33 / 108
不慮の事故
1
しおりを挟む
その日、僕の部屋には創一様が訪れていた。
僕の手は拘束され、フックが掛けられ、滑車に括りつけられている。淫らに突き出したなだらかな双丘を、創一様が背後から激しく腰を打ち付けていた。
「あぁ!!ハァッ、ハァッ……も、だめぇ……創一、さ……まハァッ……イカせて……ハァッ、ハァッ」
けれど、僕の膨張した猛りはコックリングによって吐精を阻まれ、荒々しく脈を打っていた。
「ハァッ、ハァッ……夕貴……まだ、ですよ……」
僕は創一様の声を聞き、手を力強く振って悶え苦しんだ。
「ハァッ!ハァッ!やぁぁぁ!!も、無理ぃぃ!!我慢出来ないっっ!!」
思いっきり手を引っ張った時ーー
それは、起こった。
手の拘束が急に緩まったかと思うと、スルスルーッと縄の衣擦れの音が響き、見上げると外れた滑車と釣り金具が間近まで迫っていた。
逃げなきゃって頭では思うのに、躰が固まって反応してくれない。
「夕貴、危ないっっ!!」
創一様の声が響くと同時に、ガラガラッカーン、カーン……と甲高い金属音が響いた。
気がつくと、僕は創一様の躰の下に包まれていた。
「そ……いち、さま……?」
創一様は、微動だにしない。
嘘……でしょ?
僕は創一様の躰から抜けると、彼をそっと抱きかかえた。後頭部を支えた途端にぬるっとした感触にビクッとして、手を見ると真っ赤になっている。
おそるおそる頭を横にすると、後頭部がパックリ割れて血が出ていた。
こんなことになるなんて……どう、しよう。どうしたら……
パニックになりそうな頭をなんとか落ち着かせようとするけど、働かない。
こんな時、創一様ならどうするだろう……
「そう、だ……救急、車。救急車、呼ばないと……」
意識を失っている創一様の呼吸を確かめ、そっとベッドに横たえる。
急いで扉を開け、廊下に飛び出すと叫びながら走った。
「お願い!!誰か救急車、救急車を呼んで!!創一様が!!そ、いち……ック……」
走っても、走っても誰も見えない。大きな屋敷はまるでもぬけの殻の如く、シンとしている。
なんで誰も応えてくれないの!!
どこに……行っちゃったんだよ……
「早く誰か助けてよ!!」
僕は監視カメラに向かって、苛立ちをぶつけた。
創一様の容態が心配なので、とにかく部屋に一旦戻ることにした。途中、勝太やロイヤル、ダリア、直の部屋も覗いたけど、誰もいない。
開けっ放しにしてある扉から入ると、躰を起こした後ろ姿が見えた。
「創一様……」
良かった……意識が、戻ったんだ……
「夕貴、お兄ちゃま?」
「えっ。な、お……?」
そこにいたのは、創一様ではなく、直だった。
僕の手は拘束され、フックが掛けられ、滑車に括りつけられている。淫らに突き出したなだらかな双丘を、創一様が背後から激しく腰を打ち付けていた。
「あぁ!!ハァッ、ハァッ……も、だめぇ……創一、さ……まハァッ……イカせて……ハァッ、ハァッ」
けれど、僕の膨張した猛りはコックリングによって吐精を阻まれ、荒々しく脈を打っていた。
「ハァッ、ハァッ……夕貴……まだ、ですよ……」
僕は創一様の声を聞き、手を力強く振って悶え苦しんだ。
「ハァッ!ハァッ!やぁぁぁ!!も、無理ぃぃ!!我慢出来ないっっ!!」
思いっきり手を引っ張った時ーー
それは、起こった。
手の拘束が急に緩まったかと思うと、スルスルーッと縄の衣擦れの音が響き、見上げると外れた滑車と釣り金具が間近まで迫っていた。
逃げなきゃって頭では思うのに、躰が固まって反応してくれない。
「夕貴、危ないっっ!!」
創一様の声が響くと同時に、ガラガラッカーン、カーン……と甲高い金属音が響いた。
気がつくと、僕は創一様の躰の下に包まれていた。
「そ……いち、さま……?」
創一様は、微動だにしない。
嘘……でしょ?
僕は創一様の躰から抜けると、彼をそっと抱きかかえた。後頭部を支えた途端にぬるっとした感触にビクッとして、手を見ると真っ赤になっている。
おそるおそる頭を横にすると、後頭部がパックリ割れて血が出ていた。
こんなことになるなんて……どう、しよう。どうしたら……
パニックになりそうな頭をなんとか落ち着かせようとするけど、働かない。
こんな時、創一様ならどうするだろう……
「そう、だ……救急、車。救急車、呼ばないと……」
意識を失っている創一様の呼吸を確かめ、そっとベッドに横たえる。
急いで扉を開け、廊下に飛び出すと叫びながら走った。
「お願い!!誰か救急車、救急車を呼んで!!創一様が!!そ、いち……ック……」
走っても、走っても誰も見えない。大きな屋敷はまるでもぬけの殻の如く、シンとしている。
なんで誰も応えてくれないの!!
どこに……行っちゃったんだよ……
「早く誰か助けてよ!!」
僕は監視カメラに向かって、苛立ちをぶつけた。
創一様の容態が心配なので、とにかく部屋に一旦戻ることにした。途中、勝太やロイヤル、ダリア、直の部屋も覗いたけど、誰もいない。
開けっ放しにしてある扉から入ると、躰を起こした後ろ姿が見えた。
「創一様……」
良かった……意識が、戻ったんだ……
「夕貴、お兄ちゃま?」
「えっ。な、お……?」
そこにいたのは、創一様ではなく、直だった。
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
イケメン幼馴染に執着されるSub
ひな
BL
normalだと思ってた俺がまさかの…
支配されたくない 俺がSubなんかじゃない
逃げたい 愛されたくない
こんなの俺じゃない。
(作品名が長いのでイケしゅーって略していただいてOKです。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる