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3 調子に乗りすぎたのかもしれません
しおりを挟むはい、やらかしました。
今目の前にあるのは自分と比べると圧倒的にでかいムカデの死骸。
しかも頭に穴が開いている。
ええ、俺の仕業ですよ。
飛ぶのが楽しくて調子乗って魔力を込めすぎたら目の前にいたこのムカデをよけることができずに貫通したっていうね。
いやいや、俺も悪いけどなんでこんな威力出てるの?
俺、魔力持ってる以外は普通の石なんだけど。
ていうかなんでムカデがこんなに大きいの?
確かに今の今まで比較対象が居なかったせいで自分のサイズを確認できていなかったが、さすがにこれはないだろう。
このムカデが地球のと同じサイズだとしたら俺は直径五ミリくらいの石ころになるんですけど。
でも自分のサイズが普通の石ころくらいだと考えるとこのムカデの大きさは一メートルはあることになるな。
そんなん気持ち悪すぎる。
まあいっか。
他に比較対象がないのに考えたってしょうがないしな。
あ、あとムカデを倒したときに魔力が流れ込んできたんだけど他にも何かが流れ込んでくる感じがあったんだよね。
あれが経験値的な物なのかな。
魔力よりも濃くて多かった感じがあったんだよね。
他にも生物を見かけたら倒してみて検証しよう。
できれば虫系が良いな。
気持ち悪いけど殺すことに抵抗がないからな。
どうすることもできないのでムカデの死骸は放置して再度進み始めることにする。
●
少し進むと開けた場所に出た。
物凄く広い。
日本で言うと東京ドームよりも圧倒的に広い。
そして、この広い空間を埋め尽くすほどの沢山の魔物がいた。
地面に、壁に、天井に。
全ての場所に張り付いている。
それがこいつだ。
——————————————————
魔物:クロウドスパイダー
蜘蛛型の魔物。
基本的には群れで固まっているが、稀に群れから抜ける特殊個体もいる。
レベル:5
——————————————————
蜘蛛だよ。
しかもあり得ないほど多い。
こんなん生き物が入り込んだら一瞬で食われてしまうんじゃないだろうか。
俺は石だから大丈夫みたいだけど。
そしてその沢山の蜘蛛の中に一匹だけ巨大な蜘蛛がいる。
それがこいつだ。
——————————————————
個体名:なし
種族名:マザー・クロウドスパイダー
レベル:85
——————————————————
——————————————————
魔物:マザー・クロウドスパイダー
クロウドスパイダーの親。
無性生殖により子供を増やしている。
——————————————————
あ、ちなみに先程のムカデは鑑定するの忘れていたのを思い出し、鑑定してみたらレベルが見えるようになっていた。
——————————————————
個体名:川上和弘
種族名:フライストーン
レベル:5/30
スキル:魔力感知 魔力操作 浮遊 鑑定
——————————————————
もしかしてと思い自分を鑑定してみたらより詳しく見れるようになっていた。
蜘蛛たちより詳しく見れるのは自分自身のことだからなのだろうか。
まだ確認できないがスキルにもレベルとかがあるのかもしれない。
蜘蛛たちを倒すならこちらに気付いていない今がチャンスだが下手に攻撃するのも怖い。
いくら俺が石だからってあの蜘蛛たちの顎に噛まれ続けたら無事でいられる保証はない。
でも、先程のステータスでレベルが5/30となっていたので30になったらどうなるか確認したい。
おそらく進化するのだとは思うが。
ムカデを殺した時の威力で進めば一気に何十匹も殺せるだろう。
もし危うくなればムカデがいた道に戻れば良い。
と、言うことで。
ストーン行っきまーす!
浮遊を発動し魔力を出来るだけ沢山込める。
その瞬間俺はもう壁際にいた。
魔力を込める時間を一瞬したことで壁に勢いよくぶつかることは避けられた。
うおおおおおお。
凄く大量の魔力と経験値か流れこんでくる。
——————————————————
個体名:川上和弘
種族名:フライストーン
レベル:25/30
スキル:魔力感知 魔力操作 浮遊 鑑定
——————————————————
おお、蜘蛛を50匹ほど殺しただけでレベルが20も上がった。
楽勝だな。
この調子で30まで行くぞー!
そう意気込んで浮遊を発動しようとしたが何故か発動しなかった。
え?なんで?
わけも分からず周りを見渡すと、マザー・クロウドスパイダーがこちらをじっと見ているのに気づいた。
まさか気づかれたとかないよな。
でも明らかにこっち見てるし。
まじかよ、逃げようにも逃げれねえ。
絶体絶命だ。
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