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81.最終話
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ヴェルタ王国との戦いから一年が経った。
あの戦いのあと、ヴェルタ国王はサイオンの手で処刑され、半年前にサイオンが戴冠し、ヴェルタ国王となっていた。サイオンの願いで、ミアの産んだ双子の子供はそのままサイオンの子供とされ、ヴェルタ王国でトマスとともに育てられている。
サイオンは血の繋がらない子供達でも、目尻を下げて可愛がっていた。自分は子孫を残せないと思っていたので、可愛い子供が二人も出来て嬉しいそうだ。相変わらず妃は迎えるつもりがないそうで、サイオンの横にはいつもトマスがいる。
聖ロマニス帝国側では、デイリア伯の失脚により、デイリア領は帝国に剥奪され、ガートルート一家は今は刑の執行待ちである。
爆薬製造所をあらためて視察したジュエリアが、クジラの無惨な姿に心を痛め、また、爆薬が二度と戦争で利用されないために、各国に呼びかけ黒妖犬島を閉鎖させ、クジラ達に島と海域を返した。
罪人達はかつてのように各国の牢で管理し、マーレ族にはデイリア領を与えてもらえるよう皇帝に掛け合い、ヴェルタ王国との戦いの功績として見事マーレ族に領地を与える事を実現する。トマスの父がデイリア伯になる。
セルマ寡妃は精神を病んでいるとの事で、ソマの独房で一生を過ごす事になった。セルマ寡妃が爆薬を製造していた事、元公妃の立場で他国と結託して国家転覆を計ったこと、前フロリジア公毒殺疑惑、フロリジア公女ミアを死に至らしめた罪等々多くの件で、ソマ王国からは莫大な賠償がフロリジア公国に支払われ、それを資金に当てて国境の町を整備した。
ポーチュラカに整備された港は、マーレ族が湾岸警備隊として巡回しており、安全な商業航海ルートが確保された。国境に作られた軍事施設ではオーガストが司令官となり、戦争で明らかとなった警備隊の弱点を克服し、治安を維持している。
海も陸も安全が確保されたポーチュラカの町が商業特区となり、ジュエリアの狙い通り世界中の商人たちが関税のないポーチュラカに集まって取引や商売を始めるようになり、珍しい商品を求めた個人客もポーチュラカに沢山訪れるようになった。今では町が拡大されて、大きな都市になりつつあった。
ちなみにオーガストは仕事が終われば、愛妻アンヌの待つポーチュラカの家に帰り、毎晩美味しい食事に舌鼓している。
マルクスは皇帝の命で各国を見る旅に出た。聖ロマニス皇帝は、いずれマルクスに国を託すつもりだろうと、サイオンはみている。
フロリジア公国の首都ローゼンの貧困街は、行政区になっていた。国民の生活相談窓口や支援施設、児童養護施設などが次々と建てられ、名称もウェルフェア・ストリートと名付けられた。今では困ったらまずはウェルフェアストリートで相談だ、と言われており、国民のよりどころとなっている。
そして、ジュエリアは薔薇の日にローゼンの街を一人歩く。
供はいない。
フロリジア公国は経済も安定し始め、治安も良くなっている。
何より、国の人々にジュエリアが愛されており、街の人々皆がジュエリアの護衛のようなものだった。
「フロリジア公! コーヒーでもどうだい?」
「ありがとう。あとでいただきに行くわ」
「フロリジア公! パンをどうぞ持っていってください」
「ありがとう。行かなくてはならないところがあるから、帰りに寄らせてもらうわね」
「フロリジア公爵、ジュエリア様万歳!!」
「ジュエリア様に幸あれ!!」
ジュエリアは人々に手を振り、目的の場所へと向かう。歩く街の石畳には、薔薇はもう敷かれていない。
今日は薔薇の日だが、自分はもうこの日にこの祭りで誰かを探さなくても良くなった。探していた誰かが、誰だったのかを思い出し、そしてその彼は約束通り自分の元に戻ってきてくれたから。
今向かうのは聖ロマニスの大聖堂。
聖ロマニスの加護が本当にあるのかはわからないが、この国の統治者として、国を守る為に亡くなった人々に感謝と礼を伝え、国の神でありジュエリアの先祖である聖ロマニスにこの国の加護を祈りに訪れる。
朝のキラキラと七色に輝く光が、大聖堂のステンドグラスを通して差し込んでいる。
光で満たされた大聖堂内の長椅子に、ジュエリアは一人座り、熱心に祈りを捧げた。人々は薔薇の日を楽しんでいるため、今日は大聖堂に人がいない。
前方にある祭壇の背面には、荘厳なステンドグラスがあり、そこに描かれている絵は、聖ロマニスの姿。
(この国にこれからも聖ロマニスの加護を……)
ジュエリアは目を瞑り祈りを捧げていると、隣に誰かが座った気配がした。
目を開けて顔を隣に向ければ、キラキラとステンドグラスの光に照らされたシベリウスがこちらを見つめて微笑んでいた。
「聖ロマニスの加護を祈っていたの?」
ジュエリアは目をパチパチと瞬き、シベリウスを見つめる。
「あなただわ」
「え?」
「前にここで導きを求めて祈りを捧げていた時にも、シヴィは現れた」
「そうなの?」
「シヴィは聖ロマニスが私に施した加護だったのね」
「へえ……ここで祈ると効果があるんだ。じゃあ、出会った頃の様にジュエルから私に祈りが欲しいな」
シベリウスは悪戯な笑みを浮かべながら、自分の額を指差している。
「えー……仕方ないわねえ……」
ジュエリアは渋々立ち上がり、シベリウスの前に立つ。
「聖ロマニスの加護を……」
そう祈りを捧げ、シベリウスの額にキスを授けた。
「とても……神聖だ。ありがとう」
「どういたしまして」
「じゃあ、私からも……」
シベリウスは立ち上がり、ジュエリアを抱き寄せる。
「聖ロマニスの加護を。そして、私の愛を……」
そう言ってシベリウスはジュエリアの唇にキスをした。
不意打ちの額以外のキスに最初こそ驚いたが、シベリウスと触れている唇から、まるで本当に加護が注がれてくるような感覚に襲われた。
全身の血が巡り、心臓は熱く波打ち、指先までぽかぽかと温まる。彼の体温を感じ、深い愛に心は満たされ、どんな困難にだって今なら打ち勝てる気がする。
(そういえば、彼のキスはいつも私の傷を癒し、力を与えてくれた)
唇が離れると、シベリウスはジュエリアを抱き寄せたまま、愛おしそうに見つめる。ジュエリアもまた、シベリウスに微笑みながら愛おしさを滲ませ見つめる。
「薔薇の花束を買って城に帰ろう」
「花束なんていらないわ」
「え?」
「あなたがそばに居てくれれば、それでいい」
ーーENDーー
最後までお読みいただきありがとうございました。読者の皆様に心からの感謝を申し上げます。
あの戦いのあと、ヴェルタ国王はサイオンの手で処刑され、半年前にサイオンが戴冠し、ヴェルタ国王となっていた。サイオンの願いで、ミアの産んだ双子の子供はそのままサイオンの子供とされ、ヴェルタ王国でトマスとともに育てられている。
サイオンは血の繋がらない子供達でも、目尻を下げて可愛がっていた。自分は子孫を残せないと思っていたので、可愛い子供が二人も出来て嬉しいそうだ。相変わらず妃は迎えるつもりがないそうで、サイオンの横にはいつもトマスがいる。
聖ロマニス帝国側では、デイリア伯の失脚により、デイリア領は帝国に剥奪され、ガートルート一家は今は刑の執行待ちである。
爆薬製造所をあらためて視察したジュエリアが、クジラの無惨な姿に心を痛め、また、爆薬が二度と戦争で利用されないために、各国に呼びかけ黒妖犬島を閉鎖させ、クジラ達に島と海域を返した。
罪人達はかつてのように各国の牢で管理し、マーレ族にはデイリア領を与えてもらえるよう皇帝に掛け合い、ヴェルタ王国との戦いの功績として見事マーレ族に領地を与える事を実現する。トマスの父がデイリア伯になる。
セルマ寡妃は精神を病んでいるとの事で、ソマの独房で一生を過ごす事になった。セルマ寡妃が爆薬を製造していた事、元公妃の立場で他国と結託して国家転覆を計ったこと、前フロリジア公毒殺疑惑、フロリジア公女ミアを死に至らしめた罪等々多くの件で、ソマ王国からは莫大な賠償がフロリジア公国に支払われ、それを資金に当てて国境の町を整備した。
ポーチュラカに整備された港は、マーレ族が湾岸警備隊として巡回しており、安全な商業航海ルートが確保された。国境に作られた軍事施設ではオーガストが司令官となり、戦争で明らかとなった警備隊の弱点を克服し、治安を維持している。
海も陸も安全が確保されたポーチュラカの町が商業特区となり、ジュエリアの狙い通り世界中の商人たちが関税のないポーチュラカに集まって取引や商売を始めるようになり、珍しい商品を求めた個人客もポーチュラカに沢山訪れるようになった。今では町が拡大されて、大きな都市になりつつあった。
ちなみにオーガストは仕事が終われば、愛妻アンヌの待つポーチュラカの家に帰り、毎晩美味しい食事に舌鼓している。
マルクスは皇帝の命で各国を見る旅に出た。聖ロマニス皇帝は、いずれマルクスに国を託すつもりだろうと、サイオンはみている。
フロリジア公国の首都ローゼンの貧困街は、行政区になっていた。国民の生活相談窓口や支援施設、児童養護施設などが次々と建てられ、名称もウェルフェア・ストリートと名付けられた。今では困ったらまずはウェルフェアストリートで相談だ、と言われており、国民のよりどころとなっている。
そして、ジュエリアは薔薇の日にローゼンの街を一人歩く。
供はいない。
フロリジア公国は経済も安定し始め、治安も良くなっている。
何より、国の人々にジュエリアが愛されており、街の人々皆がジュエリアの護衛のようなものだった。
「フロリジア公! コーヒーでもどうだい?」
「ありがとう。あとでいただきに行くわ」
「フロリジア公! パンをどうぞ持っていってください」
「ありがとう。行かなくてはならないところがあるから、帰りに寄らせてもらうわね」
「フロリジア公爵、ジュエリア様万歳!!」
「ジュエリア様に幸あれ!!」
ジュエリアは人々に手を振り、目的の場所へと向かう。歩く街の石畳には、薔薇はもう敷かれていない。
今日は薔薇の日だが、自分はもうこの日にこの祭りで誰かを探さなくても良くなった。探していた誰かが、誰だったのかを思い出し、そしてその彼は約束通り自分の元に戻ってきてくれたから。
今向かうのは聖ロマニスの大聖堂。
聖ロマニスの加護が本当にあるのかはわからないが、この国の統治者として、国を守る為に亡くなった人々に感謝と礼を伝え、国の神でありジュエリアの先祖である聖ロマニスにこの国の加護を祈りに訪れる。
朝のキラキラと七色に輝く光が、大聖堂のステンドグラスを通して差し込んでいる。
光で満たされた大聖堂内の長椅子に、ジュエリアは一人座り、熱心に祈りを捧げた。人々は薔薇の日を楽しんでいるため、今日は大聖堂に人がいない。
前方にある祭壇の背面には、荘厳なステンドグラスがあり、そこに描かれている絵は、聖ロマニスの姿。
(この国にこれからも聖ロマニスの加護を……)
ジュエリアは目を瞑り祈りを捧げていると、隣に誰かが座った気配がした。
目を開けて顔を隣に向ければ、キラキラとステンドグラスの光に照らされたシベリウスがこちらを見つめて微笑んでいた。
「聖ロマニスの加護を祈っていたの?」
ジュエリアは目をパチパチと瞬き、シベリウスを見つめる。
「あなただわ」
「え?」
「前にここで導きを求めて祈りを捧げていた時にも、シヴィは現れた」
「そうなの?」
「シヴィは聖ロマニスが私に施した加護だったのね」
「へえ……ここで祈ると効果があるんだ。じゃあ、出会った頃の様にジュエルから私に祈りが欲しいな」
シベリウスは悪戯な笑みを浮かべながら、自分の額を指差している。
「えー……仕方ないわねえ……」
ジュエリアは渋々立ち上がり、シベリウスの前に立つ。
「聖ロマニスの加護を……」
そう祈りを捧げ、シベリウスの額にキスを授けた。
「とても……神聖だ。ありがとう」
「どういたしまして」
「じゃあ、私からも……」
シベリウスは立ち上がり、ジュエリアを抱き寄せる。
「聖ロマニスの加護を。そして、私の愛を……」
そう言ってシベリウスはジュエリアの唇にキスをした。
不意打ちの額以外のキスに最初こそ驚いたが、シベリウスと触れている唇から、まるで本当に加護が注がれてくるような感覚に襲われた。
全身の血が巡り、心臓は熱く波打ち、指先までぽかぽかと温まる。彼の体温を感じ、深い愛に心は満たされ、どんな困難にだって今なら打ち勝てる気がする。
(そういえば、彼のキスはいつも私の傷を癒し、力を与えてくれた)
唇が離れると、シベリウスはジュエリアを抱き寄せたまま、愛おしそうに見つめる。ジュエリアもまた、シベリウスに微笑みながら愛おしさを滲ませ見つめる。
「薔薇の花束を買って城に帰ろう」
「花束なんていらないわ」
「え?」
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