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甘美で、危険な戯れ
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会長室を出た僕の心は晴れ晴れしていた。
これから、5人との甘美な生活が始まるんだ。
「夕貴、お疲れ様でした。よく、頑張りましたね……」
創一様が、僕の頭を撫でてくれる。僕は縋るように彼の手を取り、頬に撫でつけた。
「危なっかしーな! 何度表に出てやろうとしたか、わかってんのか!?
……創一様に阻まれて、出来なかったけど」
「うん、ごめんね。勝太……」
ロイヤルが僕の手を取り、手の甲に口づける。
「Yuki, my sweetheart. I'll do anything for you……(僕の可愛い人、夕貴。貴方の為なら何でもしてあげる……)」
『ありがとう、ロイヤル。愛してるよ』
外に出ると、いつもよりも陽の光が目に眩しい。キラキラと街路樹の緑の隙間を縫って、僕の目に飛び込んでくる。
それを僕は、優しく受け止めた。
ダリアが、僕の腕に自らの腕を絡ませる。
「ねぇ、夕ちゃんの住んでるお家ってどんな感じなの? ウフッ、楽しみだわぁ」
「あの城みたいに豪華じゃないけど……誰に監視されることもない、期限もない。
僕たちにとって、最高の城だよ」
僕は車の助手席へと案内した。
「さぁ、帰ろっか」
長いドライブを終えて自宅に辿りついた僕は、疲労よりも興奮の方が上回っていた。
車中では、直貴はもとより、勝太やロイヤル、ダリア、創一様それぞれと喋ったり、笑いあったり、時にはじゃれあったりして、楽しい時間を過ごした。主人格は直貴なんだけど、相変わらず統制するのは創一様で、勝太やロイヤルがあまり長く現れていると咎められるのか、別人格に交替した。
「へぇ、ここが夕貴の住んでる家なんだ」
直貴は、意外そうに2階建てのアパートを見上げた。
もちろん、本家とは比べものにもならない。僕たちが大学生の時に一緒に暮らしていたマンションとも比較にならないほど、こじんまりとした質素なアパート。
階段の手摺はペンキが剥がれて錆つき、上ると鉄筋のカンカン……という音がアパート中に響き渡る。
「そう。僕たちの城だよ」
にっこり微笑むと、僕の住む2階の角部屋へと案内した。
6畳のベッドルーム兼ダイニングルーム兼リビングルームの部屋に、台所とトイレと風呂がついたアパート。外からみればかなり年季の入ったボロアパートだけど、室内は外観より悪くない。
一応リフォームが入っているのでコンロも電気式だし、ちゃんとトイレとお風呂も別々だしね。壁は薄いけど、僕が引っ越してからずっと隣は空き部屋のままだし、他に住んでるのは独身とか大学生ばっかで、近所付き合いがないのも楽だ。
贅沢になれきってたはずの僕が、今ではこんな生活に順応出来てるなんて、愛のなせる技だよね。
「直貴……」
僕は彼の首にしがみつき、唇を寄せた。
直貴は顔を真っ赤にし、緊張で躰を強張らせつつも、抵抗することなく瞳を閉じた。睫毛が震えてるのが、可愛い。
「大好きだよ、直貴」
直貴が直立不動だから、少し背伸びしてキスしなきゃいけなかったけど、そんな純情な彼の態度もたまらなく愛おしかった。
これから、5人との甘美な生活が始まるんだ。
「夕貴、お疲れ様でした。よく、頑張りましたね……」
創一様が、僕の頭を撫でてくれる。僕は縋るように彼の手を取り、頬に撫でつけた。
「危なっかしーな! 何度表に出てやろうとしたか、わかってんのか!?
……創一様に阻まれて、出来なかったけど」
「うん、ごめんね。勝太……」
ロイヤルが僕の手を取り、手の甲に口づける。
「Yuki, my sweetheart. I'll do anything for you……(僕の可愛い人、夕貴。貴方の為なら何でもしてあげる……)」
『ありがとう、ロイヤル。愛してるよ』
外に出ると、いつもよりも陽の光が目に眩しい。キラキラと街路樹の緑の隙間を縫って、僕の目に飛び込んでくる。
それを僕は、優しく受け止めた。
ダリアが、僕の腕に自らの腕を絡ませる。
「ねぇ、夕ちゃんの住んでるお家ってどんな感じなの? ウフッ、楽しみだわぁ」
「あの城みたいに豪華じゃないけど……誰に監視されることもない、期限もない。
僕たちにとって、最高の城だよ」
僕は車の助手席へと案内した。
「さぁ、帰ろっか」
長いドライブを終えて自宅に辿りついた僕は、疲労よりも興奮の方が上回っていた。
車中では、直貴はもとより、勝太やロイヤル、ダリア、創一様それぞれと喋ったり、笑いあったり、時にはじゃれあったりして、楽しい時間を過ごした。主人格は直貴なんだけど、相変わらず統制するのは創一様で、勝太やロイヤルがあまり長く現れていると咎められるのか、別人格に交替した。
「へぇ、ここが夕貴の住んでる家なんだ」
直貴は、意外そうに2階建てのアパートを見上げた。
もちろん、本家とは比べものにもならない。僕たちが大学生の時に一緒に暮らしていたマンションとも比較にならないほど、こじんまりとした質素なアパート。
階段の手摺はペンキが剥がれて錆つき、上ると鉄筋のカンカン……という音がアパート中に響き渡る。
「そう。僕たちの城だよ」
にっこり微笑むと、僕の住む2階の角部屋へと案内した。
6畳のベッドルーム兼ダイニングルーム兼リビングルームの部屋に、台所とトイレと風呂がついたアパート。外からみればかなり年季の入ったボロアパートだけど、室内は外観より悪くない。
一応リフォームが入っているのでコンロも電気式だし、ちゃんとトイレとお風呂も別々だしね。壁は薄いけど、僕が引っ越してからずっと隣は空き部屋のままだし、他に住んでるのは独身とか大学生ばっかで、近所付き合いがないのも楽だ。
贅沢になれきってたはずの僕が、今ではこんな生活に順応出来てるなんて、愛のなせる技だよね。
「直貴……」
僕は彼の首にしがみつき、唇を寄せた。
直貴は顔を真っ赤にし、緊張で躰を強張らせつつも、抵抗することなく瞳を閉じた。睫毛が震えてるのが、可愛い。
「大好きだよ、直貴」
直貴が直立不動だから、少し背伸びしてキスしなきゃいけなかったけど、そんな純情な彼の態度もたまらなく愛おしかった。
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