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僕の崇拝する帝王

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 もう片方の手はクリップを摘み、左右に捻る。

「ヒッ!!あぁぁ……や、や、ゃ……」

 子供のように頭を振り、泣き喚くと、創一様の妖艶な瞳が僕を覗き込んだ。

「さぁ、私を欲しがって下さいますか」

 僕はわななく唇を噛み締め、涙に濡れた瞳で創一様を見つめた。

「ハァッ、ハァッ……僕の淫乱なここに、創一様の……を下さい……ハァッ、ハァッ」 

 肉欲に塗れた厭らしい自分の姿に、ゾクゾクと興奮が走った。
 
 僕の中から振動する玩具が抜かれた。  

「愛しい夕貴……」

 創一様が僕を抱き締め、滑車を緩めてくれる。しっかりと抱きかかえてもらうと、安心からか全身の力が抜けていく。

「クスッ……まだ、終わっていませんよ?」

 創一様はベッドに仰向けになると、その上に僕を乗せた。

「貴方が、入れて下さい」

 まだ手首を縛られた状態なので、創一様の猛りを掴むことが出来ない。腰を浮かせ、ここだと思うところに狙いを決めて腰を下ろすけれど、ぬるぬるに濡れた肌が滑り、上手く入ってくれない。

 自分でコントロール出来ない苛立ちが募っていく。

 こんなに欲しいのに……なんで、入らないの。

「ぁ……」

 入った、と思ったらヌルッと滑って創一様の猛りが横に倒れた。

「あぁぁ……」

 落胆の声が、落ちる。

 創一様は何も言わず、僕の様子を愉しげに見つめているだけ。彼だって、欲ではち切れそうに膨張したそれを抱えて辛いはずなのに、そんな素振りは少しも見せない。

「ゃ、欲しい……創一様の……ハァッ入っ、て……」

 焦燥感を抑え、ゆっくりと腰を落としていった。グチュリ、と淫らな水音が響き、グプグプと創一様の猛りが僕の後孔に呑み込まれていく。

「はぁぁぁぁぁぁ……」

 安堵と快楽で、大きく息が漏れる。

 創一様が僕の腰に両手を添えた。

「さぁ、艶かしく動いて下さい」
「ハァッ、ハァッ、ハァッ……ぁ、すご……ハァッ、気持ちいぃ……ハァッ、ハァッ……」

 フックから繋がれたゴム縄の力によって、躰が上下に跳ね上がる。夢中になって跳ねていると、ツルッと創一様の猛りが抜けてしまった。

「ククッ……はしゃぎすぎですよ」

 創一様が半身を起こすと、再び縄で僕の脚をM字に固定し、滑車を少し引き上げた。僕は創一様の上に乗せられ、厭らしく蠢く孔を目の前に差し出す形にさせられる。

「今度は、私が愉しむ番です」

 創一様が僕の腰を掴むと持ち上げる。

 ボールのように僕の躰が上下に軽やかに跳ねているのが、肌から伝わる感触からも、視界からも伝わってきた。

「ぁ!ぁ!あ!あぁっ!!これ、すごっ!!あ、感じる……ハァッ、ハァッ……んんぅぅぅ」

 創一様がグッと僕の腰を引き寄せ、互いの腰をぴったりと密着させた状態でグリグリと肉壁を擦った。ゴムの反動によって引っ張られるのに、それが出来ずに肉壁が擦られ、躰がビクンと震える。

 フッと創一様の口元が緩み、反応が激しかったそこを何度も何度も擦られる。涙と鼻水でぐちゃぐちゃに崩れた表情で、泣き叫んだ。

「やぁっっ!!だ、めぇぇっっ!!ハァッハァッ壊れる、壊れちゃう!!だめぇぇっっ!!」

 甘美だった責め苦は、今や精神をも壊しそうなほどに激しい快楽を伴った苦しみとなって、大波のように僕に襲いかかる。

「壊れなさい。すべて、解放して……さぁ、全て私に委ねるのです……ハァッ、ハァッ……」

 創一様の荒い息遣いと神からの啓示を受け、頭の中が真っ白に塗り潰されていく。

 苦しみも。
 痛みも。
 罪悪感も。
 背徳も。

 全て解放し、委ねてしまおう……

「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ……ぁぁぁぁああああああっっ!!」

 一際大きく啼いてからグッと背をそらせると、中心の猛りからは何も出ていないのに全身が震え、大きな快感が爪先から頭の先まで走り抜けた。

「愛していますよ、夕貴……」

 ビクン、ビクンと躰を震わせた僕は全てを愛する創一様に委ね、幸福の中、意識を手放した。
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