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異変
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ある日、僕たちはスイミングスクールに来ていた。
その場で気にせず着替え始める他のやつらを尻目に、直貴は常に更衣室で着替えていた。痣を見られないためか、長袖のラッシュガードを常に着ている。
着替えを終えた僕は、直貴の着替えている更衣室に向かった。更衣室の鍵が開いていたので、もう着替え終わったのだと思って扉を開けた。
「直貴、プールいこっ」
「ッッ!!ゆ、ちゃ……」
「あ、ごめん。まだ着替え中だった?もう、鍵ちゃんと閉めてよ」
「……うん、ごめんね……」
扉を閉めると、中からガチャリと鍵がかかる音がした。
僕の背中が寒くなった。
手首の……あれ、何?
ナイフで、切ったの?
その頃の僕はリストカットなんてこと分からなかったし、理解もできなかった。ただ、その傷が怖ろしいと感じた。
直貴自身が自分で傷つけるなんて想像もつかなかった。直貴の母親が傷つけたのだとしか、考えられなかった。
僕は今まで以上に、直貴にべったりくっつくようになった。学校でも、習い事でも、分家にも遊びに行き、直貴や彼の母親の行動に目を光らせた。
叔母さんは本家の人間であり、将来主となる僕を厄介払いすることは出来ない。いつも微妙な笑顔で出迎えてくれた。
そうすることで、直貴を余計に苦しめていたなんて、気づかずに。
直貴を守りたい一心で、一緒にいようと僕がすればするほどに、直貴は僕に対してますます距離を置く。
どうして直貴は、僕から離れようとするの?
僕はこんなに、直貴のことが大好きなのに……
そんな思いが、心の中に広がっていった。
ーーそんな関係に、変化が訪れた。
その場で気にせず着替え始める他のやつらを尻目に、直貴は常に更衣室で着替えていた。痣を見られないためか、長袖のラッシュガードを常に着ている。
着替えを終えた僕は、直貴の着替えている更衣室に向かった。更衣室の鍵が開いていたので、もう着替え終わったのだと思って扉を開けた。
「直貴、プールいこっ」
「ッッ!!ゆ、ちゃ……」
「あ、ごめん。まだ着替え中だった?もう、鍵ちゃんと閉めてよ」
「……うん、ごめんね……」
扉を閉めると、中からガチャリと鍵がかかる音がした。
僕の背中が寒くなった。
手首の……あれ、何?
ナイフで、切ったの?
その頃の僕はリストカットなんてこと分からなかったし、理解もできなかった。ただ、その傷が怖ろしいと感じた。
直貴自身が自分で傷つけるなんて想像もつかなかった。直貴の母親が傷つけたのだとしか、考えられなかった。
僕は今まで以上に、直貴にべったりくっつくようになった。学校でも、習い事でも、分家にも遊びに行き、直貴や彼の母親の行動に目を光らせた。
叔母さんは本家の人間であり、将来主となる僕を厄介払いすることは出来ない。いつも微妙な笑顔で出迎えてくれた。
そうすることで、直貴を余計に苦しめていたなんて、気づかずに。
直貴を守りたい一心で、一緒にいようと僕がすればするほどに、直貴は僕に対してますます距離を置く。
どうして直貴は、僕から離れようとするの?
僕はこんなに、直貴のことが大好きなのに……
そんな思いが、心の中に広がっていった。
ーーそんな関係に、変化が訪れた。
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