48 / 108
満たされる欲望
3
しおりを挟む
翌朝、僕はもしかしたら直貴が昨日のことを覚えてたらどうしようって心配したけど、それは杞憂だったようだ。
「なんだか今日は、すごく気分がすっきりしてるんだ」
そう言って、機嫌が良さそうだった。
昨日のロイヤルとの秘め事が思い出され、直貴がすっきりした原因ってそれなのかなと考えると自然に頬が緩まった。
「おい……」
ふと顔を上げると、僕の目の前に眉間に皺を寄せて不機嫌な直貴の顔があった。
……違う。この表情は、勝太だ。
「お前、昨日……」
「朝から勝太が現れるなんて、珍しいね。どうしたの?」
勝太は毒気を抜かれたのか、チッと舌打ちすると、「なんでもねぇ……」と言った。
それから、微睡んだような瞳になり、躰がフラフラと揺れ、瞼が閉じる。人格が交替する時は、いつもこんな感じだ。
「あれ? えと……」
一瞬直貴は戸惑ったような顔をしたものの、壁に掛けられた時計を見て、僕に声を掛けた。
「いつの間にか、時間が経ってたね。行こうか」
「うん」
直貴の背中を見ながら、歩き出す。
そっか……勝太はロイヤルとのこと、知ってるんだ。
その日から、ロイヤルは直貴が眠りについてから毎晩現れるようになった。
彼は僕よりも3つ年上だってことが分かったけど、それよりももっと大人に感じた。会話とか態度とかもそうだけど、セックスのテクニックだって凄いんだ。僕は彼の性技に溺れ、のめりこんでいった。
それにロイヤルは、直貴なら絶対に言わないような甘い言葉で囁いてくれる。
『ユーキ、愛しているよ』
『君だけだ』
『本当に、ユーキは可愛いね』
僕を愛してくれている、僕だけを見つめていてくれる。そんな風に感じさせられて、好きにならないわけないでしょ?
ロイヤルが現れてからというもの、直貴の精神は安定しているように見えた。
二学期に入った僕たちは、学生らしい日々を過ごした。テストの前に一緒に勉強したり、休み時間にはスポーツで汗を流したりした。
寮に戻っても部屋にすぐ戻らず、みんなの集まる歓談室で一緒にテレビを見たり、ゲームをして騒いだり、くだらないことで笑い合った。
大好きな直貴が隣にいても触れられないのは寂しかったけど、今の僕にはロイヤルがいる。僕は、満たされていた。
その一方で、満たされていない不満を抱えていたのは勝太だった。僕に触れたくて溜まらない素振りをする癖に、触れようとしない。その癖、そのイライラを僕にぶつけてくる。理由を尋ねても、答えてくれない。
僕と勝太の関係が、ギクシャクするようになっていた。
直は、直貴の精神が安定しているせいか、勝太とロイヤルの想いが強いせいか、顔を出すことは、あまりなくなっていた。
ロイヤルは、いつでも僕のことを優先して考えてくれた。
『ねぇ、もう大分慣れてきたし、そろそろ大丈夫だよ?』
僕の窄まりにローションをたっぷりつけた指を入れるロイヤルに、焦れたように声を掛けた。もう一週間もこんなことをしている。後ろを弄られるようになるまでも、長かったけどね。
『初めては、絶対に辛いから……』
そう言って、ロイヤルは僕の中に入れようとはしなかった。でも、こうして毎日後ろを弄られてると、うずうずして仕方なかった。
正直、昼間学校にいる時もなんだかお尻のあたりが変な気分で、今日は堪らずトイレに走って行って、後ろに自分で指を入れてしまった。
「なんだか今日は、すごく気分がすっきりしてるんだ」
そう言って、機嫌が良さそうだった。
昨日のロイヤルとの秘め事が思い出され、直貴がすっきりした原因ってそれなのかなと考えると自然に頬が緩まった。
「おい……」
ふと顔を上げると、僕の目の前に眉間に皺を寄せて不機嫌な直貴の顔があった。
……違う。この表情は、勝太だ。
「お前、昨日……」
「朝から勝太が現れるなんて、珍しいね。どうしたの?」
勝太は毒気を抜かれたのか、チッと舌打ちすると、「なんでもねぇ……」と言った。
それから、微睡んだような瞳になり、躰がフラフラと揺れ、瞼が閉じる。人格が交替する時は、いつもこんな感じだ。
「あれ? えと……」
一瞬直貴は戸惑ったような顔をしたものの、壁に掛けられた時計を見て、僕に声を掛けた。
「いつの間にか、時間が経ってたね。行こうか」
「うん」
直貴の背中を見ながら、歩き出す。
そっか……勝太はロイヤルとのこと、知ってるんだ。
その日から、ロイヤルは直貴が眠りについてから毎晩現れるようになった。
彼は僕よりも3つ年上だってことが分かったけど、それよりももっと大人に感じた。会話とか態度とかもそうだけど、セックスのテクニックだって凄いんだ。僕は彼の性技に溺れ、のめりこんでいった。
それにロイヤルは、直貴なら絶対に言わないような甘い言葉で囁いてくれる。
『ユーキ、愛しているよ』
『君だけだ』
『本当に、ユーキは可愛いね』
僕を愛してくれている、僕だけを見つめていてくれる。そんな風に感じさせられて、好きにならないわけないでしょ?
ロイヤルが現れてからというもの、直貴の精神は安定しているように見えた。
二学期に入った僕たちは、学生らしい日々を過ごした。テストの前に一緒に勉強したり、休み時間にはスポーツで汗を流したりした。
寮に戻っても部屋にすぐ戻らず、みんなの集まる歓談室で一緒にテレビを見たり、ゲームをして騒いだり、くだらないことで笑い合った。
大好きな直貴が隣にいても触れられないのは寂しかったけど、今の僕にはロイヤルがいる。僕は、満たされていた。
その一方で、満たされていない不満を抱えていたのは勝太だった。僕に触れたくて溜まらない素振りをする癖に、触れようとしない。その癖、そのイライラを僕にぶつけてくる。理由を尋ねても、答えてくれない。
僕と勝太の関係が、ギクシャクするようになっていた。
直は、直貴の精神が安定しているせいか、勝太とロイヤルの想いが強いせいか、顔を出すことは、あまりなくなっていた。
ロイヤルは、いつでも僕のことを優先して考えてくれた。
『ねぇ、もう大分慣れてきたし、そろそろ大丈夫だよ?』
僕の窄まりにローションをたっぷりつけた指を入れるロイヤルに、焦れたように声を掛けた。もう一週間もこんなことをしている。後ろを弄られるようになるまでも、長かったけどね。
『初めては、絶対に辛いから……』
そう言って、ロイヤルは僕の中に入れようとはしなかった。でも、こうして毎日後ろを弄られてると、うずうずして仕方なかった。
正直、昼間学校にいる時もなんだかお尻のあたりが変な気分で、今日は堪らずトイレに走って行って、後ろに自分で指を入れてしまった。
0
お気に入りに追加
446
あなたにおすすめの小説
イケメン幼馴染に執着されるSub
ひな
BL
normalだと思ってた俺がまさかの…
支配されたくない 俺がSubなんかじゃない
逃げたい 愛されたくない
こんなの俺じゃない。
(作品名が長いのでイケしゅーって略していただいてOKです。)
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
大親友に監禁される話
だいたい石田
BL
孝之が大親友の正人の家にお泊りにいくことになった。
目覚めるとそこは大型犬用の檻だった。
R描写はありません。
トイレでないところで小用をするシーンがあります。
※この作品はピクシブにて別名義にて投稿した小説を手直ししたものです。
召喚された美人サラリーマンは性欲悪魔兄弟達にイカされる
KUMA
BL
朱刃音碧(あかばねあおい)30歳。
ある有名な大人の玩具の開発部門で、働くサラリーマン。
ある日暇をモテ余す悪魔達に、逆召喚され混乱する余裕もなく悪魔達にセックスされる。
性欲悪魔(8人攻め)×人間
エロいリーマンに悪魔達は釘付け…『お前は俺達のもの。』
潜入した僕、専属メイドとしてラブラブセックスしまくる話
ずー子
BL
敵陣にスパイ潜入した美少年がそのままボスに気に入られて女装でラブラブセックスしまくる話です。冒頭とエピローグだけ載せました。
悪のイケオジ×スパイ美少年。魔王×勇者がお好きな方は多分好きだと思います。女装シーン書くのとっても楽しかったです。可愛い男の娘、最強。
本編気になる方はPixivのページをチェックしてみてくださいませ!
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21381209
【BL】SNSで人気の訳あり超絶イケメン大学生、前立腺を子宮化され、堕ちる?【R18】
NichePorn
BL
スーパーダーリンに犯される超絶イケメン男子大学生
SNSを開設すれば即10万人フォロワー。
町を歩けばスカウトの嵐。
超絶イケメンなルックスながらどこか抜けた可愛らしい性格で多くの人々を魅了してきた恋司(れんじ)。
そんな人生を謳歌していそうな彼にも、児童保護施設で育った暗い過去や両親の離婚、SNS依存などといった訳ありな点があった。
愛情に飢え、性に奔放になっていく彼は、就活先で出会った世界規模の名門製薬会社の御曹司に手を出してしまい・・・。
【R-18】♡喘ぎ詰め合わせ♥あほえろ短編集
夜井
BL
完結済みの短編エロのみを公開していきます。
現在公開中の作品(随時更新)
『異世界転生したら、激太触手に犯されて即堕ちしちゃった話♥』
異種姦・産卵・大量中出し・即堕ち・二輪挿し・フェラ/イラマ・ごっくん・乳首責め・結腸責め・尿道責め・トコロテン・小スカ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる