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Episode
Episode︰2 ライラックとの出会い
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ただ、過ぎていくだけの毎日。
今日もいつものように仕事をして、ふと思い立って『miniature garden』へ行ってみた。ここは、私の幼馴染の両親が経営していた花屋だ。細い路地を通って来るので、訪れる人はあまりいない。今では、店に出す花を育てていた花畑だけを開いており、自由に出入りすることができた。
出入り口付近にはアーチがあり、それが見えた所で、倒れていた人を見つけた。驚いて、急いでその人の所まで行き、声をかけてみた。
「大丈夫ですか!?」
何度か声をかけると、ゆっくりと瞼を開き、身体を起こした。
その人は、長い黒髪に、左右薄桃色のメッシュが入っていた。正直、日本人に近いが、少し違う気がする。
「あなたは、ここで倒れていたんですよ。覚えていますか?」
「…?ここは、どこ、ですか?」
迷子になった人だったのだろうか?
そう思いながら、私は答えた。
「えっ?ここは『miniature garden』。私の知り合いが経営していた花屋です。」
「ミニチュア…ガーデン…?」
何か引っかかることがあったのだろうか?
「ところで、あなたの名前は?」
「私は…ライラック…」
ふと、小さな頃の思い出が蘇ってきた。
『はい!これあげる!』
『ありがとう!このお花はなあに?』
『このお花はね…君の名前と同じ、《ライラック》だよ!』
『私の名前は、------だよ?』
『名前が、近いからきっと、同じ!でね、------のママから教えてもらったんだけどね、この色のライラックは…』
(そうえいば、あの子の好きな花も、ライラックだったな…)
いろいろ驚くことも多かったが、まずは、私も自己紹介をしないと。
「私は、四葉。朝山四葉。よろしくね!」
ただ、過ぎていくだけの毎日が、変わる予感がした。
今日もいつものように仕事をして、ふと思い立って『miniature garden』へ行ってみた。ここは、私の幼馴染の両親が経営していた花屋だ。細い路地を通って来るので、訪れる人はあまりいない。今では、店に出す花を育てていた花畑だけを開いており、自由に出入りすることができた。
出入り口付近にはアーチがあり、それが見えた所で、倒れていた人を見つけた。驚いて、急いでその人の所まで行き、声をかけてみた。
「大丈夫ですか!?」
何度か声をかけると、ゆっくりと瞼を開き、身体を起こした。
その人は、長い黒髪に、左右薄桃色のメッシュが入っていた。正直、日本人に近いが、少し違う気がする。
「あなたは、ここで倒れていたんですよ。覚えていますか?」
「…?ここは、どこ、ですか?」
迷子になった人だったのだろうか?
そう思いながら、私は答えた。
「えっ?ここは『miniature garden』。私の知り合いが経営していた花屋です。」
「ミニチュア…ガーデン…?」
何か引っかかることがあったのだろうか?
「ところで、あなたの名前は?」
「私は…ライラック…」
ふと、小さな頃の思い出が蘇ってきた。
『はい!これあげる!』
『ありがとう!このお花はなあに?』
『このお花はね…君の名前と同じ、《ライラック》だよ!』
『私の名前は、------だよ?』
『名前が、近いからきっと、同じ!でね、------のママから教えてもらったんだけどね、この色のライラックは…』
(そうえいば、あの子の好きな花も、ライラックだったな…)
いろいろ驚くことも多かったが、まずは、私も自己紹介をしないと。
「私は、四葉。朝山四葉。よろしくね!」
ただ、過ぎていくだけの毎日が、変わる予感がした。
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