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蝶は微酔に送る
吉良蝶々
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シティホテルの最上階にある個室からは、横浜港が一望できる。
羽子の位置からも、ライトアップされた大観覧車は見えた。
「ウチを去るか。ま、構わねえよ。お前には十分働いてもらった」
窓辺のテーブルセットで萬丈は酒を呑んでいる。ごついロックグラスで、パナマラムをストレートでやっていた。
さすがに、酒を飲むときまでウェットスーツは着ていない。
吉良蝶々が、その酒の相手をしていた。
「おつかれさん」
あまりのあっけなさに、羽子は拍子抜けした。
「なんだ、まだなにかあるのか」
仕事を失敗したうえ、傭兵団を辞めたいと申し出た。詰腹を切らされるではないが、なにかしら責めを負わされる覚悟をしてきた。
「そうか、退職金」
「いや、そんなつもりじゃ」
「遠慮すんな。ストライカーにもくれてやったんだ」
共に桑乃の仕事に当たったジャン・ストライカーも、退団を願い出ていた。
ストライカーに、どんな心境の変化があったのかはわからない。仕事の失敗を気にするようなタイプではなかったはずだ。
羽子も、桑乃での失敗で辞めようと考えたわけではなかった。
この業界ではイレギュラーなど日常茶飯事だ。生きていれば勝ちというのが、そんな世界に身を置く者の共通観念と言っていい。
「そうだ。あいつをやろう」
そう言って立ち上がった萬丈は、ベッドに無造作に置いてあったバイオリンケースを開ける。仕舞われていたのは楽器ではなかった。
「銘を夜刀という。業物だ」
放り投げられ、羽子は片手で受け取る。布袋から出してみる。
黒石目の鞘。刀匠鍔に平巻の柄。飾り気のない、無骨な刀が出てきた。
刀は遣わない。正直、扱いに困る。
「いらなきゃ金に換えろ。それか、誰かにくれてやれ」
なぜ団長は日本に来たのか。
気まぐれな人ではあるが、あまり理由がないことはしない。不可解な行動をするときは、大抵後になってその理由がわかったりする。
「じゃあ、まぁ。貰っときます」
萬丈は羽子に関心を示さず、酒に戻った。
部屋を出ようとした。
「羽子氏」
吉良蝶々に呼び止められた。だいぶ酒を過ごしているようだが、涼しい顔をしている。毒使いは、酔わないのかもしれない。
「お元気で」
それだけ言うと、蝶々は萬丈相手に話を再開する。羽子がここへ来る前から、独特な生態をもった昆虫について語っていたようだ。
特に相槌は打たないが、萬丈はその話を酒のつまみにしていた。つまらない話には、一秒だろうと耳を貸す男ではない。
羽子は部屋を後にした。
行く当てはなかった。
傭兵稼業を辞める。理由らしい理由はない。
大吉に敗けてから一日経ち、ふと闘いから距離を置いてみたくなった。
これまで、闘いと生きることは同義だったのだ。
「さて、どうするかね」
寝床もなければ金もない。手元に愛想のない刀が一振りあるだけだ。
ぶらぶらと歩いた。
葉榁町に流れ着いた。
空は白んでいる。
「腹、減ったな」
空腹を訴える腹に手を当て、立ち止まった。
「あれ、君は」
「ん?」
羽子は振り返った。
若い男がサンダルをつっかけ道端に出てきていた。髪には寝癖を残し、空の牛乳瓶が入ったクレートを抱えている。
「ひさしぶり」
「誰だお前」
「わ、忘れられてる」
男がガックリ肩を落とす。会ったことがあったか。
古臭い瓦屋根に寂れた煙突。
「あぁ、ここか」
桑乃の仕事の前に、立ち寄った湯屋だった。あのときは瓦湯の暖簾が入口に掛かっていた。
「名前、聞いたっけか」
「ううん。言ってない。俺、瓦秋久っていうんだ」
「秋久ね」
「君は?」
「名前はない。大抵は羽子と呼ばれるよ」
「羽子、ちゃん?」
「ちゃんはよせ」
秋久は、羽子の持つ刀の布袋をちらりと見た。
「どうしたの? こんな早朝に」
「別に。暇になったんで、歩いていただけだ」
「前に仕事がどうとかって」
「辞めた。辞めてから気づいたよ。オレには仕事以外にすることがなかったんだってな」
羽子の一党に闘うためだけにつくられ、育てられた。
「苦労してきたんだね。僕とそんなに歳も違わなそうなのに」
秋久は空き瓶のクレートを敷地の隅に置き、ポストの新聞を抜く。
「お前も仕事してるじゃないか」
「俺のは仕事っていうより、家の手伝いだから」
「ふうん」
暢気な雰囲気の男だった。それでつい話し過ぎた。もう行こう、と踵を返しかけたところで、また腹が鳴った。
「おなか空いてるの?」
「一昨日から食ってないんでな」
「えっ、なんで!?」
「金がないからだ」
「家は!?」
「それもない」
秋久が愕然とする。生きてきた世界が違うのは、羽子も理解している。
「じゃあな」
「ちょちょちょ、ちょっと待って」
秋久が腕を掴んでくる。
「どこ行くんだよ」
「だから、歩いてるだけだって言っただろ」
「帰る場所もないのに」
「関係ないだろう。鬱陶しいやつだな、放せ」
腹の虫も、いい加減煩わしくなってきた。
「朝飯」
秋久が言った。
「うち、これから朝飯なんだけど、食っていかない? あと、行くとこがないなら、うちで住み込みで働くとか、どうかな」
「はぁ? お前、正気か」
羽子は思わず素っ頓狂な声を上げ、秋久を凝視する。
秋久はばつが悪そうに唇を引き締める。
「や、うち、家族で風呂屋やってるんだけど、親父も母さんも歳だし、なにかと僕が働かされること多くてさ。大して儲かってないから、給料はまともに出せないかもだけど、寝る場所と飯なら都合できるし」
言い訳じみたことを秋久が捲し立てる。
大吉といい、この町にはお人好ししかいないのか。いや、あんな男、そうそう居てたまるか。
羽子がじっと見つめると、秋久は耳たぶを赤くし、顔を背けた。
「羽子、可愛いし。一緒に働いてくれたら、嬉しいな~って」
秋久は声をうわずらせ本音を漏らした。
「なんだ、ただの助平か」
「ごめんなさい!」
羽子の手首をぱっと手放し、斜角九十度で謝ってくる。
物好きな奴だ。
「物好きな奴だ」
「へ?」
思ったことがそのまま口に出ていた。この下心丸出しの男のせいだ。
「・・・・・・飯は美味いか?」
「え、あ、うん。うちのお袋、親父と結婚する前は食堂で働いてたから」
「そうか。なら、いいかもな」
今の自分には、なにもなかった。
それなら一からはじめてみるのも、ありなのかもしれない。
そんな考えが浮かぶのが、不思議だった。
大吉との闘いが、自分をどこか変えたのだろうか。そんな気もするし、なにも変わっていない気もする。
「いいの⁉︎ ほんとのほんとに⁉︎ うわ、どうしよ、うわうわうわ。ちょっと待ってて。親父たちに話を通してくるから!」
秋久は我が家に駆け戻っていった。
「見ず知らずの人間を、すんなり家に住まわせるとも思えないが。まぁ、だめで元々か」
牛乳屋のバイクが、空きビンを回収に来た。羽子は道の端、自販機の隣に移動する。
秋久が親を説明するのに、時間はかかるだろう。立って待つのもなんだと思い、しゃがんだ。
そこで、気付く。
「これじゃ、家出した不良娘だな」
自嘲して、立ち上がった。
「頼むよ親父~っ。僕も大吉みたいな薔薇色の青春が送りたいんだよう」
秋久の情けなく馬鹿々々しい懇願が、表まで聞こえてきた。
「なんだ、あいつの知り合いかよ。にしても、元気な奴だ」
お元気で。
去り際に言われた、吉良蝶々の短い別れの言葉が、ふいによみがえる。
毒を遣う、毒気の強い男だった。今にしてみると、らしくない台詞だと思う。
もしかすると、あれで毒遣いは酔っていたのかもしれない。
羽子の位置からも、ライトアップされた大観覧車は見えた。
「ウチを去るか。ま、構わねえよ。お前には十分働いてもらった」
窓辺のテーブルセットで萬丈は酒を呑んでいる。ごついロックグラスで、パナマラムをストレートでやっていた。
さすがに、酒を飲むときまでウェットスーツは着ていない。
吉良蝶々が、その酒の相手をしていた。
「おつかれさん」
あまりのあっけなさに、羽子は拍子抜けした。
「なんだ、まだなにかあるのか」
仕事を失敗したうえ、傭兵団を辞めたいと申し出た。詰腹を切らされるではないが、なにかしら責めを負わされる覚悟をしてきた。
「そうか、退職金」
「いや、そんなつもりじゃ」
「遠慮すんな。ストライカーにもくれてやったんだ」
共に桑乃の仕事に当たったジャン・ストライカーも、退団を願い出ていた。
ストライカーに、どんな心境の変化があったのかはわからない。仕事の失敗を気にするようなタイプではなかったはずだ。
羽子も、桑乃での失敗で辞めようと考えたわけではなかった。
この業界ではイレギュラーなど日常茶飯事だ。生きていれば勝ちというのが、そんな世界に身を置く者の共通観念と言っていい。
「そうだ。あいつをやろう」
そう言って立ち上がった萬丈は、ベッドに無造作に置いてあったバイオリンケースを開ける。仕舞われていたのは楽器ではなかった。
「銘を夜刀という。業物だ」
放り投げられ、羽子は片手で受け取る。布袋から出してみる。
黒石目の鞘。刀匠鍔に平巻の柄。飾り気のない、無骨な刀が出てきた。
刀は遣わない。正直、扱いに困る。
「いらなきゃ金に換えろ。それか、誰かにくれてやれ」
なぜ団長は日本に来たのか。
気まぐれな人ではあるが、あまり理由がないことはしない。不可解な行動をするときは、大抵後になってその理由がわかったりする。
「じゃあ、まぁ。貰っときます」
萬丈は羽子に関心を示さず、酒に戻った。
部屋を出ようとした。
「羽子氏」
吉良蝶々に呼び止められた。だいぶ酒を過ごしているようだが、涼しい顔をしている。毒使いは、酔わないのかもしれない。
「お元気で」
それだけ言うと、蝶々は萬丈相手に話を再開する。羽子がここへ来る前から、独特な生態をもった昆虫について語っていたようだ。
特に相槌は打たないが、萬丈はその話を酒のつまみにしていた。つまらない話には、一秒だろうと耳を貸す男ではない。
羽子は部屋を後にした。
行く当てはなかった。
傭兵稼業を辞める。理由らしい理由はない。
大吉に敗けてから一日経ち、ふと闘いから距離を置いてみたくなった。
これまで、闘いと生きることは同義だったのだ。
「さて、どうするかね」
寝床もなければ金もない。手元に愛想のない刀が一振りあるだけだ。
ぶらぶらと歩いた。
葉榁町に流れ着いた。
空は白んでいる。
「腹、減ったな」
空腹を訴える腹に手を当て、立ち止まった。
「あれ、君は」
「ん?」
羽子は振り返った。
若い男がサンダルをつっかけ道端に出てきていた。髪には寝癖を残し、空の牛乳瓶が入ったクレートを抱えている。
「ひさしぶり」
「誰だお前」
「わ、忘れられてる」
男がガックリ肩を落とす。会ったことがあったか。
古臭い瓦屋根に寂れた煙突。
「あぁ、ここか」
桑乃の仕事の前に、立ち寄った湯屋だった。あのときは瓦湯の暖簾が入口に掛かっていた。
「名前、聞いたっけか」
「ううん。言ってない。俺、瓦秋久っていうんだ」
「秋久ね」
「君は?」
「名前はない。大抵は羽子と呼ばれるよ」
「羽子、ちゃん?」
「ちゃんはよせ」
秋久は、羽子の持つ刀の布袋をちらりと見た。
「どうしたの? こんな早朝に」
「別に。暇になったんで、歩いていただけだ」
「前に仕事がどうとかって」
「辞めた。辞めてから気づいたよ。オレには仕事以外にすることがなかったんだってな」
羽子の一党に闘うためだけにつくられ、育てられた。
「苦労してきたんだね。僕とそんなに歳も違わなそうなのに」
秋久は空き瓶のクレートを敷地の隅に置き、ポストの新聞を抜く。
「お前も仕事してるじゃないか」
「俺のは仕事っていうより、家の手伝いだから」
「ふうん」
暢気な雰囲気の男だった。それでつい話し過ぎた。もう行こう、と踵を返しかけたところで、また腹が鳴った。
「おなか空いてるの?」
「一昨日から食ってないんでな」
「えっ、なんで!?」
「金がないからだ」
「家は!?」
「それもない」
秋久が愕然とする。生きてきた世界が違うのは、羽子も理解している。
「じゃあな」
「ちょちょちょ、ちょっと待って」
秋久が腕を掴んでくる。
「どこ行くんだよ」
「だから、歩いてるだけだって言っただろ」
「帰る場所もないのに」
「関係ないだろう。鬱陶しいやつだな、放せ」
腹の虫も、いい加減煩わしくなってきた。
「朝飯」
秋久が言った。
「うち、これから朝飯なんだけど、食っていかない? あと、行くとこがないなら、うちで住み込みで働くとか、どうかな」
「はぁ? お前、正気か」
羽子は思わず素っ頓狂な声を上げ、秋久を凝視する。
秋久はばつが悪そうに唇を引き締める。
「や、うち、家族で風呂屋やってるんだけど、親父も母さんも歳だし、なにかと僕が働かされること多くてさ。大して儲かってないから、給料はまともに出せないかもだけど、寝る場所と飯なら都合できるし」
言い訳じみたことを秋久が捲し立てる。
大吉といい、この町にはお人好ししかいないのか。いや、あんな男、そうそう居てたまるか。
羽子がじっと見つめると、秋久は耳たぶを赤くし、顔を背けた。
「羽子、可愛いし。一緒に働いてくれたら、嬉しいな~って」
秋久は声をうわずらせ本音を漏らした。
「なんだ、ただの助平か」
「ごめんなさい!」
羽子の手首をぱっと手放し、斜角九十度で謝ってくる。
物好きな奴だ。
「物好きな奴だ」
「へ?」
思ったことがそのまま口に出ていた。この下心丸出しの男のせいだ。
「・・・・・・飯は美味いか?」
「え、あ、うん。うちのお袋、親父と結婚する前は食堂で働いてたから」
「そうか。なら、いいかもな」
今の自分には、なにもなかった。
それなら一からはじめてみるのも、ありなのかもしれない。
そんな考えが浮かぶのが、不思議だった。
大吉との闘いが、自分をどこか変えたのだろうか。そんな気もするし、なにも変わっていない気もする。
「いいの⁉︎ ほんとのほんとに⁉︎ うわ、どうしよ、うわうわうわ。ちょっと待ってて。親父たちに話を通してくるから!」
秋久は我が家に駆け戻っていった。
「見ず知らずの人間を、すんなり家に住まわせるとも思えないが。まぁ、だめで元々か」
牛乳屋のバイクが、空きビンを回収に来た。羽子は道の端、自販機の隣に移動する。
秋久が親を説明するのに、時間はかかるだろう。立って待つのもなんだと思い、しゃがんだ。
そこで、気付く。
「これじゃ、家出した不良娘だな」
自嘲して、立ち上がった。
「頼むよ親父~っ。僕も大吉みたいな薔薇色の青春が送りたいんだよう」
秋久の情けなく馬鹿々々しい懇願が、表まで聞こえてきた。
「なんだ、あいつの知り合いかよ。にしても、元気な奴だ」
お元気で。
去り際に言われた、吉良蝶々の短い別れの言葉が、ふいによみがえる。
毒を遣う、毒気の強い男だった。今にしてみると、らしくない台詞だと思う。
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