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26. なぜ脱ぐ?
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館でジュエリアがサイオン達と話している頃、ジュエリアの侍女のアンヌは街で買い出しをしていた。両手には薔薇の花束や、紙袋一杯に詰められた甘い菓子やアロマオイルなど、ほとんどがシベリウスに頼まれた品々を抱え、館に戻っていた。アンヌはジュエリアの侍女ではあるが、これらは全てジュエリアのためのものであり、アンヌはシベリウスの恋を応援しているので、結果シベリウスの必要な物でもアンヌが買いに行った。
「ジュエリアばかり……」
アンヌはジュエリアの名を呟く声が聞こえた気がして、歩みを止めた。きょろきょろと辺りを見回せば、若い女性が館を見つめて立っていた。女性は建物の陰に隠れるように立っているので、アンヌの位置からだと彼女の表情をしっかりと確認できず、アンヌはその女性に気づかれないようにして近づいて顔を確認する。
女性の表情は恨みがましく、アンヌはゾッとした。
これはしっかりと見ておかねばと思い、様子を伺いつつ耳をそばだてた。
「お姉さまばかり幸せだなんて許せない……地獄の底まで突き落としてやる」
アンヌはその女がミア公女だと確信した。
館の前に馬車が停まると、館の中からサイオンとシベリウスが会話をしながら出て来た。
「シベリウス! ああ~……」
ミアのその色めく声色に、アンヌは彼女のシベリウスに対する気持ちも知った。ミアの様子を注視していると、彼女の表情が曇り始め、身の毛もよだつ怨色を表わす。
アンヌが彼女の視線の先を見れば、いつの間にかジュエリアも館から出て来ており、シベリウスが彼女の腰に手を回して、和やかな雰囲気の中サイオンを見送っている最中だった。
「何なの……シベリウスに腰に手を当てられて喜んで……サイオン卿にまでヘラヘラと……」
サイオンの馬車が走り出すと、後を追うかのようにミアもどこかに消えて行った。
アンヌは急いで館に戻り、ジュエリアに聞かれぬよう、シベリウスに報告をした。
♢
夜、ベッドに入ったジュエリアは眠れずにいた。身体を横に向け、窓から見える空を眺める。
カチャっと扉が開く音がして、ギュッと目を瞑った。シベリウスが一日の仕事を終えて戻って来たのだろう。
足音はまっすぐにベッドに向かって来て、彼が眠るはずのベッドの右側で止まらず、そのままジュエリアの眠る左側にまわってきた。
「起きてますよね?」
ジュエリアがゆっくり目を開くと、目の前にはベッドの横でしゃがみ込んで自分を見つめるシベリウスの顔があった。
「ちょ……ちょっと、何で人の顔見てるのよ」
「起きてる気配がしたので」
「もう寝るわよ。おやすみっ」
ジュエリアはくるんっと反対側に背中を向ければ、背中に昼間と同じ温かい手のひらの温もりが伝わった。シベリウスが優しくいたわる様に背中に手を添えている。
「眠れないんじゃないですか?」
いつもなら突っぱねるが、この手の温もりと優しい声に、今日はとても弱い。
ジュエリアは再度シベリウスの方へ身体を向けた。
「ええ、眠れない……。城にいるミアが心配で……」
シベリウスは、ジュエリアには気づかれないくらい静かに深く呼吸をする。
アンヌの報告は自分しか聞いていない。もちろん、ジュエリアには言うつもりもない。
「ジュエル、手を貸してください」
「手?」
ジュエリアは言われた通りに片手を差し出す。
シベリウスはナイトローブのポケットから小瓶を取り出し、中からとろみのある液体を一滴ぽたりとジュエリアの手の甲に落とした。
そしてその手を両手で優しく包んで、オイルを伸ばす様にゆっくりと丁寧にマッサージをしていく。
手の甲や腕、手のひらと、じんわりと温まっていき、体温で温められたオイルからは優しい花の香りが広がる。その香りに心が和み、シベリウスの手のひらの温度に気持ちも落ち着き、暖かくなった。そして何よりも、彼の自分へ向けてくれる優しさが、指を通して伝わってきて嬉しかった。
「ミアは、サイオン卿がいるのでまだ安心だと思います。サイオン卿はミアを守るためにセルマ寡妃のいる城で暮らされていますし」
「そうなの?」
「結婚まで進まない様に、今まではフロリジア公国に近づかず、のらりくらりと逃げていたそうですが、前フロリジア公が亡くなる二週間前にヴェルタ国王からの強い命令で結婚を進めざるを得なくなり、とうとうこちらに来たそうです。だけど、タイミングを計るようにフロリジア公が亡くなっていて、ミアが危ないかもしれないと咄嗟に思ったそうです。ミアに特別な感情はないそうですが、年齢的に娘みたいな年のミアを目の前にして、自分だけ逃げるわけにも行かなくなったとぼやいていました。本当に優しい人なのだと思います」
「トマスも言っていたわ。サイオン卿は優しいと。その優しさに彼も救われたそうよ」
シベリウスは急に膨れっ面に変わった。
「ジュエルの口からあの侍従の話は聞きたくないですね」
「私達は何もないって言ってるじゃない。そもそも何でシベリウスはそんなに私が好きだと言うのよ? こんな私に一目惚れなわけないでしょ? 私の何に惚れたのよ」
「何を言ってるんですか? ジュエルは一目惚れするほど、美しく輝いていますよ?」
「そうやって誤魔化さないで、今日こそ本当のことを言いなさい。シベリウスの魂胆は何? 何を隠してるの?」
「ここまで隠さず心のままにジュエルが好きだと言っているのに? 逆にどうしたらジュエルに伝わるのでしょうか」
シベリウスは立ち上がり、着ていたナイトローブをはらりと脱ぎ捨てた。
「え゛っ……何する気?」
「寝ます」
シベリウスは仏頂面でベッドをぐるりと回り、ジュエリアの反対側に移動してベッドに横になる。
ジュエリアは自分に背中を向けて横たわるシベリウスを見ると、やはり背中も傷だらけであった。
「ねえ、シベリウスは上半身裸じゃないと寝れないの?」
「いえ、服を着てても寝れますよ」
「じゃあなんで毎日脱ぐのよ」
「ジュエルに見せる為って言ってますよね?」
「ええ、まあ、ご立派な肉体美ですこと」
シベリウスはガバッと起き上がり、ジュエリアに身体を見せた。
「しっかり見てください」
ジュエリアはシベリウスは変態なのではないかと常々思っている。
「ええ、見てます。筋肉が凄いですね。これでいい?」
シベリウスは大きな溜息をついた。
そしてジュエリアの手を取り、自分の脇腹の古傷に触れさせる。
「身体の傷を見て欲しかったんです。この身体を見れば、きっとジュエルは私を思い出してくれると期待したんです」
「え?」
ジュエリアはシベリウスの身体をまじまじと見るが、何もわからない。思い出すといっても、どの記憶を掘り起こすのかさえわからないくらい、彼の身体の傷に検討もつかない。
「もちろんすべての傷がジュエルが知っているものではないです。殆どは、稽古や任務や折檻でついた傷です。でも、それらも含めて見せたかった。ジュエルを想えば耐えられたものばかりだから」
ジュエリアは触れている彼の脇腹の古傷を指でなぞる。
「ごめんなさい……何もわからないわ……」
そう言って手を離した。
シベリウスは悲し気な憂い顔を見せる。
「そうですよね……」
シベリウスはジュエリアの頭を優しく撫で、額にキスをした。
「おやすみなさい、ジュエル。良い夢を」
そう言ってシベリウスは背を向けてしまった。
ジュエリアは彼の気持ちを汲めず申し訳なくなる。最後の彼の表情も胸を締め付けた。
ジュエリアは手を伸ばし、昼間シベリウスがしてくれたように、彼の背中を優しくさすった。
シベリウスはゆっくりと身体をジュエリアに向ける。
「私は、いつだってあなたに心の内を見せている。ジュエルが好きだと。隠しているのはジュエルですよね?」
「え?」
シベリウスの心を見透かすような視線に、ジュエリアはドキリとした。
「おやすみなさい、僕の宝石」
シベリウスはまた背を向けて寝てしまった。
ジュエリアは無意識に先程までシベリウスがマッサージをしてくれていた自分の手をさすり、寂しさを感じていた。
「ジュエリアばかり……」
アンヌはジュエリアの名を呟く声が聞こえた気がして、歩みを止めた。きょろきょろと辺りを見回せば、若い女性が館を見つめて立っていた。女性は建物の陰に隠れるように立っているので、アンヌの位置からだと彼女の表情をしっかりと確認できず、アンヌはその女性に気づかれないようにして近づいて顔を確認する。
女性の表情は恨みがましく、アンヌはゾッとした。
これはしっかりと見ておかねばと思い、様子を伺いつつ耳をそばだてた。
「お姉さまばかり幸せだなんて許せない……地獄の底まで突き落としてやる」
アンヌはその女がミア公女だと確信した。
館の前に馬車が停まると、館の中からサイオンとシベリウスが会話をしながら出て来た。
「シベリウス! ああ~……」
ミアのその色めく声色に、アンヌは彼女のシベリウスに対する気持ちも知った。ミアの様子を注視していると、彼女の表情が曇り始め、身の毛もよだつ怨色を表わす。
アンヌが彼女の視線の先を見れば、いつの間にかジュエリアも館から出て来ており、シベリウスが彼女の腰に手を回して、和やかな雰囲気の中サイオンを見送っている最中だった。
「何なの……シベリウスに腰に手を当てられて喜んで……サイオン卿にまでヘラヘラと……」
サイオンの馬車が走り出すと、後を追うかのようにミアもどこかに消えて行った。
アンヌは急いで館に戻り、ジュエリアに聞かれぬよう、シベリウスに報告をした。
♢
夜、ベッドに入ったジュエリアは眠れずにいた。身体を横に向け、窓から見える空を眺める。
カチャっと扉が開く音がして、ギュッと目を瞑った。シベリウスが一日の仕事を終えて戻って来たのだろう。
足音はまっすぐにベッドに向かって来て、彼が眠るはずのベッドの右側で止まらず、そのままジュエリアの眠る左側にまわってきた。
「起きてますよね?」
ジュエリアがゆっくり目を開くと、目の前にはベッドの横でしゃがみ込んで自分を見つめるシベリウスの顔があった。
「ちょ……ちょっと、何で人の顔見てるのよ」
「起きてる気配がしたので」
「もう寝るわよ。おやすみっ」
ジュエリアはくるんっと反対側に背中を向ければ、背中に昼間と同じ温かい手のひらの温もりが伝わった。シベリウスが優しくいたわる様に背中に手を添えている。
「眠れないんじゃないですか?」
いつもなら突っぱねるが、この手の温もりと優しい声に、今日はとても弱い。
ジュエリアは再度シベリウスの方へ身体を向けた。
「ええ、眠れない……。城にいるミアが心配で……」
シベリウスは、ジュエリアには気づかれないくらい静かに深く呼吸をする。
アンヌの報告は自分しか聞いていない。もちろん、ジュエリアには言うつもりもない。
「ジュエル、手を貸してください」
「手?」
ジュエリアは言われた通りに片手を差し出す。
シベリウスはナイトローブのポケットから小瓶を取り出し、中からとろみのある液体を一滴ぽたりとジュエリアの手の甲に落とした。
そしてその手を両手で優しく包んで、オイルを伸ばす様にゆっくりと丁寧にマッサージをしていく。
手の甲や腕、手のひらと、じんわりと温まっていき、体温で温められたオイルからは優しい花の香りが広がる。その香りに心が和み、シベリウスの手のひらの温度に気持ちも落ち着き、暖かくなった。そして何よりも、彼の自分へ向けてくれる優しさが、指を通して伝わってきて嬉しかった。
「ミアは、サイオン卿がいるのでまだ安心だと思います。サイオン卿はミアを守るためにセルマ寡妃のいる城で暮らされていますし」
「そうなの?」
「結婚まで進まない様に、今まではフロリジア公国に近づかず、のらりくらりと逃げていたそうですが、前フロリジア公が亡くなる二週間前にヴェルタ国王からの強い命令で結婚を進めざるを得なくなり、とうとうこちらに来たそうです。だけど、タイミングを計るようにフロリジア公が亡くなっていて、ミアが危ないかもしれないと咄嗟に思ったそうです。ミアに特別な感情はないそうですが、年齢的に娘みたいな年のミアを目の前にして、自分だけ逃げるわけにも行かなくなったとぼやいていました。本当に優しい人なのだと思います」
「トマスも言っていたわ。サイオン卿は優しいと。その優しさに彼も救われたそうよ」
シベリウスは急に膨れっ面に変わった。
「ジュエルの口からあの侍従の話は聞きたくないですね」
「私達は何もないって言ってるじゃない。そもそも何でシベリウスはそんなに私が好きだと言うのよ? こんな私に一目惚れなわけないでしょ? 私の何に惚れたのよ」
「何を言ってるんですか? ジュエルは一目惚れするほど、美しく輝いていますよ?」
「そうやって誤魔化さないで、今日こそ本当のことを言いなさい。シベリウスの魂胆は何? 何を隠してるの?」
「ここまで隠さず心のままにジュエルが好きだと言っているのに? 逆にどうしたらジュエルに伝わるのでしょうか」
シベリウスは立ち上がり、着ていたナイトローブをはらりと脱ぎ捨てた。
「え゛っ……何する気?」
「寝ます」
シベリウスは仏頂面でベッドをぐるりと回り、ジュエリアの反対側に移動してベッドに横になる。
ジュエリアは自分に背中を向けて横たわるシベリウスを見ると、やはり背中も傷だらけであった。
「ねえ、シベリウスは上半身裸じゃないと寝れないの?」
「いえ、服を着てても寝れますよ」
「じゃあなんで毎日脱ぐのよ」
「ジュエルに見せる為って言ってますよね?」
「ええ、まあ、ご立派な肉体美ですこと」
シベリウスはガバッと起き上がり、ジュエリアに身体を見せた。
「しっかり見てください」
ジュエリアはシベリウスは変態なのではないかと常々思っている。
「ええ、見てます。筋肉が凄いですね。これでいい?」
シベリウスは大きな溜息をついた。
そしてジュエリアの手を取り、自分の脇腹の古傷に触れさせる。
「身体の傷を見て欲しかったんです。この身体を見れば、きっとジュエルは私を思い出してくれると期待したんです」
「え?」
ジュエリアはシベリウスの身体をまじまじと見るが、何もわからない。思い出すといっても、どの記憶を掘り起こすのかさえわからないくらい、彼の身体の傷に検討もつかない。
「もちろんすべての傷がジュエルが知っているものではないです。殆どは、稽古や任務や折檻でついた傷です。でも、それらも含めて見せたかった。ジュエルを想えば耐えられたものばかりだから」
ジュエリアは触れている彼の脇腹の古傷を指でなぞる。
「ごめんなさい……何もわからないわ……」
そう言って手を離した。
シベリウスは悲し気な憂い顔を見せる。
「そうですよね……」
シベリウスはジュエリアの頭を優しく撫で、額にキスをした。
「おやすみなさい、ジュエル。良い夢を」
そう言ってシベリウスは背を向けてしまった。
ジュエリアは彼の気持ちを汲めず申し訳なくなる。最後の彼の表情も胸を締め付けた。
ジュエリアは手を伸ばし、昼間シベリウスがしてくれたように、彼の背中を優しくさすった。
シベリウスはゆっくりと身体をジュエリアに向ける。
「私は、いつだってあなたに心の内を見せている。ジュエルが好きだと。隠しているのはジュエルですよね?」
「え?」
シベリウスの心を見透かすような視線に、ジュエリアはドキリとした。
「おやすみなさい、僕の宝石」
シベリウスはまた背を向けて寝てしまった。
ジュエリアは無意識に先程までシベリウスがマッサージをしてくれていた自分の手をさすり、寂しさを感じていた。
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