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◆羽化したαは高嶺の花を抱く-1
しおりを挟む※【注】すみません(^_^;)。ここからはB Lではありませんが、お付き合い頂けると嬉しいです。
よろしければ、高校生のみーくんを応援してあげてください。
こちらの作品を第12回BL大賞に応募中です。表紙からあなた様の清き1票をポチッと投じてくださると嬉しゅうございますー。m(_ _)mペコリン
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卒業式を間近に控えた登校日、学校は久し振りに会った学友と話す生徒たちの声で、いつもより騒がしかった。
殆どの生徒が進路が決まっている中、まだ決まっていない者達には酷く居心地が悪い。春川 玲奈も、まだ結果が出ておらず、そちら側の例に漏れず、教室に入りずらかった。
「おはよう、春川さん。どうしたの? 入らないの? 」
「……っ?! 」
躊躇している玲奈の頭上から落ちてきた声に驚いて、ビクッと全身が揺れる。
「わっ、ごめん! 驚かせちゃった? 」
「嵐柴くん…… 」
驚いたのは、突然声を掛けられたからではない。高校の3年間、ずっとずっと好きだった人から声を掛けられたからだった。
嵐柴 海音ーーー。
初めて彼と出逢ったのは、高校の入学式だった。首席で入学した彼が壇上で新入生代表の挨拶をする姿を見た時、その堂々とした姿と声に心臓を撃ち抜かれた気がした。
だが、それは自分だけでは無かった。成績優秀、見目も良く、更にスポーツもできる。
バスケ部の練習試合に助っ人に出た時などは、体育館に人集りができるという人気振りだった。聞けば中学時代に主要メンバーとして、中体連で全国にも行っているという。元から一部の間では有名人だったのだ。
玲奈もこっそりと観にいったが、嵐柴がボールを持つ度に歓声が大きくなり、フェイドアウェイシュートを決めるとそれは何倍にも大きくなった。
サラサラとした黒髪が激しく揺れ、汗が散る。いっときも目を離すことなんてできない。チームは彼のお陰で圧勝だった。試合が終わった時、知らず知らずに泣けて、玲奈は不思議がる友達に「大丈夫だから 」としか、言えなかった。
全てを兼ね備えた彼の周りには、男女関係なく人の輪が絶えなかった。せっかく同じクラスになれたのに、内気な自分には話し掛ける勇気もない。
こっそり、姿を盗み見ることしかできない玲奈が嵐柴と話すことができたのは、入学してから半年が経った頃だった。
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