにごともなく着て、俺は床へ散らばった洋服を頭からすっぽりと被った。リビングへ顔を出すと、テーブルの上にはいくつもの料理が、もうすでに並べられている。兄貴って、こんなの作れたんだ。俺は感心しつつ、着席する。
すると兄貴は「今日はそっちに座るのか」と不思議そうに呟いた。……え。いつも決まった場所があるのか。それを先に言えよ。まあ尤も、俺のことは芽衣だと思っているだろうから、本人に対して言わないだろうけど。
テレビの音がない、静かな夕食を摂る。食べ始めて間もなく、兄貴のほうから切り出した。
「親権は俺が持つことになった。親権、わかるよな? さっきも言ったけど、俺に親が務まるかわかんないし、女の子のことはわかんないから、もしなにかあったら教えてくれ。頑張って、いい父親になれるよう努力するから」
これで離婚調停も終わりか。このこと、あとで芽衣にLINEでもするかな。
「芽衣も寂しくなるかもしれない。パパだって新しい家族が欲しくなるかも……」どうした? もう再婚発言か?「でも……パパはママみたいに、いきなり別の人を連れてきたりはしない。絶対に。それは約束する」
ん? なんだか、雲行きが……。兄貴は、さらに続ける。
「だから。なにがあっても、芽衣のことが一番なんだってこと、わかっててほしい」
待て待て。別の人、とは? 離婚の原因って、教育虐待じゃないのか?
0
お気に入りに追加
63
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)
幻田恋人
恋愛
夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。
でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。
親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。
童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。
許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…
僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる