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一章、終わりのはじまり編
2-4.
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私は覚えてる。
あの男に言われた言葉、屈辱的な仕打ち、汚い物を見るような目。
書庫に閉じ込められた時の絶望感。
特にアンが書庫に来るまでの最初の2年間は最も最悪で酷過ぎて死にかけた。
本だけしかない書庫を牢の代わりに当てがわれた私は、ベッドも布団も用意して貰えず硬い床で寝て過ごしていた。
書庫は日当たりも湿気でカビ臭い空間は埃だらけで掃除の仕方も解らない私は数日で喘息になった。
『ゲホッ、ゴホッ、誰か助け、ゲホッ。』
お風呂にも入れてもらえず、身体を清める物すら与えられない私の身体は常に埃と垢に塗れて酷い悪臭を放つ様になった。
城の使用人達は私の配膳をめんどくさがり3、4日は私の食事を忘れるのは当たり前だった。
食事が出たとしても少量の蒸した芋で空腹に堪える日々。
使用人達の機嫌が悪いと、カビたパンに皮すら剥いてない生の腐ったジャガイモが食事に出されて腹痛や吐き気を起こして動けなくなることもあった。
暖炉がない書庫は冬は極寒で重ね着したドレスで寒さを紛らわせ、生きている限り寒さにひたすら耐えるしかなかった。
『わたし、ここで死ぬのかしら・・・。』
喘息に腹痛に吐き気、不衛生な場所に不衛生な身体、病気で動けなくなるのも当たり前で死が頭を余儀った。
本棚と本棚の間の狭く汚い床でぐったりと動けない身体のまま、本棚にある本の背表紙の題名をただぼーっと見つめるだけの日々。
『わたし、いつ死ぬんだろ・・・。』
そんな死にかけで最悪の日々が2年も続いた時、城では王様が崩御したらしく、書庫のドア越しにバタバタと騒がしくなった。
城の中の出来事や国で起こった事件は稀にだけど、使用人達が書庫の近くを通った時の短い会話で大雑把な内容を知ることができた。
特に王様が崩御した時は使用人達は大声で噂をしていたから書庫の中で死にかけている私にもバッチリ聞こえた。
使用人達は普段は私への配膳の時とストレス発散に書庫の扉を蹴ったり私を罵倒する時にしか城の隅にある書庫までわざわざ来ないのだが、戴冠式が終わってしばらく日が経つと食事の時間以外に珍しく扉が開いた。
そこに立っていたのは侍女数人とメイド数人だった。
彼女達は床で死にかけて悪臭を放つ私の姿に顔を歪めた。
その中の1人である侍女が私が王妃になったことを告げた。
私が王妃となったことで私に専属メイドが付いたことを伝えに来たのだ。
その侍女はハッキリと言わなかったが、一応公爵令嬢の私は生きていないと困るらしく、今更ながら何もできない私の身の回りをするメイドが必要になったらしい。
そして1人のメイドを私に紹介した。
これがアンと私の出会い。
アンはすらっと背が高く長い黒髪と黒い瞳の中性的な美人だった。
そしてアンは口が聞けなかった。
話すことが出来ないから私なんかの世話を押し付けられたみたいだった。
アンのが専属メイドになってからは掃除やら何やらで甲斐甲斐しく世話をしてくれるので、体調がよくなり少しだけ書庫で過ごしやすくなった・・・。
一応王妃になったのにそれでも城での酷い扱いは変わりなく、アンのおかげで最低限のマシな暮らしを送れるようになった程度だった。
アンと仲良くなり、暇つぶしに書庫の本を読むようになった。
だけど、物語で現実逃避をしても現実の自分の惨めさを思い出しては落胆するようになってしまった。
『私は公爵令嬢。この国の王妃なのに。』
体調は良いのに長い間監禁され外に出れず、本しかない空間にずっといると何度も気が狂いそうになった。
書庫の薄暗い空間から明るく眩しい外に出たくて出たくて虚しくて苦しくて、本棚に何度も頭を打ちつける私をアンが涙を流しながら強く抱きしめて止めてくれた。
口が聞けないアンはしゃべれない代わりに行動全てで私を支え励ましてくれた。
抱きしめてくれるアンの温もりを感じながら私はよく泣き叫んだ。
『なんで私がこんなめに!!』
『私はただ幸せになりたかっただけなのに!!』
生まれた時からあの男の妻に相応しい王妃になる為に教育され、あの男に愛されようと必死だった。
なのにあの男、ルイス様は1度たりとも私に優しく接してくれることは無かった。
その結果が牢の代わりに書庫に押し込められてこんな扱いを受けるなんて。
『許さない許さない許さない許さない。』
『なんでなんでなんで。』
『なんで私がこんなめに。』
『誰か!誰か!ここから出して!』
ルイス様が1番許せないけど、誰も私を助けてくれないボアルネも許せない。
家族だと思っていたのに。
ルイス様とよく行動を共にしていた側近達も許せない。
側近達はルイス様に嫌われている私を陰で笑い、ルイス様を誰も諫めなかった。
私をお友達だと言って仲良くしていた子達もそう・・・、卒業パーティーで断罪されている私を笑って見ていた。
城の奴らは全員で私を書庫の幽霊王妃なんて呼んでバカにしている。
『許せない!皆大嫌いよッ!!』
思い出すと怒りで可笑しくなりそう・・・。
77歳のおばあちゃんだった時は長年の監禁生活で自由を諦めてしまった結果、晩年は性格が丸くなってアンと穏やかに過ごすようになっていた。
だけど2回目の人生で子どもに戻ってみると、本来の性悪な性格に戻ってしまったみたい。
なんだか怒りや憎しみの気持ちも若返ったように感じる。
だから私は4日後のパーティーでルイス様の姿を見た瞬間に何をするか解らない。
ルイス様の近くにナイフやフォークがあったら襲いかねない。
でも私もそこまでバカじゃない・・・と思う。
せっかく子どもの頃に人生が戻ったのに王族殺害の罪で処刑されたくない。
だけどまた婚約者にされてあの男が生活の中心になるのもイヤ!
あの男に邪険にされて嫌な気持ちになるのもイヤ!
私を家の為の道具として考えていないボアルネにいるのもイヤ!
「(1分1秒でもこんな所にいられないッ!・・・・・なら、いっそ逃げてみる?)」
「お嬢様?」
私は抱き着いている可愛いニイナを見つめた。
ニイナは15歳でもうすぐ10歳になる私とは5歳しか違わないのに、ボアルネという性悪貴族の屋敷でたくましく働いている。
そして平民の間では生活が苦しければ10歳にも満たない小さい子どもが働いていても珍しくはない。
1回目の人生では働くどころか、監禁前でさえ護衛の騎士を常に連れて外には1人で行ったことのない超世間知らずな私。
書庫にある本で得た使い処の分からな知識しか知らないけど、1人で生きて行く覚悟はある。
本の物語にあるような誘拐されて売られて奴隷や娼婦にされないように気を付けて生活すれば多分大丈夫だと思う!
多分!
大丈夫よ私!
普通の子どもよりは大人な目線でちゃんと生きていけると思うから!
「(そうと決まれば家出をするわよっ!)」
私はニイナの視線を感じながらベッドで寝ているフリをして頭の中で家出の計画を立て始めた。
next→ 3.失敗するとなんとなく予見はしていた
あの男に言われた言葉、屈辱的な仕打ち、汚い物を見るような目。
書庫に閉じ込められた時の絶望感。
特にアンが書庫に来るまでの最初の2年間は最も最悪で酷過ぎて死にかけた。
本だけしかない書庫を牢の代わりに当てがわれた私は、ベッドも布団も用意して貰えず硬い床で寝て過ごしていた。
書庫は日当たりも湿気でカビ臭い空間は埃だらけで掃除の仕方も解らない私は数日で喘息になった。
『ゲホッ、ゴホッ、誰か助け、ゲホッ。』
お風呂にも入れてもらえず、身体を清める物すら与えられない私の身体は常に埃と垢に塗れて酷い悪臭を放つ様になった。
城の使用人達は私の配膳をめんどくさがり3、4日は私の食事を忘れるのは当たり前だった。
食事が出たとしても少量の蒸した芋で空腹に堪える日々。
使用人達の機嫌が悪いと、カビたパンに皮すら剥いてない生の腐ったジャガイモが食事に出されて腹痛や吐き気を起こして動けなくなることもあった。
暖炉がない書庫は冬は極寒で重ね着したドレスで寒さを紛らわせ、生きている限り寒さにひたすら耐えるしかなかった。
『わたし、ここで死ぬのかしら・・・。』
喘息に腹痛に吐き気、不衛生な場所に不衛生な身体、病気で動けなくなるのも当たり前で死が頭を余儀った。
本棚と本棚の間の狭く汚い床でぐったりと動けない身体のまま、本棚にある本の背表紙の題名をただぼーっと見つめるだけの日々。
『わたし、いつ死ぬんだろ・・・。』
そんな死にかけで最悪の日々が2年も続いた時、城では王様が崩御したらしく、書庫のドア越しにバタバタと騒がしくなった。
城の中の出来事や国で起こった事件は稀にだけど、使用人達が書庫の近くを通った時の短い会話で大雑把な内容を知ることができた。
特に王様が崩御した時は使用人達は大声で噂をしていたから書庫の中で死にかけている私にもバッチリ聞こえた。
使用人達は普段は私への配膳の時とストレス発散に書庫の扉を蹴ったり私を罵倒する時にしか城の隅にある書庫までわざわざ来ないのだが、戴冠式が終わってしばらく日が経つと食事の時間以外に珍しく扉が開いた。
そこに立っていたのは侍女数人とメイド数人だった。
彼女達は床で死にかけて悪臭を放つ私の姿に顔を歪めた。
その中の1人である侍女が私が王妃になったことを告げた。
私が王妃となったことで私に専属メイドが付いたことを伝えに来たのだ。
その侍女はハッキリと言わなかったが、一応公爵令嬢の私は生きていないと困るらしく、今更ながら何もできない私の身の回りをするメイドが必要になったらしい。
そして1人のメイドを私に紹介した。
これがアンと私の出会い。
アンはすらっと背が高く長い黒髪と黒い瞳の中性的な美人だった。
そしてアンは口が聞けなかった。
話すことが出来ないから私なんかの世話を押し付けられたみたいだった。
アンのが専属メイドになってからは掃除やら何やらで甲斐甲斐しく世話をしてくれるので、体調がよくなり少しだけ書庫で過ごしやすくなった・・・。
一応王妃になったのにそれでも城での酷い扱いは変わりなく、アンのおかげで最低限のマシな暮らしを送れるようになった程度だった。
アンと仲良くなり、暇つぶしに書庫の本を読むようになった。
だけど、物語で現実逃避をしても現実の自分の惨めさを思い出しては落胆するようになってしまった。
『私は公爵令嬢。この国の王妃なのに。』
体調は良いのに長い間監禁され外に出れず、本しかない空間にずっといると何度も気が狂いそうになった。
書庫の薄暗い空間から明るく眩しい外に出たくて出たくて虚しくて苦しくて、本棚に何度も頭を打ちつける私をアンが涙を流しながら強く抱きしめて止めてくれた。
口が聞けないアンはしゃべれない代わりに行動全てで私を支え励ましてくれた。
抱きしめてくれるアンの温もりを感じながら私はよく泣き叫んだ。
『なんで私がこんなめに!!』
『私はただ幸せになりたかっただけなのに!!』
生まれた時からあの男の妻に相応しい王妃になる為に教育され、あの男に愛されようと必死だった。
なのにあの男、ルイス様は1度たりとも私に優しく接してくれることは無かった。
その結果が牢の代わりに書庫に押し込められてこんな扱いを受けるなんて。
『許さない許さない許さない許さない。』
『なんでなんでなんで。』
『なんで私がこんなめに。』
『誰か!誰か!ここから出して!』
ルイス様が1番許せないけど、誰も私を助けてくれないボアルネも許せない。
家族だと思っていたのに。
ルイス様とよく行動を共にしていた側近達も許せない。
側近達はルイス様に嫌われている私を陰で笑い、ルイス様を誰も諫めなかった。
私をお友達だと言って仲良くしていた子達もそう・・・、卒業パーティーで断罪されている私を笑って見ていた。
城の奴らは全員で私を書庫の幽霊王妃なんて呼んでバカにしている。
『許せない!皆大嫌いよッ!!』
思い出すと怒りで可笑しくなりそう・・・。
77歳のおばあちゃんだった時は長年の監禁生活で自由を諦めてしまった結果、晩年は性格が丸くなってアンと穏やかに過ごすようになっていた。
だけど2回目の人生で子どもに戻ってみると、本来の性悪な性格に戻ってしまったみたい。
なんだか怒りや憎しみの気持ちも若返ったように感じる。
だから私は4日後のパーティーでルイス様の姿を見た瞬間に何をするか解らない。
ルイス様の近くにナイフやフォークがあったら襲いかねない。
でも私もそこまでバカじゃない・・・と思う。
せっかく子どもの頃に人生が戻ったのに王族殺害の罪で処刑されたくない。
だけどまた婚約者にされてあの男が生活の中心になるのもイヤ!
あの男に邪険にされて嫌な気持ちになるのもイヤ!
私を家の為の道具として考えていないボアルネにいるのもイヤ!
「(1分1秒でもこんな所にいられないッ!・・・・・なら、いっそ逃げてみる?)」
「お嬢様?」
私は抱き着いている可愛いニイナを見つめた。
ニイナは15歳でもうすぐ10歳になる私とは5歳しか違わないのに、ボアルネという性悪貴族の屋敷でたくましく働いている。
そして平民の間では生活が苦しければ10歳にも満たない小さい子どもが働いていても珍しくはない。
1回目の人生では働くどころか、監禁前でさえ護衛の騎士を常に連れて外には1人で行ったことのない超世間知らずな私。
書庫にある本で得た使い処の分からな知識しか知らないけど、1人で生きて行く覚悟はある。
本の物語にあるような誘拐されて売られて奴隷や娼婦にされないように気を付けて生活すれば多分大丈夫だと思う!
多分!
大丈夫よ私!
普通の子どもよりは大人な目線でちゃんと生きていけると思うから!
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