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少年陰陽士は追憶に秘する
白河尚継 3
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眠らない街なのだ、と大吉は思った。
夜を衝く摩天楼の光の中を、マセラティが駆ける。反対車線のヘッドライトが、すごい速さで流れていく。
「北海道ですでに連中と接触していたのですね。新田君はトラブルに事欠きませんね」
「好きで首を突っ込んでるみたいに言わないでくださいよ」
遊佐が、ステアリングを左右に切ってアクセルをべた踏みする。減速せず、コーナーで前の車を追い抜いた。マセラティの尻が少し振れ、後部座席に置かれた犬の外出用ケージが転げる。
「情報を提供するつもりでドライブに誘ったのに、かえって有益な話を貰ってしまいましたね。畿一法眼が、土地荒らしをする妖の集団に協力しているとは」
「遊佐さん、高校生の俺に敬語は使わなくていいですよ。その方が俺も話しやすい」
「そう? じゃあ、そうさせてもらうわ」
遊佐が耳におくれ毛を掛け直す仕草をした。
「それで、さっきの話は、ほんとうなんですか」
「ええ。連中が次に標的にしてるのは、銭豆川、あなたたちの町よ」
車内が、光に射抜かれた。後ろの車のハイビーム。勝負をふっかけてきているらしい。
「すでに連中の息がかかった何者かが、町に探りを入れているはずよ。これまでのやり口からしたら、ほぼ確実ね。それを炙り出せれば、相手に先手を取られずに済むわね」
遊佐がエンジンを吹かせて後続車のパッシングに応じ、カーレースをはじめる。口調は淡々としたままだ。
「なんで遊佐さんは、わざわざ俺にその話を?」
「うちのボスが先月から消息不明でね。手が空いてきたのよ」
「情報料なんて払えませんよ」
「これは仕事じゃなくて、投資のつもりだから」
「ただの高校生に、投資ですか。どんなリターンを想像してるんです」
「想像なんてしてないわ。でも、化けるかも、とは思ってる。きみ、似てるのよ。ウチのボスに」
顔も名前も知らない、傭兵団の団長に似ていると言われても、感想の抱きようもない。
「後ろの車、次のカーブで仕掛けてきそうですね」
「あら、よくわかったわね。車、乗るの?」
「免許もまだですよ。なんとなく、そんな感じがしただけです。後ろの、車種もわかりません」
エンブレムには見覚えがある。赤十字に緑の蛇。
「あれはアルファロメオ」
アルファロメオが、左側からつっかけてきた。
カーブ。ノーズをマセラティの前にねじ込み、尻を振って押し通ろうとする。奇しくも、先ほど遊佐がやったコーナーでの抜き方と一緒だ。それを見ていて、闘争心を燃やしてきたのかもしれない。
躱しても抜かれるだけだ。遊佐は接触するかしないか、ぎりぎりで競う。
カーブを抜けた。目の前を鈍重なトラックが塞いでいた。ステアリングを右に切る。アルファロメオが怯んでブレーキを踏んだ。
遊佐は涼しい顔のまま、アクセルを踏みっぱなしでアルファロメオを突き放す。
勝負は決した。
左折した。葉榁町方面の道に出る。ドライブはおしまいらしい。
「俺、車に少し興味出ましたよ」
「あら、なら免許取ったら一緒に走りましょうか」
「安全運転でよければ」
遊佐のように車を生き物ののように駆けさせられる自信はない。
車窓の外に、見慣れた町並みが戻ってくる。
葉榁町は、眠っている時間だった。
◆
銭豆神社へ向かう道中、大吉と行き会った。
「わ、大吉焼けたね」
「おう。昨日今日と、外にいたからな。そうだ、春香はこの辺で見慣れない妖に心当たりとかないか」
肌が浅黒く焼けた大吉に尋ねられる。
春香は、麦藁を編んでつくったキャップの鍔を少し持ち上げた。
「見慣れない妖?」
「いや、妖とは限らないのか。例えば天狗とか、とにかく見ない顔ならなんでもいい」
「どうしたの、またなにかあった?」
「ん、まぁ、ちょっとな」
「怪しい」
「今度話すよ。どこか行く途中だろ?」
「そうそう、今から尚継くんに会いに行ってくるよ」
「あぁ、その件か。改めて頼むな。本当なら俺が気にかけてやりたいんだが、例の監査官に俺と尚継が会っているのを知られると、まずいんでな」
「任せて。尚継くんは悪くないんだから、処罰なんてされたらかわいそうだもん」
大吉が頷く。
「どんな様子だったかは、今晩にでも電話するね」
「ああ」
「あ、この町で見慣れないといえば、その監査官がそうじゃない? あと確か、新しい人がアパートに引っ越してきたって、大吉、言ってなかったっけ?」
「そうだった。う~ん、でもなぁ。妖退治を生業にする協会の監査官はさすがにないよな。珠木さんはただの酔っ払いだし」
「違うの?」
「悪いな、半端な訊き方をした。気にしないでくれ」
大吉は曖昧に手を振って行ってしまった。
「危ないことしてないといいけど」
大吉は瑞希を助けるため、春香に黙って渦中に飛び込もうとした前科がある。
夜に電話した時に問い詰めよう、と春香は決めた。
銭豆神社に行くと、尚継は留守だった。
宮司のお父さんに行き先を教えてもらい、商店街に足を運ぶ。
「あ、いたいた。こんにちは、尚継くん」
「は、春香さん⁉︎ なんでこんなところに⁉︎」
古いおもちゃ屋の二階で、プラモデルを制作していた尚継が慌てて腰を上げる。
あちゃ、驚かせちゃったや。春香は笑顔で誤魔化す。
大吉に頼まれて来たと言ったら、いい気分はしないだろう。
「なに作ってたの? 船?」
「えっと、はい、戦艦です。大和っていうやつで」
「これがそうなんだ。名前は知ってるよ、有名だよね」
店内を見渡す。
どうやら二階では、店内で買ったプラモデルを組み立てられるようだ。折り畳み式のスチールテーブルには様々な道具が用意されている。
「私もなにか作ってみようかな。尚継くん、選んでくれる?」
春香は初心者向けだと勧められた車のプラモデルを買い、尚継の隣で箱を開ける。
「春香さんとプラモ作りなんて、これは夢? 俺は明日死ぬのか?」
「大袈裟だなぁ」
尚継が選んでくれたプラモデルは、確かに易しい作りだった。
それでも三十分ほどかけて完成させた後には、心地いい達成感があった。
「プラモ作りって面白いね。今度一人でもやってみようかな」
「春香さん手先器用だし、もう少し難易度高いのもいけそうですね。難しかったら手伝いますし」
「いいの?」
「はい! もちろんです!」
元気よく挙手する尚継。
店主のおじいさんに咳払いで注意される。
「変わりないみたいでよかった」
「え?」
「あ、」
つい口に出してしまった。
「……大吉のやつに頼まれたんですね」
尚継に察せられ、春香は苦笑いをこぼす。
「ったく、余計な気回しやがって。あ! 春香さんが会いに来てくれたのは、もちろんうれしいですよ⁉︎」
「ふふ、ありがとう。大吉の心配もわかってあげて」
「俺は瑞希を助けたくてやったんです。あいつは関係ないですよ」
片意地を張る尚継と、陰で気にかける大吉。
この二人は兄弟みたいだと、春香は常々思っていた。
「春香さん、この後ご予定は?」
「ん、特にないよ」
「良ければ、その、お茶でも行きませんか!」
「うん、いいよ」
「やった!」
店主に咳払いされてしまう。すみません、と二人で謝り、店内を出た。
「どこがいいかな。左門君のバイト先は、もうランチ営業終わっちゃってるか」
高校への通学路沿いにある、パリ・スタイルのカフェがいいかもしれない。
「ね、尚継君」
提案しようとして隣の尚継を覗き込む。
尚継は、緊張した面持ちで、商店街の入口を見つめていた。
雑踏を通り抜け近付いてくる、髪を七三にきっちりと分けたスーツの男。
「日限、さん」
「尚継くん、すこしお話いいかな?」
日限は、裏を感じさせる柔和な笑みを浮かべている。
幽奏会という術士協会からやってきた内部監査官が、尚継に手を差し出す。
鈴の形をした袖口のカフスボタンが、ちりん、と音を鳴らした。
夜を衝く摩天楼の光の中を、マセラティが駆ける。反対車線のヘッドライトが、すごい速さで流れていく。
「北海道ですでに連中と接触していたのですね。新田君はトラブルに事欠きませんね」
「好きで首を突っ込んでるみたいに言わないでくださいよ」
遊佐が、ステアリングを左右に切ってアクセルをべた踏みする。減速せず、コーナーで前の車を追い抜いた。マセラティの尻が少し振れ、後部座席に置かれた犬の外出用ケージが転げる。
「情報を提供するつもりでドライブに誘ったのに、かえって有益な話を貰ってしまいましたね。畿一法眼が、土地荒らしをする妖の集団に協力しているとは」
「遊佐さん、高校生の俺に敬語は使わなくていいですよ。その方が俺も話しやすい」
「そう? じゃあ、そうさせてもらうわ」
遊佐が耳におくれ毛を掛け直す仕草をした。
「それで、さっきの話は、ほんとうなんですか」
「ええ。連中が次に標的にしてるのは、銭豆川、あなたたちの町よ」
車内が、光に射抜かれた。後ろの車のハイビーム。勝負をふっかけてきているらしい。
「すでに連中の息がかかった何者かが、町に探りを入れているはずよ。これまでのやり口からしたら、ほぼ確実ね。それを炙り出せれば、相手に先手を取られずに済むわね」
遊佐がエンジンを吹かせて後続車のパッシングに応じ、カーレースをはじめる。口調は淡々としたままだ。
「なんで遊佐さんは、わざわざ俺にその話を?」
「うちのボスが先月から消息不明でね。手が空いてきたのよ」
「情報料なんて払えませんよ」
「これは仕事じゃなくて、投資のつもりだから」
「ただの高校生に、投資ですか。どんなリターンを想像してるんです」
「想像なんてしてないわ。でも、化けるかも、とは思ってる。きみ、似てるのよ。ウチのボスに」
顔も名前も知らない、傭兵団の団長に似ていると言われても、感想の抱きようもない。
「後ろの車、次のカーブで仕掛けてきそうですね」
「あら、よくわかったわね。車、乗るの?」
「免許もまだですよ。なんとなく、そんな感じがしただけです。後ろの、車種もわかりません」
エンブレムには見覚えがある。赤十字に緑の蛇。
「あれはアルファロメオ」
アルファロメオが、左側からつっかけてきた。
カーブ。ノーズをマセラティの前にねじ込み、尻を振って押し通ろうとする。奇しくも、先ほど遊佐がやったコーナーでの抜き方と一緒だ。それを見ていて、闘争心を燃やしてきたのかもしれない。
躱しても抜かれるだけだ。遊佐は接触するかしないか、ぎりぎりで競う。
カーブを抜けた。目の前を鈍重なトラックが塞いでいた。ステアリングを右に切る。アルファロメオが怯んでブレーキを踏んだ。
遊佐は涼しい顔のまま、アクセルを踏みっぱなしでアルファロメオを突き放す。
勝負は決した。
左折した。葉榁町方面の道に出る。ドライブはおしまいらしい。
「俺、車に少し興味出ましたよ」
「あら、なら免許取ったら一緒に走りましょうか」
「安全運転でよければ」
遊佐のように車を生き物ののように駆けさせられる自信はない。
車窓の外に、見慣れた町並みが戻ってくる。
葉榁町は、眠っている時間だった。
◆
銭豆神社へ向かう道中、大吉と行き会った。
「わ、大吉焼けたね」
「おう。昨日今日と、外にいたからな。そうだ、春香はこの辺で見慣れない妖に心当たりとかないか」
肌が浅黒く焼けた大吉に尋ねられる。
春香は、麦藁を編んでつくったキャップの鍔を少し持ち上げた。
「見慣れない妖?」
「いや、妖とは限らないのか。例えば天狗とか、とにかく見ない顔ならなんでもいい」
「どうしたの、またなにかあった?」
「ん、まぁ、ちょっとな」
「怪しい」
「今度話すよ。どこか行く途中だろ?」
「そうそう、今から尚継くんに会いに行ってくるよ」
「あぁ、その件か。改めて頼むな。本当なら俺が気にかけてやりたいんだが、例の監査官に俺と尚継が会っているのを知られると、まずいんでな」
「任せて。尚継くんは悪くないんだから、処罰なんてされたらかわいそうだもん」
大吉が頷く。
「どんな様子だったかは、今晩にでも電話するね」
「ああ」
「あ、この町で見慣れないといえば、その監査官がそうじゃない? あと確か、新しい人がアパートに引っ越してきたって、大吉、言ってなかったっけ?」
「そうだった。う~ん、でもなぁ。妖退治を生業にする協会の監査官はさすがにないよな。珠木さんはただの酔っ払いだし」
「違うの?」
「悪いな、半端な訊き方をした。気にしないでくれ」
大吉は曖昧に手を振って行ってしまった。
「危ないことしてないといいけど」
大吉は瑞希を助けるため、春香に黙って渦中に飛び込もうとした前科がある。
夜に電話した時に問い詰めよう、と春香は決めた。
銭豆神社に行くと、尚継は留守だった。
宮司のお父さんに行き先を教えてもらい、商店街に足を運ぶ。
「あ、いたいた。こんにちは、尚継くん」
「は、春香さん⁉︎ なんでこんなところに⁉︎」
古いおもちゃ屋の二階で、プラモデルを制作していた尚継が慌てて腰を上げる。
あちゃ、驚かせちゃったや。春香は笑顔で誤魔化す。
大吉に頼まれて来たと言ったら、いい気分はしないだろう。
「なに作ってたの? 船?」
「えっと、はい、戦艦です。大和っていうやつで」
「これがそうなんだ。名前は知ってるよ、有名だよね」
店内を見渡す。
どうやら二階では、店内で買ったプラモデルを組み立てられるようだ。折り畳み式のスチールテーブルには様々な道具が用意されている。
「私もなにか作ってみようかな。尚継くん、選んでくれる?」
春香は初心者向けだと勧められた車のプラモデルを買い、尚継の隣で箱を開ける。
「春香さんとプラモ作りなんて、これは夢? 俺は明日死ぬのか?」
「大袈裟だなぁ」
尚継が選んでくれたプラモデルは、確かに易しい作りだった。
それでも三十分ほどかけて完成させた後には、心地いい達成感があった。
「プラモ作りって面白いね。今度一人でもやってみようかな」
「春香さん手先器用だし、もう少し難易度高いのもいけそうですね。難しかったら手伝いますし」
「いいの?」
「はい! もちろんです!」
元気よく挙手する尚継。
店主のおじいさんに咳払いで注意される。
「変わりないみたいでよかった」
「え?」
「あ、」
つい口に出してしまった。
「……大吉のやつに頼まれたんですね」
尚継に察せられ、春香は苦笑いをこぼす。
「ったく、余計な気回しやがって。あ! 春香さんが会いに来てくれたのは、もちろんうれしいですよ⁉︎」
「ふふ、ありがとう。大吉の心配もわかってあげて」
「俺は瑞希を助けたくてやったんです。あいつは関係ないですよ」
片意地を張る尚継と、陰で気にかける大吉。
この二人は兄弟みたいだと、春香は常々思っていた。
「春香さん、この後ご予定は?」
「ん、特にないよ」
「良ければ、その、お茶でも行きませんか!」
「うん、いいよ」
「やった!」
店主に咳払いされてしまう。すみません、と二人で謝り、店内を出た。
「どこがいいかな。左門君のバイト先は、もうランチ営業終わっちゃってるか」
高校への通学路沿いにある、パリ・スタイルのカフェがいいかもしれない。
「ね、尚継君」
提案しようとして隣の尚継を覗き込む。
尚継は、緊張した面持ちで、商店街の入口を見つめていた。
雑踏を通り抜け近付いてくる、髪を七三にきっちりと分けたスーツの男。
「日限、さん」
「尚継くん、すこしお話いいかな?」
日限は、裏を感じさせる柔和な笑みを浮かべている。
幽奏会という術士協会からやってきた内部監査官が、尚継に手を差し出す。
鈴の形をした袖口のカフスボタンが、ちりん、と音を鳴らした。
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