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再会
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「ねぇ、叔父さん」
僕は貴之叔父さんのすぐ隣に座った。
「直貴はね、同性を愛することに、深い罪悪感を抱いているんだ。貴之叔父さんが男と駆け落ちしちゃったせいで、ね。糸子叔母さんは、直貴に呪文をかけたんだ……『男同士の恋愛なんてありえない』、『気持ち悪い』、『頭がおかしい』ってね。だから、直貴は僕を求めたくても、求められない。その抑圧された感情が別の人格を生み出してしまった。
直貴の呪文を解くことが出来るのは、貴之叔父さんしかいないんだ。彼の居場所は、お祖父様しか知らない。
お願い、貴之叔父さん。お祖父様に会って直貴の居場所を聞き出して、直貴を呪文から解放してあげて……」
そうしたら僕は、王子を救い出すことが出来るから。
貴之叔父さんの顔色がますます悪くなり、土気色になっている。
「お、お父様に会うなんて、む……無理だ」
獲物に狙われた小動物のように、ブルブルと震えている。
僕は、そんな彼に爪を立てた。
「自分だけ勝手に逃げといて、真実を知ってもまだ逃げるつもり?」
「ぼ……僕には、無理だ。お父様に会ったら、間違いなく松ノ内の家に戻されてしまう。お父様も、直貴も……説得することなんて、出来ない」
「はぁ!? 何言ってんの? 出来ないじゃなくて、するの!!
誰のせいでこんな事態になったと思ってんの!!」
19歳の僕に対し、貴之叔父さんは涙目で訴えた。
「許してくれ……夕貴くん」
僕は立ち上がり、今度は貴之叔父さんの襟首を掴む。
「許さないよ? もし、お祖父様に会ってくれないなら、このお店に貴之叔父さんがいることバラすから。叔父さんの恋人が誰かも突き止めて、その人と一緒にお祖父様の前に突き出すよ?」
「孝雄を!! 孝雄を巻き込まないでくれっっ!!」
感情的に叫んだ叔父さんに、僕はニヤリと微笑んだ。
「ふーん、孝雄っていうんだ、その人」
「……ック」
今更唇を固く結んだって、遅いよ?
僕は立ち上がり、貴之叔父さんの腕を取った。
「さ、行こっか♪」
「え……?」
「お祖父様のとこに決まってるでしょ。久々の親子再会。お祖父様、感動して泣いちゃうかもよ?」
貴之叔父さんがビクッと震え、僕を睨みつけた。
「夕貴くん……君って子は……」
「何? 悪魔みたいだって言いたいの?
僕は、悪魔にだってなれるよ。愛する直貴のためならね……」
貴之叔父さんは黙り込んだ。反論の余地もないみたいだ。
僕たちはバーを出るとタクシーに乗り込み、お祖父様の待つ本家へと向かった。
僕は貴之叔父さんのすぐ隣に座った。
「直貴はね、同性を愛することに、深い罪悪感を抱いているんだ。貴之叔父さんが男と駆け落ちしちゃったせいで、ね。糸子叔母さんは、直貴に呪文をかけたんだ……『男同士の恋愛なんてありえない』、『気持ち悪い』、『頭がおかしい』ってね。だから、直貴は僕を求めたくても、求められない。その抑圧された感情が別の人格を生み出してしまった。
直貴の呪文を解くことが出来るのは、貴之叔父さんしかいないんだ。彼の居場所は、お祖父様しか知らない。
お願い、貴之叔父さん。お祖父様に会って直貴の居場所を聞き出して、直貴を呪文から解放してあげて……」
そうしたら僕は、王子を救い出すことが出来るから。
貴之叔父さんの顔色がますます悪くなり、土気色になっている。
「お、お父様に会うなんて、む……無理だ」
獲物に狙われた小動物のように、ブルブルと震えている。
僕は、そんな彼に爪を立てた。
「自分だけ勝手に逃げといて、真実を知ってもまだ逃げるつもり?」
「ぼ……僕には、無理だ。お父様に会ったら、間違いなく松ノ内の家に戻されてしまう。お父様も、直貴も……説得することなんて、出来ない」
「はぁ!? 何言ってんの? 出来ないじゃなくて、するの!!
誰のせいでこんな事態になったと思ってんの!!」
19歳の僕に対し、貴之叔父さんは涙目で訴えた。
「許してくれ……夕貴くん」
僕は立ち上がり、今度は貴之叔父さんの襟首を掴む。
「許さないよ? もし、お祖父様に会ってくれないなら、このお店に貴之叔父さんがいることバラすから。叔父さんの恋人が誰かも突き止めて、その人と一緒にお祖父様の前に突き出すよ?」
「孝雄を!! 孝雄を巻き込まないでくれっっ!!」
感情的に叫んだ叔父さんに、僕はニヤリと微笑んだ。
「ふーん、孝雄っていうんだ、その人」
「……ック」
今更唇を固く結んだって、遅いよ?
僕は立ち上がり、貴之叔父さんの腕を取った。
「さ、行こっか♪」
「え……?」
「お祖父様のとこに決まってるでしょ。久々の親子再会。お祖父様、感動して泣いちゃうかもよ?」
貴之叔父さんがビクッと震え、僕を睨みつけた。
「夕貴くん……君って子は……」
「何? 悪魔みたいだって言いたいの?
僕は、悪魔にだってなれるよ。愛する直貴のためならね……」
貴之叔父さんは黙り込んだ。反論の余地もないみたいだ。
僕たちはバーを出るとタクシーに乗り込み、お祖父様の待つ本家へと向かった。
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