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4-5※
しおりを挟む宣言通り、真祝は、好きな男の掌で、指先で、何度も達かされた。
「あっ……、ね、ふみ……、お願……いだから……っ 」
それなのに、未だ二海人の手に掴まれた部分は、だらしなく蜜を溢しながら恥ずかしく反り返っている。
身体が燃えるように熱く、苦しい。 頭の中が朦朧として、思考がまともに働かない。
満たされない理由は分かっている、幾ら懇願しても、二海人がナカにくれないのだ。
表面ばかりの快感は中途半端で、火照りはちっとも収まらない。
「ふみ……と、ふみ…… 」
助けて欲しくて名前を呼べば、真祝を擦り上げながら、宥めるようにキスをし、舌を絡めてくる。
浅い呼吸を飲み込まれて、また頂点が近付いてくるのを感じた。
「やだ……っ、ど……して? 」
また、手だけで達かされそうになって、泣きそうになる。
すると、それを熱っぽく見下ろした二海人が、身体を下にずらして真祝の膝頭を掴み、大きく押し開いた。
二海人を欲してひくひくと震える場所が、本人の視線の下に曝されて、かぁっ……と一気に全身の体温が上がる。
「……参ったな、箍が外れそうだ 」
掠れた声は、熱を帯びている。
二海人の切羽詰まった息使いに、やっと、挿れて貰える……と思ったら、ずくんと下肢に熱が溜まった。
つつ……と奥に落としていく指先から、あまい熱が肌に広がっていく。
「はやく……っ、はやく、欲し……っ、んっ! 」
奥に辿り着いた指がずるりとナカに侵入してきて、真祝はぴんと伸びた足先でシーツを蹴った。
潤んだ入り口が、別の生き物のように、二海人の長く節の高い指を呑み込む。 ナカを掻き混ぜる指を味わうように締め付ければ、指が2本、3本と増やされ、慣らされてもいないのに真祝の後ろはその指をすんなりと受け入れた。
でも、足りない。全然、足りない。
しかし、身を捩って、ねだるように腰を擦り付けた時、二海人は真祝に信じられないことを告げた。
「……挿れねぇよ」
混濁する思考は、一瞬その言葉を理解出来なかった。
イレネェヨーーー。
頭の中で、言葉がゆっくりと形を作る。
「な、……んでぇ……? 」
こんなに欲しくて堪らないのに、二海人だってΩの熱にあてられて苦しい筈なのに。
この期に及んでこんなことを言う二海人が恨めしくなる。
「ぼ、僕、そんなに、魅力ない? フェロモン、出てても、二海人が、抱きたいって、思えない、くらい、……魅力、ない? 」
喉の奥が痛くて、涙ぐんだ声がぶつぶつと切れてしまう。
視界が滲んで二海人の顔がよく見えない。 目を凝らそうと思ったら、頬にぬくもりを感じた。
「……んな訳、あるか。お前のこと、可愛いと思わない奴なんていねぇよ 」
「じゃあ、そんなこと、言わないで……よ。 」
温かい手の平に、すりすりと頬を寄せる。
「言った、じゃん。何度でも、達かせてくれる……って。楽に、してくれるって……」
「駄目だ」
バッサリと切られて、ずっと我慢していた涙腺が一気に崩壊した。
自分の顔が普通よりも多少整っていることなんて、色んな人から言われるから分かってる。だけど、他の人がそう思っても二海人は思えないってことなんでしょう?
「あぁ、そんなに泣くな 」
困ったようにそう言うと、二海人が指先で宥めるように涙を拭う。
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